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最新パーツ性能チェック 第483回

3D-Guided Neural Renderingを解説

左手(AI)はそえるだけ。「NBA 2K27」でDLSS 5におけるニューラルレンダリングの画質とフレームレート下落率を検証

2026年09月08日 10時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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GeForce RTX 5050〜5080でどの程度の差が出るのか?

 では、今回の検証環境を紹介しよう。GeForceはRTX 5050~5080まで6種類準備。ドライバーはレビュー用に提供されたGameReady 616.64を使用した。Resizable BARやSecure Boot、メモリー整合性やカーネルモードハードウェア強制スタック保護、HDRなどはひと通り有効化、ディスプレーのリフレッシュレートは144Hzに設定した。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 7 9850X3D」(8コア/16スレッド、最大5.6GHz)
CPUクーラー EKWB「EK-Nucleus AIO CR360 Lux D-RGB」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「B850 LiveMixer WiFi」(AMD B850、BIOS 4.43)
メモリー Crucial「Crucial Pro CP2K32G64C40U5B」
(32GB×2、DDR5-5600動作)
ビデオカード NVIDIA「GeForce RTX 5080 Founders Edition」(16GB GDDR7)、
Palit「GeForce RTX 5070 Ti GamingPro」(16GB GDDR7)、
NVIDIA「GeForce RTX 5070 Founders Edition」(12GB GDDR7)、
Palit「GeForce RTX 5060 Ti Infinity 3 OC 16GB」(16GB GDDR7)、
ASUS「Dual GeForce RTX 5060 8GB GDDR7 OC Edition」、
MSI「GeForce RTX 5050 VENTUS 2X OC」(8GB GDDR6)
ストレージ Crucial「T700 CT2000T700SSD3」(2TB M.2 SSD、PCIe 5.0)、
Silicon Power「PCIe Gen 4x4 US75 SP04KGBP44US7505」
(4TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
電源ユニット ASRock「TC-1300T」(1300W、80 PLUS TITANIUM、Cybenetics TITANIUM、LAMBDA A++)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(25H2)

D-Guided Neural Renderingを有効にすると
フレームレートは激しく下がる

 今回はフルHD(1920×1080ドット)、WQHD(2560×1440ドット)、4K(3840×2160ドット)の3通りでRTX 50シリーズのフレームレートがどのように変化するのか検証する。とくに、3D-Guided Neural Rendering使用時と非使用時でどの程度変わるかに注目したい。

 NBA 2K27の全体的な画質は「最高」とし、被写界深度も追加。DLSSは「クオリティー」設定、フレーム生成は不使用と「6x」のマルチフレーム生成使用時の2パターンで試す。クイックマッチで1分間プレイした時のフレームレートを計測しているが、ファウルやタイムでカメラが切り替わるとフレームレートが急変する。そのため、カメラ切り替えを極力ゲーム側でオフにした上で実施することが肝要である。

 フレームレート計測にあたっては「CapFrameX」を使用し、フレームレートの計算はmsBetweenDisplayChange基準で実施している。まずはフレーム生成不使用時のデータから見ていこう。

DLSS 5

NBA 2K27:1920x1080ドット、フレーム生成不使用時のフレームレート。なお、「3DNR」とあるデータは3D-Guided Neural Rendering使用時であることを示す(以降、同様)

DLSS 5

NBA 2K27:2560x1440ドット、フレーム生成不使用時のフレームレート

DLSS 5

NBA 2K27:3840x2160ドット、フレーム生成不使用時のフレームレート

 今回のテストでは、ホットキーを押すことで3D-Guided Neural Renderingのオン・オフを切り替えられた。3D-Guided Neural Renderingを切るだけで、目に見えてフレームレートが一気に上がったことが印象的だった。

 平均フレームレートを比較すると、解像度が高ければ高いほど、GeForceが下のモデルであるほど3D-Guided Neural Rendering使用時の下落率が高い。フルHDかつRTX 5080であればオンにするだけで約40%下がる。

 とくに下落率が厳しかったGPUはRTX 5060や5050といったエントリーモデルで、下落率は60%を超えた。解像度が4KになるとRTX 5060や5050ではメニュー操作すらおぼつかない。これは素のGPUパワーが少ないことに加え、VRAMも足らないという状況なので、下落率が高くて当然だ。

 ただし、3D-Guided Neural Renderingを使わなければ、RTX 5050でも4Kでユルい接待プレイ程度の遊び方はできる、という点は覚えておきたい。続いては、6xのマルチフレーム生成を使用した時のフレームレートを見てみよう。

DLSS 5

NBA 2K27:1920x1080ドット、6xマルチフレーム生成使用時のフレームレート

DLSS 5

NBA 2K27:2560x1440ドット、6xマルチフレーム生成使用時のフレームレート

DLSS 5

NBA 2K27:3840x2160ドット、6xマルチフレーム生成使用時のフレームレート

 マルチフレーム生成を利用するとフレームレートは激増するが、それでもRTX 5080+4Kでは3D-Guided Neural Renderingを使うと平均240fps程度なのに対し、使わない時は500fpsを超えるという点に注目したい。下落率に注目するとフルHDではどのGPUも32%前後、4Kだと50〜60%と、フレーム生成不使用時に比べると下落率が緩和されている。

 ただし、素のフレームレートが低い状態でマルチフレーム生成処理を加えると、アーティファクト(輪郭の崩れやゴミの発生)が発生しやすい。RTX 5060 Ti 16GB以下のGPUでは、4Kでアーティファクトの発生がはっきりと視認できた。とくに、カメラがクローズアップになると、輪郭の崩れが目立つ。VRAMが12GBのRTX 5070だと、4KではVRAM警告が出るもののプレイそのものは快適だった。

まとめ:NBA 2K27においては、左手(AI)はそえるだけ

 NBA 2K27の3D-Guided Neural Renderingはとにかく重かった。重い割にプレイ中は特段のメリットは感じられない微妙な要素であることは否定できない。ただし、プレイ中に差し込まれるカットシーンやクローズアップでは選手の描写が格段に進歩している。このためだけにRTX 50シリーズに乗り換える価値があるとは言わないが、最新技術の1歩目といった感じの出来だ。

 そして、解説で示した通り、現状の3D-Guided Neural Renderingはフォトリアル路線を突き詰めるものであるため、「原神」のようなアニメ調、「Overwatch」のようなカートゥーン調の描画とは相性が良くない。キャラ以外の領域なら3D-Guided Neural Renderingが活かせそうだが、苦手なゲームはどうしても生まれてしまう。万能技術ではない。

 だが、最初期のレイトレーシングがそうであったように、最初はオマケ程度であったものがいつの日かあって当たり前のものになることは珍しくない。NBA 2K27は影やAmbient Occlusionに絞った表現にすぎなかった(ように見えた)が、別のゲームではもっと驚くような使われ方をする可能性もある。学習モデルの進化が進めば表現の幅が増え、動作も軽快になることだろう。

 少なくとも、DLSS 5がAI Slop(ゴミ)を生むという批判は的外れであり、既存のゲームに強引にDLSS 5を組み込んだ画面を見て「ゴミ」と罵るのはよろしくない。3D-Guided Neural Renderingは開発者がコントロール可能であり、正しい入力や制約をつけてはじめて評価できる技術である。非対応のゲームに強引に導入して「すべてを知ったかのように」批判するのは的外れであろう。

DLSS 5はゲームのModコミュニティーにも大きな衝撃を与えた。たとえば、この「DLSS 5 Swapper」は、DLSS 5非対応のゲームでDLSS 5を有効化するためのツールである。ただし、これを使って不安定になったりゲームをBANされても自己責任である

DLSS 5 Swapperを用い、「Steallar Blade」でDLSS 5を有効にしたところ。効果は(筆者的には)いまひとつだったが、左上のUIに注目

左上部分を拡大したもの。DLSS 5の強度や3種類のモデル(デフォルト/ ナチュラル/ シネマティック)を選択でき、かつ強度も変更できる

 ただし、開発者がすべてをコントロールして実装した現状のNBA 2K27において、3D-Guided Neural Renderingはまだまだ「そえるだけ」といった印象を受けたことは確かである。今後の進化に注目したい。

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