フレームレートへの影響は下位モデルほど大きい
画質比較で使用した3本のゲームにおいて、FSR 4がもたらすフレームレートへの影響を検証しよう。今回の検証ルールは以下の通りとなる。画質は中設定と最高設定の2通りとしたが、中設定はGPUの限界をあまり攻めない状況、最高設定はGPUの限界を攻めた状況という想定である。なお、画質最高設定で検証するのはパワーのあるRX 7900 XTXとRX 9070 XTのみとした。
| 設定条件 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 解像度 | WQHD(2560x1440)のみ | |||||
| 画質 | 中設定、RX 7900 XTXとRX 9070 XTのみ最高設定でのテストも追加 | |||||
| アップスケーラー | FSR「クオリティー」設定 | |||||
| フレーム生成 | 使用しない | |||||
| 計測方法 | 「CapFrameX」を使用しmsBetweenDisplayChange基準で計算 | |||||
「Forza Horizon 6」
画質は「ウルトラ」および「Extreme+RT」の2通り。ゲーム内蔵ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。このゲームの場合RX 9000シリーズではデフォルトがFSR 4.05となり、ドライバー側でFSR 4の設定をオンにすることでFSR 4.1に置換される。ただRX 7000シリーズではFSR 3がデフォルト、ドライバー側でオンにすることでFSR 4が利用可能になる。
RX 7000シリーズの場合、FSR 3からFSR 4へ切り替えることによって平均フレームレートは最大13%程度低下する。低下率はRX 7900 XTXよりもRX 7600 XTの16GBモデルの方が大きく、もともとパワーが控えめなGPUほどFSR 4への変更でペナルティーが大きいことを示している。また、RX 7900 XTXのデータが示す通り、画質をウルトラに抑え負荷を下げた時のほうがExtreme+RT設定の時よりも下げ幅が大きい。Extreme+RTにしてGPU負荷を上げると、AI Matrix Acceleratorよりも別の部分が先に律速になるためと思われる。
そして、RX 9000シリーズにおけるFSR 4.05と4.1の違いはあると言われればあるかもしれないが、ほぼ0といってもいいだろう。
「Marvel Rivals」
Marvel Rivalsでは画質「中」と「最高」の2通りを準備。ゲーム内蔵ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。このゲームではドライバー側でFSR 4のスイッチをオンにしておけば、ゲーム内でいつでもFSR 3とFSR 4を切り替えられる。
どの画質、どのGPUにおいてもFSR 3から4に変更するとフレームレートの低下は避けられない。RX 9070 XTは画質中設定でも平均フレームレートの下落率は3%と小さいが、RX 7900 XTXは画質中だと12.6%、画質最高でも8.7%低下。さらにフレームレートへの影響が厳しいのがRX 7600 XT 16GBで、下落率は13.3%であった。
「Cyberpunk 2077」
Marvel Rivalsでは画質「ウルトラ」と「レイトレーシング:ウルトラ」の2通りを準備。ゲーム内蔵ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。このゲームもMarvel Rivalsと同様にゲーム内の設定でFSR 3とFSR 4を切り替えられる(ドライバー側の有効は必須)。
Cyberpunk 2077でもMarvel Rivalsと同じくFSR 3から4へのアップグレードにはフレームレートの犠牲がともなう。ただRX 9000シリーズの場合エントリー寄りのRX 9060 XT 16GBで平均フレームレートの下落率が8%程度に収まっているのに対し、RX 7600 XT 16GBの場合は同条件で約15%の下落と、ペナルティーがより大きくなっている。
画質とフレームレートのトレードオフだが、選択肢が増えたのはいいことだ
FSR 4がRX 7000シリーズに解放されたことによって、RX 7000シリーズのユーザーはフレームレートを少々犠牲にしてもFSR 4を有効化して画質を優先するか、画質を犠牲にしてもFSR 3のままでフレームレートを取るかの2択が可能になった。
アップスケール時の画質を確保したければあえてXeSS(対応ゲームのみ)を使うか、RX 9000シリーズあるいはGeForceへの乗り換えが必須だった状況に比べると、劇的な改善である。幸い画質面ではRX 9000シリーズのFSR 4と見分けがつかない出来となっているため、フレームレートへの影響が許容できるか否かだけで検討が終わるというのはいいことだ。
FSR 4解放までかなりグダグダな流れだったものの、結果的にドライバーの改善によって機能や付加価値が進化した点は喜ばしい。他のFSR “Redstone”の機能、特にFSR MLフレーム生成や今後実装予定のマルチフレーム生成も同じように解禁されることを期待したい。
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