素性の怪しい製品であふれる昨今のUSBケーブルワールド
製造をほぼ海外に依存している現代のUSBケーブル市場は、真面目に探し始めるととめどもない沼にハマる運命にある。なにせスペック表記どおりに動作するかどうかは、実際に手元でテスターを使ってチェックしないと納得できない商品が、有象無象に溢れかえっているからだ。
しかし、実店舗に自前のテスターを持ち込んで購入前に通電テストを試せるような寛容なお店は、聖地・秋葉原といえどもそう多くはない。通販であれば記載スペックと違った場合に返品可能なケースもあるが、その手続き自体がそもそも面倒だ。
そんな謎と混迷で埋め尽くされたUSBケーブルワールドだが、接続規格が「Type-C to Type-C」へ完全にシフトしてからは、もはや超文系を自認する筆者のような素人がたやすく関われる世界ではなくなったようにさえ思える。
とにかく疑うことなく、長く安心して最大出力を預けられるベンチマーク的なUSBケーブルとして、筆者は1年ほど前に確実な実績を持つ「Club 3D」の製品を購入し、日常のリファレンスとして愛用してきた。
やっぱりケーブルはぶっといものに限るだろう
性能的には一切の申し分がなく、ガジェット界隈でも人目を惹くClub 3Dの鮮やかな赤いUSBケーブルは、ある面においてミーハーな筆者の所有欲を大いに満たしてくれる。しかし、そんな信頼の赤ケーブルにも唯一の難点があった。
昨今のモバイルトレンドである、AnkerやCIOがリリースしている吸い付くようなシリコン素材のしなやかさ、いわゆる「柔らかケーブル」ではないという点だ。一般的に「柔らかさ=細さ」という公式がこの世界に当てはまるのかどうかは専門外だが、手元にあるAnkerやCIOのシリコンケーブル(白)の軸径をデジタルノギスで実測してみたところ、おおむね4mm前後という結果に落ち着いた。
一方で筆者は、昨今「temu」などでよく見かけるシリコン素材のド派手で太いケーブル(黄)の質感に強く惹かれることが多くなった。試しにその軸径を実測したところ、5.6mmという堂々たる太さであった。実を言うと、このお気に入りのtemu製ケーブルは、筆者の勘では「240Wなんて絶対流せない、なんちゃってシリコンケーブル」なのだが、この太さからくる独特の存在感と触感だけは妙に気に入っていたのである。
デジタルデータを正確に往復させるUSBケーブルと、エレキギターやベースの生々しいアナログシグナルをアンプに届けるシールドケーブルは、電気工学的にはまったく異なる存在であるはずだ。しかし、50年以上もエレキベースを嗜んできた筆者は、自分の愛器に接続する、あの「ぶっといシールドケーブル」の安心感と手触りが理屈抜きにメチャクチャ気に入っている。
ちなみに、長年愛用しているベース用のモンスターケーブルの軸径を測ってみれば、それは約7.5mmという豪快な数値であった。やはり男は黙って太いケーブルに惹かれる生き物なのだ。
ECサイトでの日本で企画された240W対応ケーブルの販売情報が
そんな「しなやかで、かつベースシールドのように太いType-Cケーブルが欲しい」という妄想を抱えていた折、いつも定期的に案内が届くジャストシステム直営のECサイト「Just MyShop(ジャストマイショップ)」から、実にタイムリーなメールが舞い込んだ。それが、国内老舗周辺機器メーカーのITPROTECH(アイティプロテック)が企画した、太いシリコン素材で美しくラッピングされた「24か月長期保証のハイグレードUSBケーブル4本セット」の特別販売案内であった。
長さが150cm、100cm、50cm、20cmと、日常のあらゆるユースケースをカバーする4本がパッケージングされており、筆者は考えるよりも先に購入ボタンを連打し、速攻で衝動買いしてしまった。
届いた製品の公称スペックは、現在のUSB PD最高峰である「240W(48V/5A)」の超高出力急速充電に対応した、正真正銘の「USB Type-C to Type-Cハイグレードケーブル」である。データ転送速度こそUSB 2.0準拠の最大480Mbpsに抑えられているが、その分、さまざまな電力要求の高い最新機器と接続しても、きわめて安定した給電と確実なリンクが期待できるよう設計されている。
だが、テクニカルスペック以上に筆者のミーハーな満足度を跳ね上げてくれたのは、やはりその「超太いシリコンコーティング」の仕上がりだった。先述したCIOやAnkerが誇るスマートな4mm径に対して、こちらはなんとTemu製極太ケーブルと同等の「5.6mm」という圧倒的なボリューム感を誇る。それでいて、指の合間で極めてフレキシブルにのたうつ柔軟性を兼ね備えているのだ。
さらに驚いたのは、金属製のコネクター部分が、まるで高級オーディオプラグのようにネジ式で分解でき、内部のプラグ接合部に直接アクセスできる構造になっている点だ。この男心をくすぐるビルドクオリティはたまらない。これにより、先述のClub 3Dに加え、今回のITPROTECH製ケーブル4本がデスクに配備され、筆者のリファレンス兼デイリーユースを支える精鋭の布陣は一気に5本へと拡充された。
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