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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第598回

「クラウン、どれ買うのが正解?」全4モデルを乗り比べたら“答え”が見えた

2025年12月31日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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 同一ブランド名ながら、4車種をラインアップするトヨタの「クラウン」。果たして、どのクラウンを選べばいいのでしょうか? すべてのモデルを試乗した筆者の視点で、どのクラウンがどんな人にオススメなのかをチョイスします。

【クラウン クロスオーバー】1周回って良さがわかる
最もお買い得なクラウン!?

 ちょっと車高が高めのクロスオーバーを最初に見た時、「これは一体なんなんだ?」と思った方は多いのではないでしょうか。セダンにもSUVにもなりきれていない、どこか中途半端な印象を筆者も受けました。

 ですが、全部のクラウンに乗って振り返ると、そのあとに出てくる3車種は、このクラウンの派生であることがわかります。使い勝手、ハンドリング、乗り心地といったパラメーターは4モデルの中で平均的。「新しいクラウンって、どんなクルマ?」と尋ねられたら、まずはクロスオーバーに触れることをオススメします。

 またクラウンシリーズの中で、最も安価に設定されている点も見逃せないポイント。ガンガン走るクルマではありませんが、色々な人を乗せる、比較的大きな荷物を載せるなど、1台で色々と使いたい人にピッタリの1台でしょう。

【クラウン スポーツ】運転手ファーストの1台

 クラウンシリーズで最も人気を集めているのが、このスポーツです。スポーツはクロスオーバーと比べてホイールベースは80mm短く、全幅は逆に40mm広いモデル。ちなみに、タイヤもクロスオーバーより10mm幅広だったりします。このことからも、ハンドリング性能に力を入れたモデルだということがわかるでしょう。

 それゆえ、後席はちょっと狭い印象で、クロスオーバーよりも硬く引き締まった足と相まって、長い時間後席に座ると少々辛いと思う人がいてもおかしくないかも。

 パワートレインはハイブリッドのほか、PHEVも用意しているのも見逃せないポイント。どちらも「もう少しパワーが欲しい」と思ったりするのですが、それだけシャシーがよいというわけです。

 この性格からも、運転手ファーストの1台です。後席に人を乗せることはあるけれど、それほど頻度が高くない人は、スポーツがオススメです。

【クラウン セダン】これぞ正統派クラウン!

 クラウンといえばセダンでしょ、というコンサバティブな人に向けて作られた1台。唯一FCEV(燃料電池)モデルが用意されているのも特徴です。

 スポーツが運転手ファーストなら、セダンは後席ファースト。いや、後席に全振りしているといっても過言ではありません。4車種中、もっとも柔らかな足回りのセッティングで、運転手からすると、ゆったりまったり、という印象を受けます。

 また、FCEVモデルはとにかく静か。水素ステーションの場所や営業時間の問題がありますが、たとえば都内しか走らないなら、こちらを選ぶことをオススメします。

 セダンゆえ、荷室はちょっと使いづらい部分もあったりするのも事実ですが、長距離ドライブして一番疲れないクルマかも。荷物はあまり載せないけれど、ロングドライブが多いなら、一考の価値があるモデルです。

【クラウン エステート】仕事に遊びに使えるクラウン

 クルマは購入してから「想定外の使い方」が求められるもの。それは荷物を載せる、会社の上司を乗せるなど、ケースは様々です。これらの要求に対して、対応力があるのがエステートでしょう。

 なにより後席荷室をすべて倒せば、奥行き2m超の荷室空間が得られるのは最大の美質。車中泊だって余裕で対応できます。一方で気になるのが、クラウンシリーズとしては高めの価格設定で、一番安いモデル同士で比べた場合、クロスオーバーやスポーツより約120万円アップになっています。

 乗り心地はセダンよりはシッカリしていますが、クロスオーバーと比べると柔らかめ。ですので、比較的資金の余裕がある方で、かつ遠出をすることが多かったり、色々と使いたいという人に向いているでしょう。

 もし筆者が選ぶとしたら? というと、長距離移動が多いのと、荷物が多いことからエステートが本命。対抗がクロスオーバーで、大穴がセダンかなと。ご参考になれば幸いです。

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