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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第206回

市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 10月18日~10月24日

IT技術者として何歳まで働く? 40代と60代の意見差/年率66%で急成長の「DAP」市場/フリーランス新法施行1年で改善実感の声、ほか

2025年10月27日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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[決済][AI] 決済企業の99%がAIを活用、ただし経営層からの信頼は低く、9割が「リスクを懸念」(HCLTech、9月29日)
・クレジット/決済企業の99%が決済業務にAIを活用
・ただし経営幹部の9割が「リスクを懸念」しており、信頼は低い
・約半数が「正式なAIポリシーを持たず運用」など、ガバナンス面の課題も

 米国とヨーロッパの10カ国で、クレジットカードや決済処理を扱う企業の経営幹部(副社長レベル以上)/意思決定者600人を対象に、AI活用について調査した。調査対象企業の99%が「決済業務でAIを活用」している一方、回答者の91%が「リスクを懸念」していると答えた。特に「エージェント型AIデジタルアシスタントの影響を懸念」とした回答者は99%。また「正式なAIポリシーを持たずに運用を行なっている」企業が約半数(49%)に達しており、ガバナンス面でも課題が浮き彫りに。イノベーションを加速させる「クラウドネイティブな基盤を整備している」企業は20%にとどまった。

 ⇒ 決済関連企業へのAI浸透率は非常に高いようです。もっとも、急速な浸透の裏側で、信頼性やガバナンスの側面で課題が残されているというのは、決済業界にかぎった話ではありません。

回答企業の99%が決済業務にAIを活用。具体的には「支払いの最適化とルーティング」「調査の実施」「支払いに関する期待値の管理」「顧客体験とパーソナライゼーション」といった用途が多かった(出典:HCLTech)

ただし、91%が「決済業務へのAI適用に関するリスクを懸念」している。99%は「エージェント型AIデジタルアシスタントの影響を懸念」

[エンジニア][キャリア] 40代ITエンジニアの3割が「早期リタイア」を望む一方、60代の7割は「定年後も就労」希望(レガシーフォース、10月20日)
・60代エンジニアの約7割は「定年を超えても就労希望」、背景には経済的理由か
・8割のエンジニアが「AIスキルが必要」、ただし「使う場面がない」という声も
・AI活用が進んでいるのは「プロジェクトマネージャー(PM)」

 40~60代のITエンジニア600人を対象に「何歳まで働きたいか」と「AIスキルに対する意識」を聞いた。就労については、40代の3割が「50代までに早期リタイア」を希望している一方、60代では約7割が「60代後半」「70代前半」「できるだけ長く」働き続けたいと回答した。就労理由については全年代で「経済的に必要」が最多で、特に50代の回答比率が高かった。AIについて40代の18.5%、60代でも9.0%が「必須ツール」とした一方で、「使う場面がない」という回答も40代の25.5%、50代の31.5%、60代の39.5%で見られた。

 ⇒ 「早期リタイア」の夢を持ちつつも、現実は……ということでしょうか。また、AIはまだ「必須ツール」の位置づけにはなっていないものの、若い年代から徐々に浸透しつつあることも分かる調査結果です。

ITエンジニアとして何歳まで働き続けたいか。年代別の結果(出典:レガシーフォース)

何歳まで働き続けたいか、職種別の結果(出典:レガシーフォース)

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