体験版で触れられる「表現の進化」に注目!
「美化された期待を上回らねば」『空の軌跡 the 1st』メディア体験会レポート
日本ファルコムより2025年9月19日に発売するNintendo Switch/PlayStation 5/PC(Steam)向けRPG『空の軌跡 the 1st(ザ・ファースト)』。本日より配信された体験版を、いち早く先行プレイできるメディア体験会が8月都内某所にて開催された。
同時に行われたトークステージでは、日本ファルコム代表取締役社長・近藤季洋氏と、リメイク版の声優・高柳知葉さん(エステル役)、藤原夏海さん(ヨシュア役)が登壇。
本稿では、体験版の先行プレイとトークステージのレポートをお届けしよう。
●表情がすごく豊かに!
本作は2004年にPC向けに発売された『空の軌跡FC』のリメイク作。当時は上から見下ろしの俯瞰視点で表現されていた世界が、21年の時を経てフル3Dで蘇る。
ゲームを開始して真っ先に感動したのは、キャラクターの「表情」だ。幼少期のエステルが父の帰りを待つ寂しそうな顔、父の帰宅による「パッ」と花開くような笑顔、ヨシュアを見て驚く顔、短時間にさまざまな表情を見せてくれる。
目や眉、口などが滑らかに動き、想像の中だけで動いていたキャラクターが表情豊かにしゃべる様は、違和感もなく「解釈一致!」と思えた。
また、家の間取りやフィールドの作り、街の建物などもきっちり3D化。スゴいのは、「思い出がそのまま蘇った」かのように再現されていることだ。当然、上からの見下ろしとフル3Dでは見え方も異なるはず。なのに、家から街までの小道や、街を歩き回った感覚が「当時のまま」だったのだ。この部分は静かに感動していた。
●思わず近づいちゃう失敗も クセって恐ろしい!
戦闘システムは直近のシリーズ作の『界の軌跡』と同じく、アクションのクイックバトルとコマンドバトルの切り替え方式を採用。まずアクションで敵をたたき、体勢を崩してからコマンドバトルに移ると有利な状況で戦える。
ここでシリーズファンほどやってしまいがちな失敗が、コマンドバトルになると無意識に「キャラを近づけてしまう」こと。というのも、『界の軌跡』や「黎の軌跡」シリーズではキャラ同士をある程度接近させることで連携攻撃を発動できたからだ(S.C.L.Mチェイン)。
するとどうなるか。敵の範囲攻撃にただ巻き込まれやすくなる。もちろん、ゲームが進行すれば味方にかける範囲バフのために味方を固めるメリットは生まれるが、ゲーム序盤ではデメリットしかない。おとなしくキャラ同士は離して、むしろ敵を挟み撃ちにするような配置にしたほうが戦略的だろう。
●自信を持って言える「空から遊ぼう!」
「軌跡」シリーズは前述の通り、20年以上にわたって作品を展開。舞台ごとにまとめて「リベール編(空の軌跡)」「クロスベル編(零の軌跡)」「帝国編(閃の軌跡)」「共和国編(黎の軌跡)」などと呼ばれており、同じ「ゼムリア大陸」を舞台とした物語を紡いできた歴史がある。
ファンからの評価は高く、とくにストーリーには定評のあるシリーズだがそれゆえに新規の人に「1作目から順に遊んで!」とは言いづらい作りとなっていた。じつに14作品にもなるのでそれも当然だろう。
しかし本作はシリーズの原点にして、ゲーム内の時系列としても一番古い物語が描かれる。ゆえに、何も知らない「軌跡初心者」にも自信を持ってオススメできるというわけだ。「軌跡シリーズはどこから遊べばいいですか?」→「空から遊ぼう!」と、やっと言える…!
もちろん、冒頭に書いた通り「思い出がそのまま蘇った」ような再現度のため、原作を知っている人ならではの感動も待っている。システム面も現代水準なので、ダイナミックかつ洗練されたプレイフィールを約束。シリーズファンは安心して発売日を待っていてほしい。そしてまずは体験版をやってほしい。
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