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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第196回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 8月2日~8月8日

40代~60代・IT技術者のキャリア不安、怖いのはAIよりも「スキルの陳腐化」/「従業員の退職による倒産」が過去最多、ほか

2025年08月12日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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[経営] 「従業員の退職による倒産」が過去最多ペース、ソフトウェア開発などのIT業も目立つ(帝国データバンク、8月6日)
・2025年1-7月の「従業員退職型」倒産は74件、前年同期比で1.6倍に増加
・業種別では「サービス業」(25.7%)が最多、ITや映像制作などが目立つ
・業績悪化に伴う給与引き下げが原因の「賃上げ難型」倒産も、中小企業の淘汰加速

 2025年1-7月に判明した人手不足倒産251件のうち、直接/間接的に従業員や経営幹部の退職が原因となった「従業員退職型」倒産は74件で、前年同期の46件から約60%の急増となった。このままのペースで推移すると、最多記録であった2024年の90件を大きく上回り、初めて年間100件に到達する見通し。業種別では「サービス業」19件が最多で、中でもソフトウェア開発などのIT業や映像制作業が目立つという。

 ⇒ 賃上げにより優秀な人材を確保する動きが広がっており、十分な報酬を支払う余力のない中小零細企業では「人材流出リスク」となって、企業淘汰につながっているそうです。

人手不足倒産の一部である「従業員退職型倒産」の件数が増え続けている(出典:帝国データバンク)

[人材] 国内の従業員エンゲージメント市場、2029年度には市場規模が2倍に拡大する予測(アイ・ティ・アール、8月5日)
・国内の従業員エンゲージメント市場、2024年度は21.7%増の大きな伸び
・成長要因は「人的資本情報開示の義務化」「ウェルビーイング重視の人材管理需要」
・2029年度までは年平均成長率16.0%で推移、市場規模は現在の2倍に達する見込み

 国内従業員エンゲージメント市場調査より。「従業員のモチベーション向上による離職率低減」「健康状態/心理状態の早期把握」「人的資本経営やウェルビーイングを重視した人材管理」などのニーズから導入が進んでおり、2024年度は前年度比21.7%増の161億2000万円、2025年度も同21.2%増と成長が続くと予測。2024年度は、市場シェアの高い上位ベンダー群が売上を大きく伸ばしたことが成長の主因だという。

 ⇒ ITRのアナリストは「今後は、単なる診断ツールにとどまらず、人事・人材管理システムや従業員エクスペリエンス・プラットフォームなどとの統合・連携によって、具体的なアクションを導く製品・サービスの需要がさらに高まるでしょう」とコメントしています。

従業員エンゲージメント市場規模の推移及び予測(出典:ITR)

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