【TYPE-RではなくRSを選ぶ理由 その2】
Googleアシスタントで幸せいっぱい
インテリアはレーシーなTYPE-Rと異なり、落ち着いた雰囲気。その中で赤い加飾を入れてスポーツ感を演出しています。シートは適度なホールド感があり、快適さとスポーティーさを両立させています。
ハンドルはスムースレザーで触り心地が上々、赤いステッチもスポーツ感を与えてくれます。なのですが、N-ONE RSのステッチはオレンジ、FIT RSはイエローなので、そこは統一した方がブランディングの面でよいかなと。
高速道路巡行に便利な車線監視機能付き前走車追従クルーズコントロールも標準搭載。マニュアル車でクルーズコントロール? しかも前走車追従? と疑問に思うでしょうが、ちゃんとギアチェンジをすれば追従してくれます。
ASCII.jpらしくインフォテインメント周りをチェック。まずUSBがType-Cに変更され、使い勝手が大幅アップ! これは実にウレシイ改良です。
そしてアコードに続きシビックにもGoogleアシスタントをビルトイン! 音声入力で目的地入力ができるほか、エアコンの温度設定まで変更できるのですからエライ! これはこのクルマに限ったことではないのですが、本当に最高の使い心地で、スマホを繋げる必要はありません。
もちろん、Apple CarPlayも使えます。しかもワイヤレス接続にも対応。なのですが、こちらはワイヤレスのAndroid AUTOにも対応! それまで国内販売車でワイヤレスAndroid AUTOに対応する車種は少なかった(というより皆無に等しい)ので、Appleの方が……と思わなくもなかったのですが、ワイヤレスAndroid AUTO対応によりiPhoneでもAndroidスマホでも繋げられるようになったのは、最高の進化です。
【TYPE-RではなくRSを選ぶ理由 その3】
良い意味で古典的な乗り味
筆者は幾度かシビックTYPE-Rの公道試乗をしたことがありますが、車両に羽根がついているためか、走っていると高い確率で、黒と白のツートンカラーの乗り物に目を付けられます。ですがRSは見た目が大人しいためか、そのような事はありませんでした(もちろんとんでもない速度で走っていたら目を付けられます)。
さて「エンドユーザーからTYPE-Rでは乗り味がハードすぎる、普段使いできながらも走りが楽しいMT車を作ってほしい」という声を受けて作られたというシビックRSですが、一般道では結構突き上げが強い印象。TYPE-Rの方が乗り心地がよい気が……。というのも、TYPE-Rは電子制御式のアクティブダンパーシステムを採用しているから。乗り心地と言う点ではTYPE-Rよりハードという印象を受けました。
排気音やメカニカルノイズなどはTYPE-Rよりは静か。それでも太くて力強いエキゾーストノートをシッカリと聴かせてくれます。気になるのは、高速道路でロードノイズが盛大に車内に聞こえてくるところ。後席の人と会話をする際は、ちょっと大きめな声で話をする必要があると思います。
引き締まった乗り味は、速度を上げるに従い良い方向へと印象が変わります。高速道路の段差なども、硬いながらもスグに振動が収まりますし、ワインディングでの高速S字の切り返しなどは、TYPE-Rより楽しい! 良い意味で古典的スポーツセダンで、クルマを操っているという感覚はTYPE-Rよりも上回っているように感じるから不思議なものです。
古典的スポーツセダンゆえか、ステアフィールは重ためでズッシリとした手応え。クラッチは適度な重さで、シフトレバーはショートタイプながらも、こちらも剛性感のある印象。乗り味と相まって、TYPE-Rよりも楽しいと思わせる生理的心地よさ、クルマを操る面白さがあるように感じます。
そして1.4トンという重量ながらも、どこかライトウェイトスポーツのような身のこなしにも好感。昨今、2トン越えの電気自動車に乗ることが多かったためか「クルマは軽い方が楽しい」と、改めて思った次第です。
【まとめ】プアマンズTYPE-Rではない!
RSしかない魅力がたくさんある
乗る前まで「RSを買うなら、追金で赤バッジ(TYPE-R)……」と思っていました。ですが乗ってみると、これが浅はかで誤りであることに気づかされました。RSはある意味においてTYPE-Rよりも手強く、操る楽しみを味わえるクルマ。ヤンチャだった人がオトナになって、それでもちょっとは運転を楽しみたい……という人にピッタリです。
決してプアマンズTYPE-Rではなく、今サイコーに楽しいHonda! の1台と断言できそうです。やっぱりHondaは走りが楽しめないとね。

この連載の記事
-
第588回
自動車
都市型SUVの新定番! マツダ「CX-30」がもたらす新感覚ドライブ -
第587回
自動車
死角ナシの万能SUV! マイチェン版トヨタ「カローラ クロス」に乗ってわかった“しっとり快適”の正体 -
第586回
自動車
今しか選べない“熱き”ガソリンSUV!マセラティ「グレカーレ」の真髄を体感する -
第585回
自動車
カッコいいワゴンは健在! アウディの新型「A5 Avant」は流麗なデザインと広々ラゲッジでアウディらしさを継承する -
第584回
自動車
「VEZEL e:HEV RS」は後出しズルい! と言いたくなるほどイイクルマだった -
第583回
自動車
採点方式が激変の2025年「日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終決戦! 10ベストカー試乗会レポ -
第582回
自動車
BMW「X2 M35i」はカジュアルさとBMWらしさが高次元にバランスした日本にピッタリなSUV -
第581回
自動車
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」はオトナになったボーイズたちに勧めたいぜいたくな1台 -
第580回
自動車
プジョーの新SUV「3008」はデザインでの購入者が大半! リゾートホテルのような内装とクーペフォルムが牽引する -
第579回
自動車
新型「プレリュード」は今のHondaを凝縮したハイブリッドスポーツの前奏曲だ! -
第578回
自動車
クラウン・エステートで車中泊体験! 「おもてなし」シートで過ごすぜいたくなドライブ体験 - この連載の一覧へ





























