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Xiaomi「Xiaomi メッシュシステム BE3600 Pro」

こんなのあったんだ!1万円で高性能なシャオミのWi-Fi 7ルーター

2025年08月01日 17時00分更新

文● イチ/岡本/ASCII 編集⚫︎ ASCII

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 Wi-Fi 7は、現行のWi-Fi規格としては最新のものになります。Wi-Fi 7ならではの機能を用いるには、PCやスマホ側も対応モデルが必要ですが、最新製品では広くサポートしつつありますし、将来を見据えてルーターだけ先にアップグレードしておくというのもアリです。

 ここでは、そんな「BE3600 Pro」を実際に使ってみてわかった、おすすめポイントや注意点を紹介していきます。

Xiaomi メッシュシステム BE3600 Proを使う3つのメリット

ポイント1:約1万円なのにWi-Fi 7で2.5GbEにも対応。価格と性能のバランスが秀逸

 まず驚くのがその価格。1万円強という価格帯で、最新のWi-Fi 7対応というだけでも注目ですが、実際の性能自体もかなりのものです。

 本機は2.4GHz/5GHz帯の両周波数をサポートしており、ともに2ストリームで最大通信速度は合計で3570Mbps(2.4GHz帯:688Mbps、5GHz帯:2882Mbps)。最近では1Gbpsオーバーの光回線が増えてきましたし、Wi-Fi側もそれにともなう性能アップが求められています。特にWi-Fi 5世代のルーターからの買い替えなら、高速化を体感できるでしょう。

 また、有線LAN側も抜かりなし。2.5Gbps×1、1Gbps×3の有線LANポートが搭載されています。普及が進みつつある2.5GbEをサポートすることで、高速光回線の性能をより活かせますし、自宅の回線が1Gbps止まりなのであれば、逆に2.5GbpsのポートをLAN側にしてNASを接続するなど、融通を利かせた使い方が可能になっています。

セールのタイミングではさらに安くなっていることも

ポイント2:MLOにももちろん対応 メッシュで使っても約2万円

 次に注目したいのが、Wi-Fi 7の目玉機能の1つ「MLO(Multi-Link Operation)」に対応している点。これは、複数の周波数を同時に使って通信することで、通信速度の向上だけでなく、いずれかの周波数で通信に悪影響があるような環境でも、安定して通信できる可能性が高まります。

 さらにメッシュシステム(シャオミ独自規格)にも対応しており、同機種を複数台導入することで家中にシームレスなWi-Fi環境を構築可能です。たとえば戸建てや広めのマンションに住んでいる人にとっては、家のどこにいてもPCやスマホの設定を変えることなく、安定して通信できるようになります。メッシュでの利用を考えているなら、最初から2台セットで購入すると、さらにオトクになっています(1万9800円)。

 設定もスマートフォンメーカーのシャオミらしく、スマホ用アプリからスムーズに管理可能。スマートホームデバイスとも同じシャオミ製ならシームレスに連携できます。

ポイント3:ミニマルなデザインで自宅に置いても家具などとマッチしやすい

 Wi-Fiルーターといえば、面がたくさんあって角張っていたり、アンテナが伸びている“いかにも機械”といった印象があります。でも本機は真逆のアプローチ。

 シンプルな筐体に、目立ちにくいインジケーターがあるだけ。どんな部屋にも自然と溶け込みやすく、インテリアを邪魔しません。

 「家に置くモノは見た目にもこだわりたい」という人はもちろんですが、別にこだわらないという人でも「これなら家族に文句を言われない」というパターンもあるのではないでしょうか。機能と価格だけでなく、“暮らしになじむ形”までちゃんと考えられているところに、シャオミらしいセンスを感じます。

購入時に注意すべき側面

ポイント1:6GHz帯&320Hz幅は非対応。Wi-Fi 7の仕様が最大限活かせるわけではない

 1万円強という価格もあって、上位クラスのWi-Fi 7対応ルーターとは性能面で差もあるのも確かです。

 まずはWi-Fi 7での目玉とも言える、「6GHz帯&320Hz幅」には対応していません。6GHz帯&320Hz幅対応であれば、(6GHz帯だけで)11529Mbpsまたは5764Mbpsといった速度に対応しますが、そこまでの性能はありません。また集合住宅では、2.4GHz帯はもちろん、5GHz帯でも混雑するケースが一般的ですが、6GHz帯をサポートしていない本機では、その混雑問題は解消できません。

 1万円強の「入門機」としては妥協点とも言える部分なので、混雑問題を解消すべく6GHz帯の利用を考えているなら、他社の高性能モデルを検討すべきでしょう。

ポイント2:実はIPoE接続対応などはありつつも、国内サポート体制は未知数

 日本の光回線ではフレッツを中心として、海外では一般的ではないIPv6 IPoE(IPv4 over IPv6)への対応が求められるという独自の事情があります。そのため、国内であまり実績がない海外メーカーのルーターでは、ISPとの相性や細かな設定について不安が残ります。

 BE3600 Proは管理画面ではDS-LiteやMAP-Eに対応していることをうかがわせますが、これらの対応はシャオミ公式の製品情報ページでは触れられておらず(https://www.mi.com/jp/product/xiaomi-mesh-system-be3600-pro/)、各サービスとの組み合わせによる動作検証などの情報もありません。

 つまり、実際の利用シーンでうまく使えなかった場合の対応は不安なのが正直なところです。また、IPoE以外の部分でもサポートに関する状況は未知数。ネットワーク機器の設定に慣れていない人にはハードルは高めと言えます。

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