
災害に備えて、Anker製のポータブル電源とソーラーパネルをセットで計画衝動買い。スマホやノートPCの充電を優先することを前提に、比較的小型のモデルを購入したが、これが正解だったかは現時点ではわからない
「災害に備える」――現代においては「情報ファースト」
まずはスマホやノートPCの充電手段を確保することを意識した
2011年3月11日、東日本大震災によって、日本人の「災害」への認識は根本から大きく変わった。あの日から、筆者を含め多くの人々が「日常が一夜にして非日常に変わる現実」と向き合うようになった。
避難生活の様子をテレビで見て痛感したのは、被災地では食料・水・情報・電力すべてが足りなくなるという現実だ。とはいえ、あらゆる備えをするにも自宅のスペースには限りがある。
令和の現代において、災害時のサバイバルを考えれば「情報ファースト」であることは、多くの人の共通認識だろう。その代表格のスマートフォンは命綱だ。だが、そのスマホも電力がなければただの文鎮なのである。
そこで筆者は、最低限の生活情報を維持しつつ、家族や友人との連絡のできる備えとして、ポータブル電源の「Anker Solix C300 Portable Power Station」とソーラーパネルの「Anker Solix PS60 Compact Portable Solar Panel」のセットを選ぶという“計画衝動買い”をした。
非常時用のポータブルバッテリーを選ぶ際に重要なのは、「何に使うか」と「誰が使うか」という前提である。筆者宅は小世帯で、冷蔵庫や電子レンジなどの高出力機器は使わない方針。主目的はスマホ、タブレット、ノートPCの充電と限定した。
また今回のポータブル電源導入に合わせ、手回し充電にも対応したソニー製のポータブルラジオと、USBで充電できる吊り下げ式LEDランタンも同時に備えた。ラジオは災害時における情報源としての信頼性が依然として高く、手回し充電が可能であることが選定理由である。LEDランタンは、夜間の生活環境の確保に欠かせない照明手段として有用だ。
調理については、ガスボンベ式のシングルバーナー(イワタニ製)を併用し、停電でも最低限の温かい食事を確保するスタイルをとった。
テストでは日中の4時間~4時間半で40~50%程度充電
都市生活者でも使いやすいソーラーパネルだった
今回の組み合わせにした最大の理由は、ソーラーパネルによる「自宅テラスでの実質的な再充電能力」の高さである。都市生活の中で限られた設置条件でも、必要十分な電力を確保できる可能性があった点が決め手となった。
実際の充電のテストは、晴れが続いた2025年3月1日~2日の2日間で実施。筆者宅のテラスはほぼ真南向きで、午前中の11時以降は太陽光を遮る建物が周囲にない恵まれた好条件だ。結果は、
・3月1日:10:45~14:45の4時間で、バッテリー残量0%→40%
・3月2日:11:00~15:30の4時間半で、40%→95%まで到達
となった。
折りたたみ携帯型の9枚構成のソーラーパネル(Anker PS60)はテラスにある物干し竿を活用することで、設置が非常に容易だった。特にベランダでの使用を想定した場合、この軽量・折りたたみ構造は都市生活者にとって重要な要素である。
一方のAnker Solix C300は容量299Wh、最大出力300W(瞬間最大600W)を誇る。AC出力が3口、USB Type-C出力が3口(うち2口は最大100W、ソーラー充電中はType-C#2は使用不可)、USB Type-A出力1口、シガーソケット1口と、非常時にもほぼすべてのモバイル機器に対応できる設計だ。
各種操作は本体の前面パネルだけでは無くBluetooth接続の専用Anker製アプリをダウンロードして利用すれば、スマートフォンからの残量管理や出力制御も可能だ。そして付属の肩掛けストラップを使えば、持ち運びも苦にならない。

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