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創業からこれまでを振り返り、“AIデータクラウド”の未来を示す

AIによる革命に「取り残される企業」とは? Snowflake共同創業者の2人に聞く

2025年04月21日 13時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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AI時代を見据えた新CEO就任と「Snowflake Cortex」

 Oracleを退社した2人はSnowflakeの開発に着手し、2015年にはサービスの一般提供開始にこぎつけた。2019年に日本市場へ進出、2020年にはIPOに成功。そして2024年には、スリダール・ラマスワミ(Sridhar Ramaswamy)氏が新たなCEOに着任した。

 ラマスワミ氏は、Googleを経て検索エンジンサービスのNeevaを立ち上げ、2023年にSnowflakeに買収されたことで入社。その後はAI担当SVPとして、SnowflakeのAI戦略を主導していた人物だ。同氏のCEO就任は、AI時代を見据えたものと言える。

 現在、最もホットな話題である「AI」についてデイジビル氏は、AIがSnowflakeにもたらした価値を次のように説明する。

 「Snowflakeが目指したのは、構造化データと半構造化データの統合であり、非構造化データまでをサポートする予定はなかった。しかし、AIの力によって、非構造化データを理解し、処理し、構造化データが抽出できるようになった」(デイジビル氏)

 AIを利用すれば、たとえば履歴書のドキュメント(非構造化データ)から「氏名」「学歴」「保有資格」といった情報を、人手を介することなく自動的に抽出できる。

 他社のデータプラットフォームと同じように、Snowflakeでもフルマネージド型のAIプラットフォーム「Snowflake Cortex」を軸に、AIアプリケーション開発への対応を進めている。マルチLLMに対応しており、SQLからのLLM呼び出し、ベクトル検索、自然言語でのアシスタントなど、提供する機能も豊富だ。

 「AnthropicのClaude、OpenAI、Llama、MistralなどのLLMを、同一のセキュリティポリシーとガバナンスの枠内で実行できる。処理を行う際にデータを外部に送信することもない」(デイジビル氏)。

「Snowflake Cortex」プラットフォームの全体像(2024年12月の説明会資料より

 なお、Neevaの買収で入手した検索エンジンの技術も、「Cortex Search」としてプラットフォームに組み込まれている。自然言語やベクトル検索に対応し、高速なデータ検索ができるCortex Searchは、人気機能のひとつになっているという。

 クルアネス氏は、AIによって予測の作業も、業務プロセスの支援も「非常に安価になる」と述べ、今後はあらゆるシステムにAI技術が組み込まれるだろうと語った。

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