このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

技術者向けカンファレンス「BUILD」でのアップデートまとめ

バイブコーディングにMCPサーバー、PostgreSQLまで Snowflake“AIデータクラウド”の現在地

2026年02月03日 08時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Snowflakeは、現在、データクラウドカンパニーから「AIデータクラウドカンパニー」へと企業メッセージを変え、AI活用のためのデータ基盤とAIでデータ活用を効率化する仕組みを急速に整えている。

 Snowflakeは、2026年1月22日、昨年11月に開催された技術者向けカンファレンス「BUILD」に関する説明会を開催。Snowflakeのマーケティング本部 Lead Developer Advocateである田中翔氏は、開発基盤・データ活用・データ基盤の3領域における同イベントでのアップデートについて解説した。

Snowflake マーケティング本部 Lead Developer Advocate 田中翔氏

開発環境:統合開発環境とバイブコーディングもできる新エージェント

 ひとつ目は、開発環境におけるアップデートだ。Snowflakeは、AIを組み込むことで、データエンジニアだけではなく、AIエンジニアやデータサイエンティストでも開発しやすい環境づくりを進めている。

 まず紹介されたのが、一般提供を開始した「Snowflake Workspaces」だ。従来のSQLエディタである「ワークシート(Worksheet)」を発展させた、コーディングとコラボレーションに必要な機能を統合したファイルベースの開発環境である。

 具体的には、SQLやPythonなどの複数プロジェクトを扱えるIDEライクなコードエディタや、Git統合によるバージョン管理、デバッグ・テストツールなどをひとつの画面に集約しており、Snowsight(Webインターフェース)で利用できる。SQLコード内で直接AIアシスタントを利用できる機能や、SQLの実行結果をグラフで表示する機能も備えている。

Snowflake Workspaces

 BUILDの発表の中でも「イチオシ」と紹介されたのが、現在プライベートプレビューの「Cortex Code」だ。Snowsightに組み込まれたコーディングと調査のためのAIアシスタントで、いわゆる「バイブコーディング」を行える機能だという。自然言語による対話を通じて、SQLやPythonのコーディングから、データの分析やドキュメント化、Snowflakeの利用状況の把握まで幅広くサポート。「開発者だけではなく、ビジネスユーザーも使えるツールとして、開発に注力している」と田中氏。

 説明会では、Cortex Codeとの対話のみで、米国の機関(NOAA)が公開する気象データセットに、どのようなデータが含まれているかを確認しつつ、その中から横浜のデータを時系列で表示するデモが披露された。

Cortex Code

データ活用:データエージェントの構築からマネージドMCPサーバー、クエリ性能向上まで

 続いては、データ活用におけるアップデートだ。この領域でも、AIによりビジネスユーザーにまでデータ分析を広げるようなサービスを拡充している。

 目玉となるのが、対話型のデータエージェントを実装できる「Snowflake Intelligence」の一般提供開始だ(参考記事:コクヨ、富士フイルム、JINSがSnowflakeのAIエージェントで挑む“データアクセスの民主化”)。「これまでSQLやダッシュボードで可視化してきたデータを、対話型で得られるようになる」(田中氏)

 同サービスにより、企業内に散在するデータをSnowflakeのデータ基盤に統合し、エージェントとの窓口となるインターフェース(UI層)を構築できる。構造化・非構造化データをAIレディなデータに変えて、回答精度を確保できるところが特徴だ。

 デモとして、構造化データとしてマーケティング、非構造化データとしてカスタマーサポートのデータが用意されたECサイト向けデータエージェントが披露された。売上トレンドやよくある問い合わせについて応えるだけではなく、“なぜ”こうした結果を生成したかまで提示してくれる。

Snowflake Intelligence

 同じく一般提供を開始したのが、Snowflakeが運用する「マネージドMCPサーバー」だ。LLMを利用したアプリケーションやエージェントが、Snowflake内のAIレディなデータにアクセスできるようにする。一般提供にあたって、Snowflakeのエージェント機能も呼び出せるようになり、データインサイトなどを取得できるようになった。

SnowflakeマネージドMCPサーバー

 AI活用のために、自社だけではなく外部のデータを取り込むための仕組みも整備している。「Snowflakeマーケットプレイス」では、サードパーティのデータセットを容易に連携できるオンライン市場であり、AIレディな非構造化データ・構造化データも取り揃えている。

 なお、サードパーティの非構造化データは「Cortexナレッジ拡張」、構造化データは「セマンティックビュー共有」の機能で、AIが扱えるようになる。両機能ともに一般提供済みだ。

SnowflakeマーケットプレイスのAIレディなデータセット

 このほか、クエリ最適化を自律的に行う機能(Snowflake Optima)により、クエリパフォーマンスの改善も行われている。この機能は、追加費用なしで、自動で有効化される。田中氏は、「Snowflakeでは、継続してクエリチューニングに取り組んでいる。そのため、急に性能が上がり、同じ処理でも1年前と今ではパフォーマンスが変わることが多々ある」と語った。

Snowflake Optima

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    TECH

    フォーティネットの「SSL-VPN廃止」 IPsec移行と脱VPN、それぞれの注意点を総ざらい

  2. 2位

    ソフトウェア・仮想化

    「SaaSの死」の影響は感じない ― グローバル以上に好調な日本市場、ServiceNow鈴木社長が語る

  3. 3位

    ネットワーク

    ネットワークとセキュリティの統合に強み 通信事業者系ZTNA/SASEサービス3選

  4. 4位

    TECH

    「蟻の一穴」となるリモートアクセスVPNの脆弱性 ZTNA/SASEはなぜ必要か?

  5. 5位

    デジタル

    海外駐在員の負担を軽減し、ワンチームへ kintoneは言語と文化の壁を越える「翻訳の魔法」

  6. 6位

    ビジネス

    医療費5兆円抑制につながる“国産ヘルスケア基盤”構築へ SMBC×富士通×ソフトバンクが業務連携

  7. 7位

    エンタープライズ

    基盤も古いし、コードも酷い! そんなクエストにGitHub Copilotで試行錯誤しまくった「みんな」こそ最高

  8. 8位

    サーバー・ストレージ

    「30%ではなく“30倍”の生産性向上へ」 AIエージェント時代に求められるIT基盤、マイケル・デル氏が語る

  9. 9位

    ビジネス・開発

    いますぐ捨てたいITサービスは? AI推しにそろそろ飽きてません? 情シスさんのホンネを「ゆるっとナイト」で聞いた

  10. 10位

    ITトピック

    AIセキュリティで必要な6つの対策/20代の半数が「検索エンジンを使わない」/生成AIツールはエンジニアの「業務インフラ」へ、ほか

集計期間:
2026年05月19日~2026年05月25日
  • 角川アスキー総合研究所