日本からスタートアップで世界を変える! 「UPDATE EARTH 2025ミライMATSURI」に注目せよ 第10回
大事なのはバランス。
二酸化炭素は、どういうメカニズムで地球温暖化を起こすの?
2025年03月14日 20時30分更新
よく言いますよね。「CO2は主要な温室効果ガスである」とか「CO2をいついつまでに、どのくらい削減しなければならない」など。
CO2(二酸化炭素)は地球を温める方へと作用する物質であって、現状、過剰に大気中に放出され続けているので、削減しないと必要以上に地球が温まり、環境に負荷がかかる、という話ですね。
でも「CO2は植物の光合成に使うから、必要なんじゃないの?」とか、「そもそもなぜ、CO2は地球温暖化につながってしまうの?」などなど、いくらか疑問が湧いてきます。
ちょっと整理して考えてみましょう。
疑問その1.なぜ二酸化炭素は地球を温めると言われているのか?
まずここからですよね。二酸化炭素が地球を温めるという現象には、どういうメカニズムがあるのか。つまり、二酸化炭素はどういう理屈で、温室効果ガスとしての性質を持っているのか。
この疑問を解消するには、太陽と地球の熱の関係を理解する必要があります。
まず、地球は恒星である太陽からの光エネルギー(可視光線や紫外線、赤外線など)を絶えず受け取っています。この光エネルギーは地球の表面や大気に吸収され、熱エネルギーに変換されます。
その後、熱エネルギーは地球から宇宙空間に放散されますが、地球の大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタンなど)は、一部の熱エネルギーを吸収します。温室効果ガスは吸収した熱エネルギーを再放出し、その一部が再び地表に戻す働きを持っています。
このプロセスを「温室効果」と呼びます。
重要なのはバランスです。ほどよい量の熱エネルギーが地球にとどまる分には問題ないものの、過剰な温室効果ガスがあると、本来は逃げていくべき(現在の生態系にとっては過剰な)熱エネルギーまで地球に止まることになり、結果的に気温が上昇してしまうことになります。
大気中の二酸化炭素濃度が増え過ぎると、地球から放出される熱が吸収され過ぎてしまい、再放射される熱量の増加が温暖化につながるという考え方ですね。
疑問その2.植物が二酸化炭素を使うから問題ないのでは?
植物や藻類は光合成の過程で二酸化炭素を吸収し、有機物(グルコース)と酸素を生成します。この際に大気中の二酸化炭素は減少することになるので、二酸化炭素が増えても、うまく循環しそうに思えます。
問題は、二酸化炭素の排出量が過剰になることなのです。人の生産活動(例えば化石燃料の燃焼や、森林の伐採など)によって、二酸化炭素が急激に増加してしまうと、もはや地球上の植物が吸収できるほどよい二酸化炭素の量を超えてしまい、結局は大気中の二酸化炭素の濃度が増えてしまいます。
こちらも「疑問その1」と似ていて、本来は吸収されるべき(現在の生態系にとっては過剰な)二酸化炭素が大気中に止まってしまうと、温暖化に傾いてしまうということになります。
近現代的な産業化が進む以前、動物の自然な活動で発生する二酸化炭素と、大規模に伐採されることのない植物の量なら、均衡が取れていたということなのでしょう。
重要なのは持続可能なバランス
まとめると、二酸化炭素自体は地球の生態系にとって必須のものだが、過剰に増えると、現在の生態系にとって悪影響になるということになります。
ほどよい二酸化炭素の量、ほどよい熱の再吸収、植物にとって無理なく吸収できる二酸化炭素の量、二酸化炭素を無理なく吸収できる植物の量……こうしたほどよいバランスが、持続的に維持されていくことが重要で、その理想的な状態に近づけていく努力のひとつが、いまの人類に求められる温室効果ガスの削減である、という話になりますね。
環境について考える上で、テクノロジーは外せないテーマのひとつでしょう。テクノロジーと環境に思いを馳せる方へ、ぜひ知ってほしいイベント「UPDATE EARTH 2025 ミライMATSURI」が明日開催されます。
【UPDATE EARTH 2025 ミライMATSURI概要】
日時:2025年3月15日(土) 10:00〜18:00
会場:新東京ビル7〜8階(東京都千代田区)、丸の内仲通り、秋葉原万世橋出張所ほか
主催:UPDATE EARTH 2025実行委員会
運営実施団体:一般財団法人UPDATE EARTH、デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社
参加・申込方法:一般公開展示以外の定員制イベントやワークショップへの入場には個別の申し込みが必要となります。事前登録をすると館内への入場がスムーズになります。
イベントの全体情報はこちら!:https://event.update-earth.jp/
会場地図
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