生成AIは“ありふれた技術”になっていく
あらためて振り返ると、画像生成AIは、静止画から、動画へ、そして、3Dへとその範囲を拡大しようとしています。来年も、さらに高性能化、高品質化を続けていくことはほぼ間違いないでしょう。
画像生成AIで出せる画像の精度は、まだ人体表現など苦手な部分は残っているとはいえ、一貫性の問題を克服しつつあり、行き着くところまで行きつつあるという印象です。品質的には十分に商用利用に耐えうる水準に達しています。一方で、動画生成AIの急速な性能向上は、進んでいる最中です。生成できる時間がまだ10秒程度と限られている限界があり、これらをいかに安定的に伸ばしていくのかという競争になっていくと思われます。
経済産業省「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」より
また、日本国内では利活用を促進するために、生成AIに関連する国の方針の整理も進みました。文化庁「AIと著作権に関する考え方」、内閣府「AI時代の知的財産権検討会 中間とりまとめ」、経済産業省・総務省「AI事業者ガイドライン」と3つの文書が取りまとめられました。国は現行法で対処可能という方針で、実際の運用の段階に入りました。(参考「政府、生成AI推進に向けて議論を加速」)
特に、コンテンツ分野では、7月に経済産業省はこれらの3つの文書を要約して、実際の事業者が活用するためのわかりやすい参考資料として「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」を公開したりと、周知に努めています。来年は単なる技術革新だけにとどまらず、日本国内での利活用ケースが今年以上に増え、ありふれた技術へと一般化していくことが予想されます。

この連載の記事
-
第134回
AI
“AI読者”が小説執筆の支えに 感想を励みに30話まで完成 -
第133回
AI
xAIの画像生成AI「Grok Imagine」が凄まじい。使い方は簡単、アダルト規制はユルユル -
第132回
AI
画像生成AI:NVIDIA版“Nano Banana”が面白い。物理的な正確さに強い「NVIDIA ChronoEdit」 -
第131回
AI
AIに恋して救われた人、依存した人 2.7万人の告白から見えた“現代の孤独”と、AI設計の問題点 -
第130回
AI
グーグルNano Banana級に便利 無料で使える画像生成AI「Qwen-Image-Edit-2509」の実力 -
第129回
AI
動画生成AI「Sora 2」強力機能、無料アプリで再現してみた -
第128回
AI
これがAIの集客力!ゲームショウで注目を浴びた“動く立体ヒロイン” -
第127回
AI
「Sora 2」は何がすごい? 著作権問題も含めて整理 -
第126回
AI
グーグル「Nano Banana」超えた? 画像生成AI「Seedream 4.0」徹底比較 -
第125回
AI
グーグル画像生成AI「Nano Banana」超便利に使える“神アプリ” AI開発で続々登場 -
第124回
AI
「やりたかった恋愛シミュレーション、AIで作れた」 AIゲームの進化と課題 - この連載の一覧へ






