「Flux.1」「Imagen 3」が衝撃を与えた
そして8月、画像生成AIをさらにレベルアップさせる事が起こりました。Stable Diffusionの開発者たちが独立して作った画像生成AI「Flux.1」の登場です。Stable Diffusionでは収益を上げる方法が乏しく、開発したStability AIを追い詰めていく要因となったのですが、Flux.1では、「Pro」、「Dev」、「Schnell(軽量モデル)」と3種類のモデルを展開し、性能の高いProはAPI利用に限定、オープンモデルDevについては、ユーザーにはかなりゆるい条件とする一方で、商用利用をする場合にはAPI利用を必須にするといったビジネスモデルの開拓も行いました。性能的にも、6月にリリースされながら性能の中途半端さから支持されなかった「Stable Diffusion 3(Middle)」の代替的な存在として高い支持を得ることに成功しました。
また、追加学習をさせて特定キャラクターのLoRAを作ることで、これまでの画像生成AIモデルでは実現できなかった一貫性が表現できるようになりました。Fluxは、雑なコラージュ画像であっても、i2iにかければキレイにまとめてくれるという柔軟性の高さにも特徴があり、完全に画像生成AIのハイエンドモデルを牽引する存在になっています。
Flux.1 Dev用の明日来子さんLoRAを作成し、生成した画像。明日来子さんの雰囲気がうまく出ている(「画像生成AI「FLUX.1」が相当ヤバい LoRAで画風の再現も簡単に」より)
Flux.1 Devで、Midjouneyで作成した虎の画像(右)を、明日来子さんの画像と雑にコラージュした上で加筆して(中央)、i2iでなじませた画像(左)(「話題の画像生成AI「FLUX.1」 人気サービス「Midjourney」との違いは」より )
同時期に出てきたのが、グーグルの新AIモデル「Imagen 3」ですね。もはや実写にしか見えないような画像が出てくるようになりました。クラウドサービスとして独自展開する企業が、自社で新規開発した画像生成AIモデルを発表するケースも、今年後半には目立ってくるようになりました。
Imagen 3で生成した日本のアイドル風画像(「AIが考える“アイドル”がリアルすぎた グーグル「Imagen 3」なぜ高品質?」より )

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