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技術者向けカンファレンス「BUILD 2024」での発表

「AIデータクラウド」へ進化するSnowflake、大量の最新アップデートを紹介

2024年12月09日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 Snowflakeは、2024年11月12日から15日にかけて米本社主催で開催された技術者向けカンファレンス「BUILD 2024」で発表した、製品の最新アップデートや技術情報についての国内向け記者説明会を開催した。

Snowflake 執行役員 セールスエンジニアリング統括本部長の井口和弘氏

「AIデータクラウド」に進化したSnowflake

 Snowflakeは、現在1万社以上の顧客企業が利用しており、99.99%のSLAを達成しながら、1日あたり50億件以上のジョブを処理しているという。また、Snowflakeに関係する開発者は、全世界で75万人以上に拡大しているという。

 Snowflakeは、今年6月に開催した「Snowflake Summit」において、従来の「データクラウド」に変わる新たな方向性として「AIデータクラウド」を打ち出した。

 メッセージを変えた狙いについて、Snowflake 執行役員 セールスエンジニアリング統括本部長の井口和弘氏は「AIを活用するにはデータが不可欠であり、データのサイロを解消しながら、セキュリティとガバナンスを効かせた活用が必要だ。Snowflakeは、AIのために、データをよりシンプルに活用できる世界を目指している」と説明する。

Snowflakeは「AIデータクラウド」を標榜する

 Snowflakeでは、マルチクラウドに対応した単一プラットフォームのアーキテクチャを採用しており、データウェアハウス(DWH)、データレイク、データレイクハウス、データメッシュ/データファブリックを一元的に活用できる。さらに、LLMやベクトルデータベースをマネージドサービスとして提供する「Cortex AI」、他社とのデータシェアリングやデータコラボレーションを可能にする「Snowgrid」もこのプラットフォームに統合されており、蓄積されたデータの柔軟な活用を可能にしている。

多様なデータとAIを統合された形で管理、活用できる単一プラットフォーム

3つの基本方針に沿って多数の最新アップデートを紹介

 井口氏は、BUILD 2024で発表されたアップデートについて、Snowflakeが掲げる3つの基本方針、「ニーズに応じた柔軟なデータとアーキテクチャ」「信頼できるエンタープライズAIとML」「データとAIのための比類なきコラボレーション」にまとめるかたちで説明した。

(1)「ニーズに応じた柔軟なデータとアーキテクチャ」

 「Snowflakeオープンカタログ」(一般提供開始)は、Apache Iceberg向けのデータカタログであるApache Polarisを、Snowflakeがマネージドサービスとして提供するものだ。SnowflakeにあるIcebergテーブルも、他のプラットフォームにあるIcebergテーブルも、このカタログ上でシームレスに管理できるようになったという。

 「ドキュメントAI」(一般提供開始)は、Snowflakeに組み込まれた独自のLLMを用いて、PDFなどの複雑な非構造化ドキュメントからデータを抽出し、構造化テーブルに変換するワークフローである。現時点では英語での対応(日本語は非対応)となっている。

「ドキュメントAI」を使えば、非構造化ドキュメントに含まれるデータを抽出、構造化テーブルに変換して扱える

 「Snowflake Horizonカタログ」は、従来から持っていたデータカタログに名称を付けたもので、それと共に今回はセキュリティ監視機能を強化している。「Trust Centerの拡張」(プライベートプレビュー)では、Snowflakeのセキュリティパートナーが提供するカスタムスキャナパッケージにも対応を拡張して、多様なセキュリティニーズを一元的にカバーする。

 「ハイブリッドテーブル」(一般提供開始)は、トランザクションデータ/分析データを統合して扱えるテーブルタイプ。2022年のSnowflake Summitで発表されていたが、パフォーマンスや拡張性で一定の水準を達成できたため、今回一般提供開始となった。これにより、OLTPとOLAPをひとつのデータプラットフォームで活用できる。

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