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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第84回

画像生成AI「Stable Diffusion 3.5」性能はものたりないが、自由度が高いのは魅力

2024年11月04日 07時00分更新

文● 新清士

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今後の焦点:Stale Diffusion 3.5でいかに儲けるか

Stablity AIジェームズ・キャメロン監督のボードメンバー就任のアナウンス

 今後の最大の焦点は、Stability AIがSD3.5シリーズで収益モデルを築けるかどうかです。コミュニティライセンスでは収益を上げることができませんから、エンタープライズモデルに注力するのは間違いないと思われます。これを企業が積極的に導入してくれるのかどうかはまだ不透明です。

 9月に「アバター」などの映画監督として知られるジェームズ・キャメロン氏がボードメンバーに参加したことが明らかにされました。映画業界に強いコネクションを持つプレム・アカラジュCEOが実現させたと考えられますが、常に新しい映像表現に挑戦してきたバックボーンを持つキャメロン氏の参加は、業界全体への信用を作るきっかけになると思われます。今後、Stablity AIは、映像業界を中心にB2Bに力を入れていくのだろうということが予想されます。

 ライバルとなるFlux.1はクラウド企業へのAPIを通じての収益ポイントを作っていますし、それ以外の企業からも、高性能なクラウド型のクローズドな画像生成AIモデルの発表が続いています。Stablity AIが最大の混乱期を乗り切りつつあるように見えますが、オープン型を維持しながら適切に収益を出す方法の確立は道半ばです。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

 

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