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石川温のPCスマホニュース解説 第216回

総務省の“アップルつぶし”か スマホ下取り価格規制

2024年11月01日 07時00分更新

文● 石川温

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キャリアはiPhoneの下取り価格を下げざるを得なくなる

 iPhoneはリセールのバリューが圧倒的に高い機種とされ、2年使っても、状態がよければ結構、高額な価格で下取りされるスマホとして定評がある。

 キャリア関係者は、「RMJの下取り価格は総じて安価な傾向が強い。総務省の改正案が導入されるとRMJの数字に影響を受けて、キャリアはiPhoneの下取り価格を下げざるを得なくなってくる。結果、iPhoneがさらに手が届きにくい価格になる可能性が高い。またすべてのキャリアで買取価格が統一化されれば、競争も起きなくなってくる」というのだ。

 スマホの中古業者からすれば「安く買い取って、高く売る」というのはビジネスモデルとして当然のことだ。一方で、キャリアとしてはスマホはできるだけ短期間で買い換えてもらい、ユーザーには最新機種を使ってもらうことで、ARPUを上げたいというのが本音だ。また、他社よりも魅力的な価格をつけることで、ユーザーを奪いたいという戦略もある。

 だからこそ、端末購入補助プログラムを導入して買い換えを促進しているのだが、その価格設定をRMJの数字に左右されてしまうと、買い換えを抑制されてしまうだけでなく、顧客の獲得競争を封じられてしまいかねない。

 アップルとしても、キャリア間の販売競争があるからこそ、ユーザーが手軽にiPhoneを買い換えられる環境が整備され、結果としてiPhoneが売れるという構図がある。

 すべてのキャリアでiPhoneの下取り価格が安価に統一化されてしまえば、手軽に買い換えられる術が封じられてしまうわけで、ユーザーの「買い換えよう」というモチベーションは下がってしまうことは間違いない。

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