新車1台分のお金で宇宙に行ける時代へ! 日帰り宇宙遊覧まもなく開始
大富豪でなくても、苦しい訓練をしなくても、誰でも気軽に宇宙旅行できる未来がもうすぐやってくる。ICTスタートアップリーグに採択されている株式会社岩谷技研は、気球による宇宙遊覧ツアーを2024年度中にも開始する。フライトは約4時間で、2人乗りのキャビンに乗ってゆっくりと上昇し、約20Kmの上空から地球を眺める、というもの。2023年度に募集した第一期の参加費用は2400万円だが、最終的には200~400万円を目指すという。新車の購入価格や世界一周クルーズと同程度なので、長期休暇の取れない現役の富裕層にウケそうだ。
だが、世界ではライバルとなる商業宇宙飛行の開発を進めているベンチャーも数多い。2040年代には月や宇宙ステーションに滞在するレベルの本格的な宇宙の旅も発表されている。宇宙への気球フライトの人気を維持するにはその付加価値が肝となるだろう。それは、上空から眺める360度の星空なのか、ふんわりゆっくりと上昇する気球ならではの浮遊感か、またそのコストパフォーマンスなのか。高速長距離の宇宙の旅とはまた違った、心癒されるレジャーとして長く定着していってほしい。
文:スタートアップ成功哲学研究部
ASCII STARTUP編集部で発足した、スタートアップに関連する成功哲学の研究チーム。起業家やスタートアップ、支援者たちの活動から、日本のスタートアップが成長・成功するためのノウハウやヒントを探求している。この連載では、総務省のICTスタートアップリーグの取り組みから成功哲学をピックアップしていく。
※ICTスタートアップリーグとは?
ICTスタートアップリーグは、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機として2023年度からスタートした官民一体の取り組み。支援とともに競争の場を提供し、採択企業がライバルとして切磋琢磨し合うことで成長を促し、世界で活躍する企業が輩出されることを目指している。
https://ict.startupleague.go.jp/