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UPDATE EARTH 2024 ミライMATSURI@前橋レポート 第14回

2024年夏に開始予定、岩谷技研ブースで色々聞いてきた

気球で4時間で宇宙へ!? 2400万円で訓練いらずの宇宙旅行とは?

2024年03月03日 12時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

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岩谷技研ブース

 3月2日に、日本トーターグリーンドーム前橋にて、日本最大級のイノベーションプロジェクト「UPDATE EARTH」のイベントが開催されました。

 私が最後に取材したのが、岩谷技研です。何が目に留まったのかというと、以下の2枚の写真です。

左が宇宙の写真、右は何かのコックピット?

 宇宙の写真と、未来館のあるコックピットのような写真。「これは何の写真ですか?」と聞くと、「宇宙へ行く気球です」と返答がありました。ちょっと何をいっているのかわからなかったので、お話を聞いてみることにしました。

 岩谷技研は、高高度ガス気球と気密キャビン「T-10 EARTHER」を設計・開発・製造する北海道発のベンチャー企業です。気球には、熱気球とガス気球の2種類があり、宇宙旅行で使用するのはガス気球とのこと。

 宇宙遊覧に用いられる気球は、高高度飛行に耐えうるプラスチック気球で、江別気球工場で自社で開発し、製造しているそうです。気球内外の気圧差がないゼロプレッシャー気球で、高度がるにつれて膨張し、気球底部から余剰ガスを排気することで、上昇しすぎて気球が破裂することがないのも特徴のようです。

 これまでに延べ300回以上の気球打ち上げ実績があり、現在も月に数回以上の打ち上げ実験を実施。慎重に安全性の検証を行ないながら、技術開発を進めているとのことでした。

ブースでは、実証実験の様子の動画が流れていました。こちらは岩谷技研のYouTubeチャンネルで閲覧できます

宇宙に行く前でもこの絶景!

 また、宇宙旅行で人が乗る気密キャビンは、内部の気温・気圧を地上と同じに保ち、酸素や二酸化炭素をコントロール。真空にも耐えうる設計なほか、海に帰還する際に水に沈まない素材を採用しているのも特徴だそうです。

体の負荷がかからないので訓練いらず
装着するのはシートベルトのみで時間は約4時間ほど

 ロケットでの宇宙旅行とは異なり、ゆっくりと上昇していくので体に負荷がかからず、訓練を実施することなく宇宙旅行できるのが魅力となっています。また、シートベルトを装着するのみで、飲み物を飲むこともできると聞いて、驚きました。

 宇宙旅行は、宇宙港と同じ場所にあるコテージに1週間滞在し、昼はプールサイドで、夜は星空を眺めながら、旅行当日を待つことになります。宇宙旅行は、2時間かけて宇宙が見える高さまで上昇。高度2万5000mの宇宙の入り口を60分間遊覧します。

 旅立って帰還するまでの時間は4時間程度。海に帰還したらピックアップされて旅行終了という流れになります。

価格は2400万円
2024年夏から開始予定、第1回はすでに売り切れ

 気になる宇宙旅行の価格は、2400万円。これは、高いと感じるかもしれないが、ロケットで宇宙旅行に行くことと比べるとかなり価格は抑えられている。なお10年ほどで100万円台まで下げたいそうだ。

 第1回目となる宇宙旅行は、2024年の夏を予定しており、すでに売り切れているとのこと。数時間の宇宙の旅でも、あこがれがある人は多いということでしょう。

 気球には、専門のパイロット1名と、乗客1名が乗ります。今後は、パイロット1名と乗客5名が乗れるようにするなど、大型化も目指しているそうです。

 なお、高高度ガス気球を開発するうえで苦労したことを聞いてみたところ、気球で宇宙に行くということが未知すぎて、最初は採用したい部品を売ってくれないこともあったそうです。また、先述の2400万円という価格は、宇宙旅行を知っている人からすれば「それくらいでいけるの?」となりますが、旅行ということで価格をしった人は「2400万円もするの?」と驚かれるのも、苦労したことではないけど印象的だったそうです。

 価格的にも技術的にも、宇宙旅行なんて夢のまた夢と考えている人はまだまだ多いでしょう。正直私もその1人でした。それが、将来的には100万円ほどで行けてしまうとなると、もしかしたら行けるかも? と期待せざるを得ません。

 一生に一度でいいから宇宙に行ってみたい! と思っている人は、岩谷技研に注目してみてはいかがでしょうか。

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