エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀のまち散歩 第11回
JR東日本史上最大の複合開発「TAKANAWA GATEWAY CITY」まちびらき150日前記者発表会で、複合文化施設の正式名称「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」を発表したぞ
JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)は2024年10月30日、品川車両基地跡地に開発中の高輪ゲートウェイ駅直結・都心最大級の新たな街「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちびらきを2025年3月27日に行うことを発表した。まちびらき時には、THE LINKPILLAR 1の開業および高輪ゲートウェイ駅を全面開業する。2026年春にはその他の棟が完成し、グランドオープンを迎える。街全体を「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけ、この街のすべてをフィールドに、より良い未来のための社会課題に取り組む「GATEWAY」と位置づける街が誕生する。
コンセプトは、100年先の心豊かなくらしのための実験場。
また、隈研吾氏設計の街の文化・活動のシンボル、複合文化施設の正式名称も、「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」と発表された。開館は2026年春。グランドプリンスホテル高輪の記者発表会に駆けつけた。
TAKANAWA GATEWAY CITY公式サイト https://www.takanawagateway-city.com/
「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、高輪ゲートウェイ駅正面に位置する国際交流拠点の象徴となるツインタワーTHE LINKPILLAR 1 をはじめとし、南北約1.6kmにも及ぶ都内最大級の新たな街となる。総事業費(見込み)は6000億円。区域面積は9.5ha、総延床面積は約84万5000㎡で、六本木ヒルズの総延床面積72万㎡を上回る。
まちびらきとともに、賑わいと交流の拠点となる街の中心「Gateway Park」を核に、様々なプログラムを展開していく予定だ。街を訪れる多様な人々が楽しめるマルシェや、これからの街の姿を先行体験できるシアター、色鮮やかなアートインスタレーションなど、多彩なイベントプログラムが用意され、国内初のキネティック・アートが楽しめるナイトミュージアム&バーなどナイトタイムエコノミーの創出にも取り組む。
街の玄関口となる高輪ゲートウェイ駅構内には、世界と日本、地域や世代をつなぎ、様々な交流を生み出す「EKI Park」が誕生。新たに設置する可動式の芝生ファニチャーは、用途に応じたレイアウトに変更が可能で、四季を通じて様々なイベントにも対応する。街の玄関口となる次世代の駅にふさわしい、公園のように居心地の良い空間への進化を目指す。駅の使い方の幅を広げ、自由度が高く、可変性のあるヒト起点の心地良い空間づくりを実現していく。
THE LINKPILLAR 1のSOUTH棟高層階には、マリオット創業者の名を冠した、多彩な価値を提供するラグジュアリーホテル「JWマリオット・ホテル東京」が首都圏に初進出する。2025年秋の開業を予定している。
世界のトップクリエイターが集結する「ヤブ・プッシェルバーグ」がデザインした、禅の理念を反映した洗練された客室。イノベーティブ・ヨーロピアン、寿司バー、ロビーラウンジと併設するクロワッサンバーなど7つの施設での多彩な美食。さらに、都心を一望できる天井高8mの開放的なプール・フィットネス・スパではメンバーシップ制度を導入する。会議参加者がリフレッシュできるプログラム「JWウェルネスブレイク」などハイエンドの旅行者、MICE参加者へ最高のマインドフルな体験を提供していく。
延床面積約50,000㎡・約200 ショップで構成される商業施設は、株式会社ルミネが手掛け、その名称を「ニュウマン高輪」に決定した。THE LINKPILLAR 1 SOUTH/1~5F THE LINKPILLAR 1 NORTH/1~5F・28・29Fは、2025年3月まちびらき時に一部先行開業、秋に全面開業する(THE LINKPILLAR 2/2・3Fは、2026年春に開業)。
また、まちびらき時より、駅構内に新たに4店舗(改札内1店舗・改札外3店舗)が開業する。開発コンセプトは「エキナカ エンターテインメント」。モノトーンで洗練された空間で贅沢な時間体験が出来るほか、生地製造から焼成・陳列までを全面ガラス越しに楽しめる「LIVE FACTORY」、地方と首都圏、街と駅を結ぶ「体験型イベントスペース」を設ける。
都内最大級・約4haのパブリックレルムは、東海道五十三次に着想を得て「53 Playable Park」のコンセプトで、多様な広場やストリートを整備する。南北約1km以上にわたって点在する、駅や広場、施設内空間からなる遊び場(Park)は、その半分以上が在来種を基調とした緑で彩られ、周辺の水系、地形、植生を取り込み、日本の四季の豊かさが感じられるとともに、日本の各地域との交流や環境保全に取り組む舞台となる。
高輪は日本初の鉄道が海上の築堤を走ったイノベーション発祥の地であり、TAKANAWA GATEWAY CITYには、その記憶が刻まれる過去と現在、未来が交差するメタ観光エリアになる
高輪築堤は、明治5年(1872年)に日本初の鉄道が開業した際、海上に線路を敷設するため、東京府高輪(現在の東京都港区)の東京湾の浅瀬に建造された鉄道構造物である。東アジア初の鉄道の総延長は約29kmあり、そのうち約2.7kmは、海上に堤を築いてレールを敷き、その上を蒸気機関車が走ったのだが、この海上鉄道敷の遺構が「高輪築堤跡」。
発見されたのは平成31年(2019年)4月のことで、品川駅改良工事の際に石垣の一部が発見された。港区三田三丁目及び高輪二丁目の高輪築堤跡は、近代日本の歴史上も、また、世界史上も極めて重要な近代化遺産であり、特に、第七橋梁付近の石組みの遺構は、三代歌川広重の錦絵「東京品川海辺蒸気車鉄道之真景」(明治5~6年)に描かれた築堤を想起させ、美しい石積み、弧を描く形状が印象深い。錦絵では、蒸気機関車が海上の築堤を走っていて、手前に人、人力車、馬車が見えるのが東海道。築堤の橋の下には船が通っている。さらに、向こうの海には台場が見えている。
高輪築堤跡が見つかったのは、JR東日本の田町駅と品川駅の間で、京浜東北線が走っていた場所。令和元年(2019年)11月に京浜東北線の線路が移動され、令和2年(2020年)、開発予定地の全面的な発掘調査が港区教育委員会により行われ、南北に長い高輪築堤跡が確認された。
“鉄道の父”と称される井上勝(初代鉄道頭、後の鉄道庁長官)は、鉄道建設に積極的だった大隈重信の英断により海の上を線路が通ったと回顧している。高輪築堤の工事は、イギリス人のエドモンド・モレルの指導のもと、明治政府の民部省鉄道掛(後に工部省鉄道寮)が担当した。石垣には、嘉永6年(1853)のペリー来航を機に東京湾に造られた品川台場(大砲を備えた海防施設であり、現在の東京のお台場は、その第三台場)の石などが再利用された。また、城の石垣を築く伝統的な技術が活かされている。
日本の職人が築いた堤の上に、イギリスから輸入したレールが敷かれて蒸気機関車が走る、まさに日本の伝統技術と西洋の近代技術が融合して築き上げられた文明開化の象徴と言える。なかでも第7橋梁(新橋から数えて7番目の橋)は、当時の錦絵に描かれた鉄道開業時の姿を彷彿とさせるものであり、高輪築堤跡を代表するものと言える。
TAKANAWA GATEWAY CITYは、高輪築堤の保存と活用を通じて、日本で初めて鉄道が走ったイノベーションの地としての記憶を、次の100年に継承していくことにより、地域の歴史的価値向上や「国際交流拠点・品川」の実現に努めていく、としている。国指定史跡の第7橋梁部および公園部の現地保存・公開(2027年度予定)に加え、信号機土台部を移築保存・公開することにより、当時の風景をそのままに実感できるようになる。さらに、先端技術を活用し、日本で初めて鉄道が走った当時の風景を感じられるARプログラム 「TAKANAWA LINK SCAPE」による、この場でしか出来ない体験を通して、この土地の歴史 を新たな形で継承していく。
まちびらきにあわせた取組み まちびらきにあわせ、高輪リンクライン(別紙参照)において、高輪築堤の特徴である海側と山側の石積みを再現し、開業期の鉄道が走ったライン上にレールを埋込むなど、高輪築堤の歴史をリアルに感じられる空間づくりを行なわれる。 第7橋梁部の周辺には、高輪築堤を眺め憩える広場空間も整備される。隣接するTHE LINKPILLAR 2内で開設予定の(仮称)築堤ギャラリーでは、鉄道開業や日本の近代化の歴史 を紹介する。ギャラリーの内装には、高輪築堤を支えていた木材(松杭)を活用する。
公園部(国指定史跡)の再現および地下回廊の整備 高輪築堤を公園や広場、MoN Takanawa: The Museum of Narrativesから見下ろしたり、公園地下に整備する回廊から見上げたり、様々な視点で眺められるようにする。回廊を展示空間とするとともに、ユニークべニューやナイトタイムでの活用を通し、高輪築堤をより身近に感じられる取組みを検討していく。
絶景の足湯や100畳のTATAMIの部屋などもあるユニークな文化施設「MoN Takanawa: The Museum of Narratives(モン タカナワ:ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)」は2026年春に開館
100年先の心豊かな未来へ向かう街において、あらゆる人たちのクリエイティブな活動、表現、 情報発信、文化を育む拠点として、「地球益」を実現していく複合文化施設の正式名称が 「MoN Takanawa: The Museum of Narratives(モン タカナワ:ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)」に決定した。開館は2026年春を予定している。
この施設のコンセプトは、「100年先へ文化をつなぐ」をミッションに、これまで育まれてきた伝統や文化に現代の価値観やテクノロジーを融合させ、新たな物語=Narrativeを生み出し、100年先の未来へ継承していく、というもの。展覧会、ライブ・パフォーマンス、和の文化や実験的なプロジェクトなどの分野を横断した様々なプログラムを通じて、訪れる方々に笑いや新しい知識に触れる機会を提供し、新たな自分と出会う「門」となることを目指す。
「地球益」という聞きなれない言葉だが、TAKANAWA GATEWAY CITYは地球が抱える様々な社会課題に対し、「新たなビジネス・文化」 「循環型社会のモデル」など、未来に資する解決策を街から生みだし、世界中へ発信していく拠点となり、日本各地や世界にイノベーションをもたらしながら、100年先の心豊かなくらしに向けた「地球益」の実現に取り組む、と説明されている。
「地球益」をコンセプトにしたTAKANAWA GATEWAY CITYが重点的に取り組む「三本柱」とは!?
重点的に取り組む「三本柱」として、JR東日本は、「課題先進国」とも言える日本が抱える社会課題を踏まえて、日本が世界で活躍・再浮上していくきっかけをこの場所から生み、100年先の心豊かなくらしを実現するために、「人財・叡智」「医療」「水素・GX」を軸に「地球益」の実現に繋がる取組みを行っていく、としている。
「人財・叡智」
異才が輝く知の開国少子化社会、優秀な人財、才能の流出といった日本社会の課題に対して、世界で活躍する国際的な教育者を集結させた人財・叡智のプラットフォームを形成することで、埋もれた才能、専門領域を発掘し、秀でた才能の伸長を目指す。秀でた才能が出会い、相乗されることで、世界レベルの知へ成長していく。
「医療」
健康寿命100歳社会超高齢化社会や社会保障費増大、ドラッグロス/ラグ問題などの社会課題に対して、重大な疾病を早期発見できる予防医療拠点や、ヒト・モノ・カネが集まり新薬に即時アクセスできる創薬拠点の構築を目指す。豊富な人財や技術、医療データのオープンプラットフォームなどのリソースを活用し、心と身体の健康を維持し続けられる豊かな社会に貢献していく。
「水素・GX」
水素都市モデルの創造2050年のゼロカーボンに向けた取組みを当然の責務として、都市部への水素利活用の展開や、水素調達などの課題を解決しながら、都市部最大級の水素利活用ショーケース、GXを世界に先駆け探究するフロントランナーとして、持続可能で先進的な都市型エネルギーシステムの創出をリードしていく。
堤真一と當真あみを起用した広告展開「ここは、いい未来への玄関口。」がスタート
2025年3月のまちびらきに先がけて、TAKANAWA GATEWAY CITYの広告展開をスタートする。「ここは、いい未来への玄関口。」をキーメッセージに、俳優の堤真一と當真あみを起用し、11月1日よりテレビCMの放映を開始するほか、TAKANAWA GATEWAY CITY公式 HPや公式YouTubeチャンネルなどでメッセージを発信していく。
●公開日:2024年11月1日~
●放映媒体:TAKANAWA GATEWAY CITY公式HP、公式YouTubeチャンネル、テレビCM交通広告、Web広告、駅ポスターなど
●TAKANAWA GATEWAY CITY公式YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/@takanawa_gateway_city
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