最近のクルマは価格が総じて上がっている
そんな中に登場したのが価格破壊の「WR-V」
最近、クルマが高くなったと感じる方も多いのではないだろうか。その昔、コミコミ300万円のクルマといえば、それなりの普通車を購入することができたが、今やコンパクトクラスが基本。ハイブリッドカーとなれば、予算越えとなるのが現実だ。
しかもハヤリのSUVとなれば、同じクラスのコンパクトカーよりも、ちょっとお高め。もちろん、手頃な価格帯のものもあるが、友人や家族など後席利用を想定した用途だと、それなりに車内の広さが欲しくなる。
そんな欲張りさんの希望を叶えてくれるのが、ホンダの新SUV「WR-V」だ。
インド産にしたことで安さと性能を両立させた
WR-Vは、今年の3月22日に発売された、ホンダSUV兄弟の末っ子に位置するエントリーモデル。車両本体の価格は209万8800円~248万9300円と、250万円以下に抑えられており、基本的なオプションを追加しても300万円内に収まる手頃さが魅力だ。
エントリーSUVと聞くと、トヨタの「ライズ」や「ヤリスクロス」、マツダ「CX-30」などのサイズ感を想像させるが、ボディーサイズはなんとホンダ「VEZEL」並みなので、ファミリーカーとしても十分に使える大きさなのだ。しかも室内の広さや積載容量は、VEZELを超えるから驚き!
もちろん、安さの秘密はある。ひとつは良い意味での割り切りだ。まず基本的な仕様が、1.5Lエンジンの前輪駆動車に限定し、グレードは3つのみ。メーカーオプションの設定もない。SUVでは人気アイテムのパワーテールゲートやシートヒーターなども非採用だ。
開発時も、できる限りほかのホンダ車からの部品を流用し、新規部品を抑えることや、凝った機能は使わないなどの工夫で、開発費と部品代を抑えている。そして、生産地も製造コストが抑えられるインドなのだ。
ただ、インド製と侮ることなかれ。東南アジアやアフリカなどの道路環境が厳しい地域で販売される世界戦略車なので、走る、曲がる、止まるの基本性能をしっかりと磨き上げ、豪華装備こそないが、日本仕様では先進の安全運転支援機能「ホンダセンシング」を始め、フルLEDヘッドライト、スマートキー、フルオートエアコン、前席サイドエアバック&サイドカーテンエアバッグなどは全車標準なのだ。
デザインは奇抜ではないが
SUVらしい堅牢性をイメージさせる
では細部を見ていこう。そのデザインは、王道的なSUVスタイル。SUVらしい演出の四角いボンネットは、堅牢さを感じさせるだけでなく、ドライバーが車両感覚を掴みやすいのも美点となる。だから、運転しやすい。
さらに大型フロントグリルやボディー外周に装備されるプロテクションモールなどでSUV風味を増している。
ボディーサイズは、全長4325×全幅1790×全高1650mmの3ナンバー車サイズだが、扱いやすい大きさだ。そして、室内長に影響するホイールベースは、VEZELよりも+40mmとなる2650mmとしたことで、走行時の直進安定性も増している。
インテリアを一言でいえば、質実剛健な作り込み。華やかな演出はないが、基本に忠実な作りとなっており、大型のグローブボックスや近くに充電ソケットを備えたスマホ用のトレイなどがあり、使い勝手はまずまず。
メーターパネルを見ると、スピードメーターはアナログだが、タコメーター側がディスプレイ表示となり、燃費や先進機能などの表示が可能だ。
シートレイアウトは、5名乗車仕様だ。着座してみると、前席と後席共にゆとりを感じる設計だ。シートはクッション性が良く、ソフトな感触。これも荒れた路面を走る際に、乗員の快適性を損なわないようにする工夫だろう。特に足元にもゆとりがあり、快適性が高い。
ラゲッジスペースは、5名乗車時で458Lを確保しており、リアシートは40:60の分割可倒式となるため積載容量の拡大も可能で、乗車人数と荷物の多さで調整できる。
広い室内と容量たっぷりのラゲッジスペースにこだわった背景には、インドでの使い方があるそうで、彼らは週末に家族そろって実家に遊びに行くケースが多いとのこと。そのうえ、近所というレベルの移動距離ではないので、広さや快適性が重要になるのだそうだ。

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