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山根博士の海外モバイル通信 第720回

USBケーブルや電源プラグに4G内蔵も! 進化するモバイルルーターたち

2024年10月14日 12時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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モバイルルーター

サブ回線や海外旅行のおともに便利なモバイルルーター

 スマートフォンのサブ回線として、モバイルルーターを使っている人も多いと思います。日本では使わなくとも海外旅行用にレンタルしたり、自由にデータを追加できる買い切りタイプの製品を買うケースも多いでしょう。

 モバイルルーターは多数の製品が出ていますが、GlocalMeはこの手の製品の黎明期から市場に参入し、信頼できるサービスを提供しています。

モバイルルーター

モバイルルーターのGlocalMe。香港の期間限定ポップアップストアを訪問

 GlocalMeのモバイルルーターはCloud SIM(vSIM)方式で、サーバー側にある複数のSIMカードを切り替えて使用します。そのため、同じ国内でも電波状況に応じて複数のキャリアを切り替え、最適な電波をつかむことができます。

 固定のSIMカードを入れたモバイルルーターと比べると、より良い電波を利用できるのです。世界200以上の国・地域に対応し、350以上のキャリアの電波を利用可能。技適があるので日本でも使えます。

モバイルルーター

GlocalMeのモバイルルーター製品

5G対応やケーブル内蔵型など
最新のモバイルルーターがスゴイ!

 モバイルルーターの最上位モデルは「Numen Air 5G」で5G通信に対応。また、モバイルバッテリー機能も搭載しています。価格は若干高めですが1GBなど初期データ付きで販売されているケースが多く、購入してすぐ使い始めることも可能です。なお、過去にレビューも書きましたので、参考にしてください(海外旅行で5Gが使えるモバイルルーター「GlocalMe Numen Air」を東南アジアで使い倒す!)。

モバイルルーター

5G対応のNuman Air 5G

 モバイルルーターは手軽な価格で買える4Gタイプなども提供していますが、2024年に発売された新製品は、見た目も使い勝手も従来の製品とは大きく異なります。

 まずはこちらの「Unicord」。一見するとただのUSB Type-Cケーブルですが、途中に4Gモバイルルーターが内蔵されています。電源供給はPCのUSB端子やモバイルバッテリー、さらにスマートフォンのUSB端子から可能。

 ケーブルそのものは65WのPD対応なので、ノートPCの充電にも対応。ホテルや空港など電源環境のあるところで使えるわけです。もちろん普段は純粋にUSBケーブルとしても使えます。

モバイルルーター

両端がUSB Type-Cケーブルに4Gモデムを内蔵したUnicord

 そして次は、海外旅行に便利なマルチ電源タップの「RoamPlug」。EU/UK/JP/CN/US/AUSと、各国の電源コンセントに対応するタップで、100-230Vに対応します。

 USB Type-C端子を3つ、Type-A端子を1つ内蔵。総合出力は70W、Type-C端子はそれぞれ最大65W、45W、10Wに対応するのでノートPCの充電にも利用できます。そして、このプラグの中に4Gモデムも内蔵されているのです。

 電源タップは電源のあるところで使いますから、そこから給電して使えるというわけですね。海外でWi-Fi環境のない場所でも電源さえあればデータ通信できるのは便利でしょう。

モバイルルーター

まさかのマルチタップに4Gモデムを内蔵したRoamPlug

 Cloud SIMを使ったトラッキングデバイス「KeyTracker」も、ほかではあまり見ない製品です。GPSに加え4Gモデムを内蔵しているので、携帯電話ネットワークのある場所や、山間部でも単体でトラッキングができます。

 ほかの端末の助け借りず単体で検知できるわけですね。ペット用のストラップが付属するセットもあります。基本料金はベーシックなトラッキングプランで月額1.58ドル(約230円)ですが、ペットや荷物などを確実に追跡したい人にオススメと言えるでしょう。

モバイルルーター

ペットに装着もできるKeyTracker

 モバイルルーターといえば充電が必要、バッテリー内蔵で重量がやや重い、なんて印象があります。GlocalMeの新製品は既存のモバイルルーターにはない新しい形態で、特に海外旅行や出張の多い人に向いたデバイスと言えるでしょう。

 これからの新製品にも期待できそうです。

モバイルルーター

モバイルルーターはまだまだ進化する

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

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