185名ものCTOが集まった「CTO Night & Day 2024 Kanazawa」、能登地震復興企画など新たな取り組みも
“CTO限定・ほぼオフレコ”招待制カンファレンス、AWSがその10年の進化を振り返る
2024年10月07日 11時00分更新
今年7月、石川県金沢市で「CTO Night & Day 2024 Kanazawa」という2日間の招待制カンファレンスイベントが開かれた。イベントタイトルにもあるとおり、その参加資格は「CTOであること」※注。そうした制限のある有償イベントにもかかわらず、全国のスタートアップやテック企業から185名ものCTOが集まった。
※注:厳密に言えば、CTO職以外でも、VPoE(Vice President of Engineering)などの技術経営者であれば参加できる。本記事ではまとめて「CTO」と表記する。アマゾンウェブサービスジャパン(AWSJ)では、このCTO Night & Dayを2014年から開催しており、これまで10年間(今回は14回目の開催)で、のべ1200名以上ものCTOが参加したという。ただし、これまではメディアの取材を受け入れておらず、あまり広く知られてこなかった。
なぜCTO限定のカンファレンスを開催してきたのか、参加するCTOはどんな期待をしているのか、イベントを10年間でどのように進化させてきたのかなど、AWSJの担当役員である佐藤有紀子氏と、同イベント全体の責任者を務める塚田朗弘氏に聞いた。
CTOに最適化された、CTOのためのカンファレンスイベント
インタビューに入る前に、まずは今回のイベント内容を簡単に紹介しておきたい。
2日間のCTO Night & Dayは、まさに“CTOのための”イベントだった。1日目のキーノートセッションには、米NotionでCTOを務めるファジー・コスロウシャシ氏が登壇。GoogleやSlackでも実績を積んできた自身のキャリアから学んだ「CTOとして大切な考え方」を参加者に共有した。また会場のCTOからの、「サービスをグローバル展開していくうえでのCTOとしての工夫」「優れた人材を採用するためには」といった質問にも答えた。
また、参加者それぞれがCTOとして抱えている課題、悩みをディスカッションし、解決策を探るアンカンファレンスも催された。互いに共通する悩みを抱えるCTOどうし、オープンに語り合える場ということで、各テーブルの議論は大いに盛り上がっていた。
さらに今回の金沢開催では、能登半島地震の復興支援を目的とした「石川ビヨンドリカバリー」プログラムも開催された。石川県の地元企業が抱える経営課題に対して、集まったCTOたちがヒアリングやディスカッションを実施。震災からの復興に加えて、DXを通じたさらなる産業振興への貢献を目指す取り組みだ。
石川県側からは、押し寿司や弁当の製造会社、温泉旅館、「カニ風味かまぼこ」などの水産加工食品メーカー、金物鍛造販売会社、自動車リサイクル販売/輸出会社の5社が参加。各社が語るDX課題について、31社のCTOがそれぞれにアイディアを提案していた。
なお今回、メディアとして取材ができたのはイベントの一部であり、取材お断りの“オフレコ”で開催されたプログラムも多くあった。そのほかのプログラムも含めた全体レポートは、AWSJのブログサイトに掲載されている。