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旅の達人が伝える! スマートトラベラーへの道 第65回

忘れると飛行機に乗れなくなるもの、なーんだ?(※パスポートでもチケットでもありません)

2024年09月25日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス/ASCII

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■事前申請書類はほかにもある

 また電子渡航認証システムではありませんが、コロナ禍以降「電子入国カード」や「電子健康申告書」の事前申請を求めている国も増えてきています。たとえばシンガポールは紙の出入国カードを廃止し、電子入国カードの「SG Arrival Card」を採用。シンガポール到着日2日前から申請可能となっています。

シンガポールの電子入国カード「SG Arrival Card」

 マレーシアも2024年1月から電子入国カードの「MDAC」を採用しており、マレーシアの到着3日前以内に事前登録が必要。フィリピンは2022年12月から「eTravel」を新たに導入。こちらは電子入国カードだけでなく、健康申告や税関申告の電子申請も兼ねており、やはり3日前から申請可能となっています。

シンガポールの「eTravel」申請もスマートフォンアプリが用意されている

 これまで機内や入国審査場で紙の入国カードに手書きをしていた手間は省けますが、電子入国カードになっても入国時には毎回必要なのは同じで、渡航が多い人にとっては結構めんどうです。

 ただし電子入国カードの申請は電子渡航認証システムと違って、空港でのチェックイン時に確認があるケースはあるものの未申請の場合でも搭乗拒否にはならず、「入国審査までに申請してください」と注意を促されるケースがほとんど。とはいえ、そのまま忘れていると現地で慌てて登録するはめになり、申請のためにすぐインターネットの接続を確保する必要もあるなど、意外にめんどうなんですよね。入国審査に時間もかかってしまいますので、結局は自宅など日本に居るあいだに申請したほうが無難です。

どの申請も入力項目は意外と多いので、事前に落ち着いた状態で済ませておいたほうがいい

■「パスポートひとつで海外へ」は昔の話

 日本のパスポートはビザ免除もしくはアライバルビザで入国できる国が多く「パスポートひとつで海外に行ける」という印象が強いですが、各国の入国に際してデジタル化が進んだため、渡航前にしておく作業は増えている状態です。

 忘れるとせっかくの旅行が台無しになりかねません。海外旅行が決まったら「(渡航先の国名)、入国」といったキーワードで入国条件を調べると共に、事前申請がある場合はカレンダーやリマインダーなどに登録して、忘れないようにしておきましょう。

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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