HCIはAIワークロード向けインフラとしても拡大見込み
VMware買収に伴うライセンス変更、国内HCI市場への影響は? ― IDCが予測
2024年09月04日 07時00分更新
IDC Japanは、2024年9月3日、国内ハイパーコンバージドシステム(HCI)市場の予測を発表した。同市場の2023年~2028年における支出額の年間平均成長率(CAGR)を5.3%、2028年の支出額を713億400万円と予測している。
同社は、IT管理者の不足などを背景に、ITインフラの運用・管理の効率化、ビジネスニーズに対応する俊敏性や柔軟性の向上、導入の迅速性や容易さ、スモールスタートや柔軟な拡張性への対応といったハイパーコンバージドシステムの利点が評価され、同市場は継続的に成長すると分析する。
なお、BroadcomのVMware買収に伴う影響については、「市場における一部のソリューションについて、ライセンス体系やパートナー制度の変更などから、直近では需要および供給の両面で先行きが不透明な状況が見られる」と言及。ただし、今回の予測時点では「ハイパーコンバージドシステム以外の代替ソリューションへの移行は多くは発生していない」とし、短期的には同市場に大きなマイナスの影響はないという前提を採用している。
一方で、長期的には、ハイパーコンバージドシステムの検討長期化や延期が発生し、パブリッククラウドなどへの移行が進むというマイナス要因も加味している。ただし、従来の3ティア型仮想化基盤からの移行の増加、ライセンス価格の上昇、代替のハイパーコンバージドシステムに対する需要の高まりなどのプラス要因も見込む。
加えて、AI活用とデジタルビジネスの拡大に伴い、ハイパーコンバージドシステムも、AIワークロード向けのITインフラ、あるいはコンテナやエッジコンピューティングといった新規ワークロードに対応するITインフラとしての導入が拡大すると予測している。