ECモールの日焼け止め市場規模は、前年比1.22倍で急速に拡大(2024年4~6月)
株式会社Nint
Nint ECommerceで楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの市場を分析・調査
「データの価値、人の可能性が輝く世界」をビジョンに、国内大手ECモールの市場動向データ分析ツール「Nint ECommerce」(https://www.nint.jp/ec/)を提供する株式会社Nint(本社:東京都新宿区、代表取締役:吉野順子 以下、「Nint」)は、2024年4~6月におけるECモール日焼け止め市場について調査いたしましたのでお知らせいたします。
■注目のトピック
- 日焼け止め市場は前年比で売上が1.22倍に増加
- 特定のモールでの売上急増が市場全体の成長を牽引
- シミ・美白効果のある製品が好調。
- オフライン・オンラインでの人気商品に垣根がなくなってきている。
■日焼け止め市場動向
日焼け止め市場全体
2024年4~6月の3大ECモール(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング)の日焼け止め市場の売上は前年比で1.22倍に増加しました。販売数量も1.24倍に増加しており、需要の高まりが見て取れます。一方、平均単価はわずかに減少しています。これは、消費者がよりコストパフォーマンスの高い商品を求める傾向が強まっている可能性があります。
■3大ECモール動向
売上TOP5メーカーを1位からA社~E社とし、各モールでのメーカー動向と市場特徴を把握します。
Amazon
Amazonにおける日焼け止めジャンルの商品の平均単価は前年同時期比で1.15倍上昇し、販売数量よりも売上成長率が高いことから、高単価商品の売上が好調に推移していることが分かります。唯一のシェア率二桁以上で市場を牽引していた1位メーカーのC社は今回、シェア率を落としています。C社は3モール合計では3位ですが、Amazonではシェアトップです。
楽天市場
楽天市場における日焼け止めジャンルの商品の平均単価は1.09倍で推移しました。楽天市場では1位メーカーのA社がシェアを落とし、落とした分のシェアを2位~5位のメーカーが吸収した構図になっています。そのため、市場におけるTOP5メーカーのシェア率に大きな変動は起きていません。売上、販売数量の推移から判断すると、高単価商品が引き続き需要を持っていることが示唆されますが、全体の販売数量が減少しているため、競争が激化している可能性があります。
Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングにおける日焼け止めジャンルの商品の平均単価は1.1倍で推移しました。昨年2位のB社が昨年1位のA社を抜き、今回1位で推移しています。シェア率比では昨年度のA社と本年度のB社の立ち位置がそのまま入れ替わるほどのシェア変動が起きています。売上比、販売数量比、平均単価から判断すると、高単価商品が安定して売れており、市場全体の成長を支えています。
■競争環境
注目メーカー
該当期間の売上TOP5メーカーを1位からA社・B社・C社・D社・E社とし、「売上前年比」「数量前年比」「シェア率伸長」「平均単価」の項目から、注目のメーカーを選定しました。
- 売上2位 B社売上前年比1.59倍と堅調に成長し、販売数も2桁伸長しています。結果、市場シェアも3ポイント上昇させています。
- 売上4位 D社売上前年比1.32倍と成長しました。販売数量も前年比1.41倍で、市場シェアを0.39ポイント上昇させています。
注目ショップ
該当期間の売上TOP5ショップを1位からAショップ・Bショップ・Cショップ・Dショップ・Eショップとし、「売上前年比」「数量前年比」「シェア率伸長」「平均単価」の項目から、注目のメーカーを選定しました。
- 売上1位 Aショップ売上前年比1.55倍と市場を上回る水準で成長を見せています。シェア率も5.59ポイント増加し、二桁の高いシェア率を維持しています。
- 売上4位 Dショップ売上前年比1.63倍で急成長し、シェア率も0.85ポイント増加しました。平均単価は若干減少していますが、販売数量の大幅な増加が寄与しています。
■日焼け止めジャンルTOP10商品の動向
本年・昨年のTOP10商品については以下の通りです
2023年・2024年共通の特徴
- 高SPF(50+)/PA(++++)値の日焼け止め:高い紫外線防止効果を持つ製品が多く、消費者に支持されています。
- 敏感肌対応:敏感肌でも使える低刺激性の日焼け止めが人気です。
- マルチ機能:日焼け止めと化粧下地、保湿などの複数の機能を持つ製品が多く見られます。
2024年の特徴
- 高SPF/PA値の日焼け止めジェル:クリームタイプなどに比べ、伸びの良いジェルタイプの日焼止めが、TOP10にランクインしました。
- 医薬部外品:シミ予防や美白効果を謳う医薬部外品の日焼け止めがランクインしています。
- マルチ機能:日焼け止めと化粧下地、保湿などの複数の機能を持つ製品が多く見られます。
2024年TOP3商品(2024年7月23日時点)
- トーンアップUVスペシャルケアキット(日焼け止め)
- 高SPF/PA値の日焼け止めジェル(日焼け止めジェル)90g
- UV&アウトドアミスト(オーガニック、3本セット)
3大ECモールにおける日焼け止め市場まとめ
日焼け止め市場は、紫外線対策の意識の高まりにより需要が増加しています。近年、女性だけでなく男性も紫外線対策を意識するようになり、市場は今後も成長すると予想されます。敏感肌の方にも合う、刺激の少ないノンケミカルタイプや、近年環境問題から話題となっている紫外線吸収剤を含まないオーガニックを謳う製品の登場により、種類も多様化していくことが予想されます。
本調査を通じて、日焼け止め市場の成長とその背景を明らかにしました。各ECモールは、今後も消費者ニーズに応じた戦略を展開することで、更なる市場拡大が期待されます。
■Nint ECommerceに関して
日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。
活用例
- 商品在庫(SKU単位)の拡充
- 競合価格を見ながら自社の販売価格を設定
- 競合のポイント倍率を見ながら自社のポイント倍率を設定
- 商品名(商品情報)での差別化・検索露出(RPPなど)の強化
Nint ECommerceを活用することで、ECビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクよりNint ECommerceの詳細をご確認ください。
Nint ECommerceはこちら:https://www.nint.jp/ec/
■前提条件
本調査は、2024年4~6月の期間におけるAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3大ECモールを対象としています。日焼け止め商品を主な分析対象とし、売上、販売数量、平均単価を比較しました。
調査手順
各ECモールの売上、販売数量、平均単価について、前年同期間との比較を行いました。また、TOP5のメーカーとショップについても同様に分析し、市場におけるシェア率の変動も確認しました。
調査・分析に用いたデータ
調査に使用したデータは、Nint ECommerceを用い、各ECモールから抽出した売上、販売数量、平均単価の推計データを使用しました。調査期間は2024年4月から6月までの3ヶ月間で、前年同期と比較することで市場動向を分析しました。
調査時期・データ抽出期間
調査対象時期は2023年4月から6月と2024年4月から6月までです。
過去の調査レポートはこちら
Nintでは、国内大手EC市場や越境ECに関する情報を週2回ブログで発信しています。
ぜひご一読ください。
https://www.nint.jp/blog/
■株式会社Nint 会社概要
代表者: 吉野順子
所在地:東京都新宿区西新宿八丁目17番1号 住友不動産新宿グランドタワー37F
URL:https://corp.nint.jp/
設立:2019年2月
事業内容:ECデータ分析サービスの提供
■株式会社Nintについて
Nintグループは「データで世界を自由にする」というミッションのもと、急拡大するEC市場において、誰もが最適なマーケティング施策を可能とするECデータ分析プラットフォームを実現します。中国・日本のEC市場で10年以上にわたり、EC市場動向に関する推計データを独自に蓄積・提供し、中国で約4000社、日本で約1300社のサービス導入実績があります。