「著作権で保護された音源を許可なく利用することがビジネスの基本」
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Sunoに対する訴状(RIAA)
レコード会社としてはこうした音楽生成AIの急成長を見過ごせないということでしょう。訴状では、Sunoのサービスはレコード会社によって管理されてきた「著作権で保護された音源を許可なく利用することがビジネスの基本」であり、これらが故意にされていると批判しています。
「Sunoの製品は、あらゆるジャンル、スタイル、時代のアーティストの膨大な量の音源をコピーすることによってのみ、そのように機能することができる。それらの音源の多くの著作権は、原告が所有または独占的に管理している。言い換えれば、もしSunoが原告の音源をコピーしてAIモデルに取り込むことを避ける努力をしていれば、Sunoのサービスは、Sunoが宣伝するような品質で、このような膨大な人間の音楽表現の説得力のある模倣を再現することはできなかっただろう」(訴状 P.4)
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Deep down in Louisiana close to New Orleのページ。コピーの証拠とするためか、歌詞とコーラスの指定は「Johnny B. Goode」と同じに設定されている(Suno)
「(Sunoは)自社のトレーニングデータは "ビジネス上の機密情報 "であると軽率に主張した」と論じたうえで、Sunoが著作権で保護された録音物を取り込んでいることの証明として、具体的な例をあげています。チャック・ベリーの「Johnny B. Goode」のスタイルに似た曲を生成していると主張しています。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、主人公マーティーが演奏する挿入歌として使われているので、日本でも聞き覚えのある方は多いでしょう。
Sunoに公開されている曲は「Deep down in Louisiana close to New Orle(ルイジアナ州の奥深く、ニューオーレに近い)」というタイトルで、「1950年代のロックンロール、リズム&ブルース、12小節のブルース、ロカビリー、エネルギッシュな男性、ヴォーカリスト、シンガー・ギタリスト」というスタイル指定で行われています。そして、原曲の特徴的なサビの部分「Go Johnny, go, go」がほぼ同じ旋律が再現されていると説明しています。実際、2つの曲を聞いてみても、特にサビの部分は非常に似た印象を受けます。他にも5曲が紹介されており、録音物を取り込んでいることの証明であると主張しています。
そのうえで、Sunoは自社の学習の正当性の根拠として、米著作権法で認められているフェアユースを主張していますが、その適応対象にならないとしています。
「合衆国法典第17編第107条に規定されるフェアユースの原則は、『批評、コメント、報道、教育、……学術、研究』を含む、フェアユースとして認められる可能性のある利用形態の例を示している。これらの典型的な公正利用は、『文学、音楽、その他の芸術』の公の利用可能性を確保するという方針を反映したものであり、他の人間がこれらの作品を利用して新たな作品を創造することができるようにするものである」(訴状 P.25)
Sunoが無数の録音物を大量にコピーすることはこうした目的のいずれにもかなわないとしており、さらに、商業目的利用を最初から目指していることが「適格ではない」とも論じています。
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