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「VMwareユーザーが困っている」現状、VMware管理権限やネットワーク設計など独自の強みを説明

“脱VMware”ではなく“続VMware”を、オラクルがOCI/OCVSで解決策を提案

2024年07月22日 08時30分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 「VMware環境のクラウド移行事例を検索すると、オラクルの事例が最も多くヒットする。ブロードコムによるVMwareの買収前からクラウド移行の案件は増加していたが、2024年2月以降は急増しており、なかでも基幹システムの案件が増えている」(日本オラクル 近藤暁太氏)

 日本オラクルは2024年7月9日、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)で提供するマネージドVMwareサービス「Oracle Cloud VMware Solution」についての説明会を開催した。OCIを通じて、VMwareユーザーの“脱VMware”ではなく“続VMware”を支援していく姿勢を強調している。

「Oracle Cloud VMware Solution(OCVS)」により、オンプレミスVMware環境からのシームレスなクラウド移行とモダナイズを進められると説明

日本オラクル 事業戦略統括 事業開発本部長の佐藤裕之氏、事業戦略統括 事業開発本部担当シニアマネジャーの近藤暁太氏

「VMwareユーザーが困っている」現状、OCIクラウドによる解決策

 ブロードコムによるVMwareの買収以降、VMwareを利用している企業にとっては、ライセンスの制度変更や価格上昇が大きな問題になっている。日本オラクル 事業戦略統括 事業開発本部担当シニアマネジャーの近藤暁太氏も、実態として「お客さまと対話をすると、VMwareを利用しているユーザーのほとんどが困っていることが分かる」と証言する。

 VMwareとのサポート契約があと数年残っている企業であっても、クラウド移行という可能性まで含めて検討するとなると、時間的な猶予はそれほどあるわけではない。また、小規模なシステムであれば“脱VMware”を図って、クラウドネイティブなプラットフォームへ移行することも考えられるが、大規模な基幹システムの場合は容易ではない。

 「基幹系システムの場合は、OpenShiftなど(のクラウドネイティブな環境)に移行するにはコストと期間がかかりすぎる。現時点では『まずはVMwareをクラウドに移行する』という考え方のお客様が多い」(近藤氏)

 オラクルでは2020年8月から、OCIデータセンターのベアメタルマシンを利用して、オンプレミスと同等のVMware仮想化環境を提供するOracle Cloud VMware Solution(以下、OCVS)を提供している。ブロードコムによるVMwareの買収以降は、このOCVSのパートナー企業の増加も加速しているという。

 「基幹システムのクラウド移行には、システムの中身を熟知しているパートナーの存在が重要だ。お客様の事例を通じて(OCVSの)知見を蓄積するパートナーが増えている。さらに、お客様からの要望によってOCVSのパートナーに新規加入するケース、VMwareは得意だったがオラクルとの接点は薄かったパートナーが参加するケースもある。(オンプレミスのVMwareからの)移行のしやすさ、移行後のクラウドビジネスの拡大などが、パートナーから評価されている」(近藤氏)

他社とは異なるネットワーク構成で「そのままクラウドへ移行」が可能

 このOCVSが実現するメリットとして、オラクルは「短期間、低リスクでのクラウド移行」「基幹システムの安定運用」「クラウドを最大限活用」の3つを挙げている。

 1つめの「短期間、低リスクでのクラウド移行」は、単純にVMware環境をクラウドデータセンターに用意しているだけではない。AWSやAzure、Google Cloudといった競合クラウドとは異なるネットワークアーキテクチャに優位性があると、日本オラクル 事業戦略統括 事業開発本部担当 シニアマネジャーの近藤暁太氏は説明する。

 他社クラウドでは、通常の仮想プライベートネットワークとは別にVMware専用ネットワークが用意され、仮想マシンはそこにデプロイされる。一方で、OCVSでは、顧客の仮想プライベートネットワーク内にVMware環境もデプロイされる。また、VMware環境のすべての要素(サーバーやアプライアンス、ハイパーバイザ、VLAN、セキュリティ)に対して顧客が管理権限を持つ点も、他社にはない特徴だという。

 こうした特徴があるため、オンプレミスのネットワーク構成や設定を大きく変えることなく、低リスクかつ短期間での移行が可能になる。また、トランザクションが多い場合や複数アプリケーションが稼働している場合でも、低遅延で安定した稼働が実現する。サードパーティ製ソフトウェアの中には、VMware環境の管理権限がないと導入できないものもあるが、こうした問題も生じない。

OCIでは、通常のクラウド環境にVMware環境を“外付け”するのではなく、プライベートネットワークに組み込んでいる

オンプレミスの構成や設定をそのままクラウド移行できる。クラウドの特徴を生かし、基幹システムを本番構成、本番の規模でテストすることも可能だ

 またOCVSのノードを構成するサーバー(ベアメタルマシン)は5種類が用意されており、最小36コア(12コア×3ノード)構成からスモールスタートして、最大8192コア(128コア×64ノード)構成までスケールアップできる。GPUサーバーもラインアップしており、VMware環境をVDIに利用する際にもメリットがあると説明する。

 オンプレミスのVMware環境とネットワーク接続したハイブリッド構成の場合、アウトバウンドのデータ転送コスト(エグレス料金)が問題になるが、OCIはそれが安いことも特徴に挙げた。閉域網接続の場合、接続ポート料金が1Gbpsあたり月額1万8972円かかるものの、データ転送料自体は無料だ。またインターネット経由の場合、データ転送料は月間10TBまで無料、それを超えた場合も1GBあたり3円と、他社の3分の1以下の料金設定としている。

アウトバウンドのデータ転送コストが安価である点も強みに挙げた

 現在のVMwareでは、将来的なライセンス価格の変動も懸念点となっている。しかし、OCVSの利用料金にはVMwareのソフトウェアライセンス料金が含まれている。日本オラクル 事業戦略統括 事業開発本部長の佐藤裕之氏は、OCVSでは1年間、3年間といった長期間の価格の固定化が可能であることを紹介し、価格変化に伴うコストリスクを軽減できることを示す。

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