業務を変えるkintoneユーザー事例 第233回
紙&Excelを一掃、応募者対応業務を75%削減したエフコープ
通常業務を抱えての変革の秘訣は“心理的安全性”、福岡の生協がアナログな採用業務をkintone化
2024年07月23日 07時00分更新
kintoneユーザーによる事例・ノウハウの共有イベント「kintone hive 2024 fukuoka」が開催された。
本記事では、5番手を務めた、エフコープ生活協同組合 デジタル推進課の畑中宏斗氏、吉村純子氏によるプレゼン「kintone &」をレポートする。
紙での“承認スタンプラリー”や点在するデータをどうにかしたい
エフコープは、福岡県内で約56万人の組合員を抱える生協(生活協同組合)だ。2023年度に設立40周年を迎え、商品配達や店舗運営、福祉など、暮らしに寄り添ったサービスを展開している。
そんなエフコープのkintone導入前の課題は、従来通りの紙対応、根強いExcel管理だった。
とにかく業務では紙だらけで、郵送をはじめとするアナログな作業が圧迫しており、極めつけは冗長な申請プロセス。「何かしらを申請するときには、とにかく紙を書いて提出していました」と畑中氏。そして、提出した紙を承認してもらうために、あらゆるスタッフ、役職者に押印してもらう“承認スタンプラリー”が繰り広げられていた。
例えば経理の申請では、担当から課長に、課長は部長に、そして最終確認を経理部長がする。決裁金額によっては、管理本部長にもエスカレーションされる。
Excelでの管理も、問題が山積み。同じような名前のファイルが存在して、最新のデータがわからず、誰かが開いていると更新ができない。
こういった紙とExcel中心の業務は、畑中氏が所属していた人事部でも同様だった。毎月中途採用を実施していたが、応募者情報の管理はExcel、面談時には書類ベースで記入フォローして、内定者には紙で採用書類を郵送する。
各部署に対しては、採用書類の準備や職員番号の採番、制服発注などを依頼して、採用者承認のための起案も作成しなければいけない。これらは個別のやり取りで、データや作業は点在、結果、数多くの工程が発生していた。
転機になったのは、kintoneの全社展開だ。kintoneの勉強会に参加した畑中氏は、「人事部でも使えそう」と手ごたえを感じ、採用業務での活用にチャレンジした。
3つのkintoneアプリをつなげて紙・Excelの管理を一掃
畑中氏が取り組んだのは、3つのkintoneアプリを作って、それをつなげることだ。
ひとつ目のアプリは、応募者への対応状況を可視化する「キャリア応募名簿」。「テーブル設定」の機能で対応履歴を追加して、応募から選考、採用までの情報をアプリに蓄積していく。そして、アクションボタンを押すと、次のアプリに情報が自動統合される。
2つ目は、「新規採用者入協手続き」のアプリだ。プロセス管理の機能を用いて、前アプリから統合された応募者の情報を各部署に展開、必要な項目を追加してもらう。「“情報のバトン”を渡していくアプリ」と畑中氏。
最後は、「キャリア採用者承認依頼」のアプリだ。関連レコードとして採用者の情報を月ごとに表示。採用者の確認や承認も、kintone内で完結させて、採用承認の起案作成も不要になった。
さらには、人事労務システムである「SmartHR」と連携させることで、郵送していた入協手続きを電子化した。
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