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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第70回

イラストのペン入れと色塗り、AI使えばわずか1分

2024年07月08日 07時00分更新

文● 新清士 編集●ASCII

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筆者のラフ画(左)から、copainterを使ってのペン入れ(中央)、着彩(右)

 日本のAIスタートアップ、ラディウス・ファイブが提供しているAI着彩サービス「copainter(コペインター)」に新たに導入された「ペン入れ」機能の性能がすばらしく高いです。ラフ画などから線画を生成するという、これまで画像生成AIの「Stable Diffusion」で実現できていたことの延長線上にある機能なんですが、それをサービスとして品質高くまとめた感じです。UIがとにかくシンプルで、生成AIを知らない人でも迷うことなく利用できるわかりやすい作りになっていました。

※一部の配信先では画像や図表等が正確に表示されないことがあります。その場合はASCII.jpで配信中の記事をご確認ください

ペン入れと着彩が1分で終わる

 copainterの機能は、既存画像を線画化する「ペン入れ」と、指定に合わせて色をつける「着彩」の2つです。

 使用方法は、線画にしたい画像をドロップしたら、忠実度/線の太さ/入り抜きのパラメーターを調整して、ボタンを押すだけ。1分程度で線画が出ます。次は「着彩」。このときにも、塗りの参考になる画像を選択してボタンを押すだけ。落書きしたもので出るのかということを試してみました。筆者が描いた落書きが1分ほどでこうなります。

筆者が明日来子さんの画像を模写したもの(左)をcopaniterで「ペン入れ」をしたもの(右)。元の曖昧さな線からうまく形状を作り出してくれている

同じ画像を入力しても、生成結果は忠実度を変えるとかなり変化する。左から、忠実度0.05、忠実度0.5、忠実度0.9

線画を簡単に着彩(中央)にして、線画と下塗り画像とを、入力情報として「着彩」した結果(右)。若干青色気味に色がつく傾向があるのは使用モデルの特性と考えられる。着彩もパラメータ設定によりかなり結果が変わる

 どんな画像でも線画にできるため、3D画像などにも使えます。例えば、3DモデルのVRoidのサンプルモデルのスクリーンショットを使い、ペン入れをした後に、元のスクリーンショットを下塗り画像として指定すると、イラスト風に描き込みされた画像を作ることができます。

VRoidのスクリーンショット(左)、ペン入れ(中央)、着彩(右)

 筆者が開発しているゲーム「Exelio(エグゼリオ)」に登場する「謎のカエル」キャラクターでも試してみました。カエルとメカの要素を過剰に解釈してしまったようで、ペン入れ段階で生物的な雰囲気が減少し、メカ的な意匠が追加されています。その雰囲気は着彩でも引き継がれているので、元のイメージに近い画像にするにはいろいろと工夫が必要そうです。

筆者が開発中のゲーム「Exelio(エグゼリオ)」に登場するキャラクターのスクリーンショット(左)、ペン入れ(中央)、着彩(右)

 メール登録だけで月に10回まで無料で試せるということもあり、X上では様々な人が試したものが投稿されています。プロの方の下描きは、見事に着彩まで成功しています。

 中学生のころに描いた絵が「宝の山」になったと書いている人もいます。使われている生成AIモデルの特性で、目の形状が変わったりしているものもありますが、修正を前提とするなら、十分にプロ水準でも使い物になるという評価を得ている印象です。

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