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アップルがOpenAIの取締役オブザーバーになると報道

2024年07月03日 10時10分更新

文● 田口和裕

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 米ブルームバーグの報道によると、アップルがOpenAIの取締役会にオブザーバーを派遣する計画が明らかになったという。

投票権のないオブザーバー参加

 この動きは、両社が先月発表した提携の一環として位置付けられており、テクノロジー業界における重要な展開として注目を集めている。

 アップルからオブザーバーとして派遣されるのは、マーケティング責任者として長年Appleのブランド戦略を指揮、現在はApp Storeの責任者を務めるフィル・シラー(Phil Schiller)氏の予定。

 これが実現すると、投票権は持たないオブザーバーとはいえ、アップルはOpenAIの最大出資先であるマイクロソフトと同等の地位を得ることになる。

 この提携の主要な目的は、アップルのデバイスにOpenAIの技術を組み込むこと、具体的には、iPhone、iPad、MacにChatGPTを含むAI機能を搭載することだ。

 興味深いことに、現時点でこの提携に金銭的な取り決めはないという。代わりに、OpenAIは数億人に上るアップルユーザーへのアクセスを獲得し、アップルは最先端のAI技術を自社製品に取り入れる機会を獲得する。

 アップルの新しいAI機能は「Apple Intelligence」と呼ばれ、記事の要約、カスタム絵文字の作成、音声の文字起こしなどの機能が発表されている。ただし、これらの多くは来年以降の導入が予定されている。

 アップルのAI戦略は、自社開発の機能とパートナーシップを巧みに組み合わせたものだ。OpenAIとの提携に加え、グーグル、Anthropic、さらには中国のBaiduやAlibabaとも協議を進めているという。

 この多角的なアプローチにより、アップルはAI市場での競争力を大幅に強化することを目指している。

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