AI時代に加速する「サーバー排熱」問題、高効率な冷却方式を探る取り組み
液冷サーバーと液浸サーバー、デル・テクノロジーズが検証施設を初公開
2024年06月24日 16時00分更新
外部チラー不要、ラック1台で完結する液冷サーバーもテスト中
液浸冷却・水冷ラボにも、「PowerEdge R760」をベースとした液冷サーバーが設置されている。ただしここでは、屋外チラーなどのデータセンター設備とは接続せず、CDUも含めて1台のラック内で完結する仕組みを構築、検証している。
屋外チラーなどの一次冷却システムと接続する場合、CDUに約10℃の冷却水が供給されるため、最大で100kWの冷却ができる。一方で、このラック内完結型のシステムでは、冷却能力は1台のCDUあたり20kWにとどまる。それでも、一次冷却システムの設置が難しいコンテナデータセンター、既設ビルを流用したデータセンターなどでの利用が考えられるという。また35℃の室内環境でも動作するため、室内空調は不要だと説明した。
なおデータセンターへの設置にあたっては、ラックあたりの重量も制約事項となる。空冷サーバーの場合、42Uラックで1平方メートルあたりおよそ1~1.5トンだが、ラボで稼働している液浸サーバー、液冷サーバーとも、ほぼ同等の重量で済むという。