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AI時代に加速する「サーバー排熱」問題、高効率な冷却方式を探る取り組み

液冷サーバーと液浸サーバー、デル・テクノロジーズが検証施設を初公開

2024年06月24日 16時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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タンクを満たすオイルにサーバーを沈める液浸方式のメリットは

 上述した液冷サーバーでは、冷却液がサーバーコンポーネントに直接触れることはない。しかし、サーバーの発熱量がよりいっそう大きくなると、そうした間接的な冷却方式では間に合わなくなる。そこでデル・テクノロジーズでは、冷却する液体がサーバーコンポーネントに直接触れる液浸方式の実証も進めている。

 液浸冷却・水冷ラボでは、液浸サーバーとして「PowerEdge R650」が2台稼働している。液浸サーバー用タンクに専用オイル(ドラム缶1本分)を満たし、ここにサーバーを沈めて液浸冷却を行う。

GRC(Green Revolution Cooling)が提供する液浸タンク「ICEraQ Nano」の全面、背面

 CDUから供給される冷たいオイルはタンクの下方から流し込まれ、サーバーの排熱で温められたオイルは上方からCDUへと循環する。その後、チラーからCDUに供給される冷却水でオイルを冷やす点は、前述した液冷サーバーの仕組みと同じだ。なお小規模な実証環境のため、ここでは屋内設置型の小型チラーを使用している。

 通常は空冷サーバーとして販売されているPowerEdge R650を液浸サーバー化するためには、空冷ファンなどの部品を取り外すカスタマイズが必要となる。ただしデル・テクノロジーズでは、パートナーとのコラボレーションにより液浸環境での冷却性能を検証しており、液浸環境下でもサーバーの動作保証サービスを提供している。

 液浸サーバーは空冷サーバーのようなファンの音がせず、小売店やオフィス、倉庫といった場所にも設置することが可能だ。また特別な空調が必要なく、室内温度が40℃でも稼働するので、データセンター全体の低消費電力化が図れるという。

液浸タンク上部からのぞき込むと、2台のサーバーが稼働していた

液浸サーバーとして「PowerEdge R650」を使っている。空冷ファンの取り外しなど部分的なカスタマイズは必要だ

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