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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第138回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 6月8日~6月14日

SOAR市場急成長の理由、20代の62%は「日本に好感持てない」、BtoBサイトのビジネス貢献度ランキング、ほか

2024年06月17日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2024年6月8日~6月14日)は、急成長する国内SOAR市場、セキュリティ専門家の考えるスキルギャップとAI活用、国内BtoBサイトのビジネス貢献度ランキング、日本に対する日本人の好感度についてのデータを紹介します。

[セキュリティ]高成長続く国内SOAR市場、2023年度は前年度比45%増の30.7億円となる見込み(アイ・ティ・アール、6月11日)
・2023年度のSOAR市場は、前年度比45%増で成長の見込み
・セキュリティ人材不足により、運用自動化のニーズ高まる
・2027年までCAGR17%で成長

 国内のSOAR(Security Orchestration, Automation & Response)市場調査より。2022年度の同市場は、前年度比80.3%増の21億1000万円だった。2023年度はさらに成長が加速し、同45.5%の30億7000万円を見込む。セキュリティ運用の自動化ニーズを受けて急成長する同市場は、SOC機能の自動化を支援できることから、今後も大企業を中心に導入拡大が期待されている。今後、2027年まで年平均成長率(CAGR)17.8%で成長し、47億9000万円に達すると見込んでいる。

SOAR市場の推移および予測(出典:ITR)

[生成AI]セキュリティ専門家の89%が「スキルギャップ」体感、セキュリティ対策におけるAI導入は97~99%に(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ、6月7日)
・セキュリティ専門家の89%が「セキュリティギャップがある」
・97~99%が自社のセキュリティ対策にAIツールを使用
・セキュリティ対策にAI導入するメリットは「ユーザー行動と異常の洞察」がトップ

 世界のセキュリティ専門家400人を対象に、実業務における生成AI活用を調査した。まず89%の回答者が「大幅なスキルギャップを感じている」と回答。その結果、より効果的にセキュリティを運用する能力が阻害されていると感じているという。実業務における生成AI、AI/機械学習の活用は進んでおり、インシデント対応、マルウェア対策、データ損失対策などのセキュリティ対策強化において、97~99%が「AIを活用したツールを導入している」と回答した。生成AI導入のメリットについては、「ユーザーの行動および異常について洞察が得られる」がトップ回答。またAPACでは「セキュリティ運用とリソース配分の合理化」が他の地域より高い結果となった。

89%がスキルギャップがあると回答、APACでは84%(出典:チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ)

セキュリティ対策に生成AIツールを使っている回答者は97%、AI/機械学習/深層学習は99%(出典:チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ)

サイバーセキュリティにおいて生成AIを活用するメリット(出典:チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ)

[BtoB][ブランド]BtoBサイトで最もビジネスに貢献しているのは三菱電機、2年連続トップ(トライベック、6月11日)
・BtoBサイトのビジネス貢献度が最も高いのは2年連続で「三菱電機(FA)」
・今年より調査対象となった物流から「ヤマト運輸」が5位にランクイン
・ニーズ充足率では「セイコーエプソン(ビジネス用)」が首位に

 国内有力企業のBtoBサイト197件について、製品/サービス分野別に抽出したBtoBターゲットユーザーからの回答に基づき「ビジネス貢献度」を評価した「BtoBサイト調査2024」より。トップは「三菱電機(FA)」でスコアは58%。2位「オムロン(制御機器)」、3位「キーエンス」、4位「オムロン(電子部品)」と、上位4サイトは昨年と変わらず。5位には、今回から調査対象に加えた「物流」から「ヤマト運輸(法人のお客さま)」が43.6%でランクインした。一方、「ニーズ充足者」の比率が高かったのは「セイコーエプソン(ビジネス用)」で、昨年の6位からトップとなった。

国内企業のBtoBサイト「ビジネス貢献度」「ニーズ充足度」ランキング(出典:トライベック)

[生活]20代の62%が「日本に好感持っていない」、10代の82%が「デジタル化が進んだ社会を期待」(ビッグローブ、6月12日)
・現在の日本に「好感を持つ」10代は48%、20代は38%。共に「持たない」を下回る
・「自己責任の考え方が強すぎる」という見方、10代は68%、20代は59%
・「生活に余裕がない」回答者、全世代で「そう思わない」を上回る

 全国の18歳から69歳の男女1000人を対象に実施したインターネット調査より。「現在の日本について好感を持っているか」については、60代以外のすべての世代で「持っていない」が上回った。好感を持っていない世代が最も多いのは40代で、65%が「持っていない」を選んだ。「日本人は寛容」だと考える人も20代、40代が少なく、60代が最も多い結果となった。「生活に余裕がない」かどうかの質問では、すべての世代で「そう思う(余裕がない)」が過半数を占めた、最多の50代では72%が余裕がないと感じている。社会の、10代の82%が期待するなど、全世代で期待する人が多かった。

現在の日本に好感を持っているか、60代を除くすべての年齢層で「持っていない」が上回った(出典:ビッグローブ)

「日本人は寛容」と思う人は20代、40代で少なく、それぞれ56.2%、59%だった(出典:ビッグローブ)

デジタル化が進んだ社会への期待。10代が最も高い(出典:ビッグローブ)

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