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そうだ! 旧車に乗ろう! 素人女子の三菱「ギャラン」レストアへの道 第1回

ド素人女子が三菱「ギャラン」修理復旧に挑む! みんな旧車乗ろうぜ!

2024年06月09日 15時00分更新

文● 矢田部明子 写真●平野 陽 編集●ASCII

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 自動車ライターの矢田部明子です。いつもは主に、新型車の試乗記を書かせていただいていますが、このたび、昭和51年に初年度登録された「三菱 ニューギャラン」の修理工程(レストア)を連載することとなりました。

 初めに申し上げておきますと、特に整備士のような知識があるというわけではなく、正真正銘のド素人です。さらに包み隠さずお伝えしますと、まったく予算がありません(理由はのちほど)。なので、純正部品にこだわらず、できればホームセンター&家にある身近なものを代用し、手間はかけてもお金はかけずに修理していきたいと思います。

 そんな私が、なぜこの企画を持ち込んだかというと、私の旧車ライフを見て「矢田部にできるなら、自分でもできそうだ」と思ってほしかったからです。旧車に乗ろうか迷っている人がいたとしたら、この記事を見て自信を持って下さるとうれしいです(笑)。ただし、危険を伴う作業もありますので、自己責任でお願いします。

なぜこの時代にギャランなのか?

ギャランの理由 その1
サターンエンジンを搭載していたから

 日本語訳すると“土星エンジン”ですが、これは「機動戦士ガンダム MSイグルー」の劇中に登場する、新型モビルスーツ「ヅダ(EMS-10)」に搭載されていたエンジンと名前が一緒なのです。そう、私はガンダムが大好きなのです。

 ツダに搭載されていた土星エンジンは、パルス噴射による高加速性と高機動性能を兼ね備えていて、地球連邦軍のジムを振りきるほど優れたエンジンでした。主に、ジャン・リュック・デュバル少佐、ヒデト・ワシヤ中尉が乗ることが多かったのです。

 一方でニューギャランに搭載されているサターンエンジンは、自動車の排出ガス低減を目標として設定された“50年規制”をクリアするべく、ニューギャランに搭載されていたエンジン(MCA.-I)に、エアポンプ&EMAOを装着した低公害性のエンジンとなります。エンジンのラインナップは、1600cc、1850cc、2000ccとありますが、私のは1600ccで、小気味良い吹き上がりが身上のエンジンだそうです(カタログに記載)。まだ乗っていないので何とも言えないですが、修理して乗るのが楽しみです!果たしてその実力は!?

ギャランの理由 その2
燃費がいいから

 タイヤをマッドテレーン(オフロードを想定したタイヤ)にしている&私の運転スキル不足ということもあり、愛車である「ランドクルーザー76」の燃費が4.5km/Lなんです。しかも、ハイオク……。ガソリンの値段がどんどん上がり状況は悪化しているため、今よりも燃費の良いアシ車をと、ニューギャランの修理を決意しました。驚くことに、当時のカタログには燃費が記載されていないのですが、元のオーナーさん曰く7km/Lは走るとのこと。そう信じてます。きっと、ランクル76よりも燃費は良いはずだと。

ギャランの理由 その3
自分でいじって楽しめそうだから

 「矢田部明子のガレージライフ」というYouTubeチャンネルを開設しているのですが、そのチャンネル名を付けたのは……、いつかガレージでクルマいじりをしたいという夢があったからです(ガレージはまだありません)。新型車は電子制御などが付いているため、自分でいじるのには限界があります。そこで、旧車であるニューギャランを選びました。

 といことで、素人ながらも、試行錯誤しながら頑張っていきたいと思います!

ギャランってこんなクルマ

 1969年から販売を開始した三菱のギャランは、多くの人に惜しまれながら2005年末をもって販売終了となりました。とくに、ギャランGTOは今でも根強い人気があり、気軽に手を出しにくい価格になっていますし、良い個体はすぐに売れてしまうため入手困難となっています。

 私がレストアするのは、1973年6月にフルモデルチェンジをした2代目で、ボディーサイズやエンジン排気量を拡大、車格が大きくなって居住や乗り心地が向上したモデルです。このクラスの国産車としては画期的な、どんな体型の人でも自分にあったドライビングポジションが取れるフルアジャストシステムを標準装備し、大人5人がゆったりと座れ、運転手が扱いやすいようにマルチユースレバーなどを集中させ、操作しやすくなっています。

三菱「ギャラン GL」の主なスペック
サイズ 全長4200×全幅1600×全高1395mm
ホイールベース 2420mm
車重 950kg
エンジン 1600cc 直列4気筒
最高出力 92PS/6000rpm
最大トルク 13.3kgf/ 3800rpm

 この個体はワンオーナーで車庫保管だったため、ヤレやサビなどが少なく、比較的綺麗な状態です(ところどころサビはあります)。しかし、この年代の小型車や軽自動車は中型車に比べて無事な個体が少ないのと、ギャラン自体の売れ行きが良いとはいえなかったため、部品調達にかなり手こずりそうな予感……。

 さらに、その頃始まった昭和48年、51年、53年排気ガス規制のため、それ以前の車に比べ、かなりの性能低下とオイルショックによるコストダウンで、錆びやすく残った車が少ないというダブルパンチ。

 ちなみに、もともと上級グレードだった個体を、グリルやハンドル、フェンダーミラー とサイドのエンブレムを変え、グレード落としています(GL仕様)。走行性能に関することでいくと、エンジンはかかりますが、ゴム類の劣化やブレーキが効きません。したがってまだ乗れません。

ギャランレストア計画 今後の方向性

 純正部品にこだわらず、部品流用や、イベントでゲットした掘り出し物で錆などをリペアしていく予定です。名付けて、貧乏修理!

 さて、どうなることか? お金はないけどありあまる情熱と根気で頑張ります!

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筆者紹介:矢田部明子

 中学生の頃、クルマのメカニズムに興味を持ち工業高等専門学校に入学。専門的な知識を学んできました。もちろん、クルマに乗るのも大好きで「ランドクルーザー60→ランドクルーザー76」と乗りついでいます。最近の唯一の癒しは、週末にオフロードに出かけることです!

 クルマのメンテナンスなど工業高等専門学校で学んだ知識と経験を活かして、様々な角度からお役立ち情報をお届けしていきたいと思います。

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