このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

みやさとけいすけの工具探検隊 第44回

使えば使うほどわかる

1万8000円の“ノギス”、細部まで精度が高くて納得!

2024年06月03日 18時00分更新

文● 宮里圭介 編集●こーのス

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

廉価品との違いは、仕上げや精度

 廉価なデジタルノギスは絶対原点がなかったり、PCと接続できるオプションがなかったりしますが、基本的な"ノギスとしての機能"は大きく変わりません。それなら高価なノギスを買わなくてもいいんじゃないか……と、考えてしまいますよね。

 ところが、しばらくミツトヨのCD-15AXを触っていて気付いたことがあります。そう、作りの精度があまりに違うのです。

 まず感じたのは、スライダーの動きが滑らかだということ。廉価なものだと動き出しが少し渋く、0.01mmだけ動かしたいという気持ちで慎重にサムローラーを回しても、ガクッと0.05mmくらい一気に動いてしまいます。これに対しCD-15AXは、本当に0.01mmだけスルッと移動できます。

 どこに差があるのかと側面を見たら、磨き上げが段違い。廉価品は爪で触るとザラザラしているのが感じられますが、CD-15AXは滑らかで、ほぼ引っかかりがありません。

廉価品(上)と、CD-15AX(下)。光を反射させると違いが分かります

 また、廉価品では外側用ジョウに段差があったり、スライダーを動かして閉じたときに内側用ジョウに隙間ができてしまう、といったように、精度面で問題があったりします。これに対しCD-15AXは、驚くほどピッタリ。誤差が少なく、精度高く測りたいのであれば、高価な製品を選ぶほうがいいですね。

廉価品だとジョウに段差があったり隙間があったりと、精度で問題も

使えば使うほど、精度の違いがわかってくる

 さらに廉価品を使って気になっていたのが、角が尖ったままになっているモノが多いこと。バリがあるわけではないですが、削ったままでほとんど角が丸められていないため、手が触れると結構痛いのです。強く握ったり、引っ掛けたりすると怪我をしてしまうくらいには尖っています。もちろん、何もかも丸めてしまえば精度が落ちてしまいます。しかし、測定に関係のない部分、ジョウの外側とか本体の側面とかまで、ツンツンに角が尖っている必要はありません。

 こういった部分の仕上げまで気を配っているのが、CD-15AXの良いところだなと感じました。ここまで丁寧に作っていれば、なるほど、高価になるのも納得です。

 「ただ測れればいい」というなら廉価品でもいいですが、道具として長く使いたいと考えているなら、CD-15AXの方が明らかに満足できる良製品。とくに、今まで廉価品を使って「こんなもんかな」と思っていた人にこそ、使って欲しいですね。

●お気に入りポイント●

・スライダーが滑らかに動く

・オプションでUSB接続ケーブルがある

・精度が高く細部まで仕上げが丁寧

この記事を書いた人──宮里圭介

 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中