ハイエンドスマホをばらまくのが手っ取り早い
ただ、楽天モバイルの弱点と言えるのが、端末販売が手薄ということだろう。既存3社は、街中のキャリアショップを中心に、限られた割引施策を駆使し、最新スマホを売ろうと躍起だ。
最新のスマホは、チップは高性能、画面は大きく綺麗で、通信速度も速い。結果として、ついついSNSや動画などデータ通信を消費しがちだ。
楽天モバイルの場合、既存3社に比べると、グーグル「Pixel」などもなく、ハイエンド端末のラインナップが手薄だ。他社からMNPしてくるユーザーが多ければ、端末も持ち込んでくる人の割合も高く、最新のスマートフォンを持っているというわけではない。その点、やはり、データ通信量の消費という面では若干、不利にならざるを得ないのだ。
三木谷会長は「端末販売については、大変正直に申し上げまして、SIMフリーになっていくということですので、デバイスのディスカウントをしすぎないようにしていきたい」と語る。
ユーザーのARPUを上げるには、ハイエンドスマートフォンをばら撒き、5Gをガンガン使ってもらうのが手っ取り早いのだが。
20GB未満しか使わないユーザーをいかに20GB以上に上げて、料金プランの上限まで使わせるか。20GBという閾値(しきいち)を下げれば、簡単にARPUは上がるが、ユーザーの不満も爆発してしまう。楽天モバイルが黒字化するためにはARPUの改善が急務であり「何かしらのテコ入れ」が必要なのではないだろうか。
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