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石川温のPCスマホニュース解説 第200回

楽天モバイル 契約は絶好調だが、黒字化にはテコ入れが必要だ

2024年05月29日 07時00分更新

文● 石川温

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ハイエンドスマホをばらまくのが手っ取り早い

 ただ、楽天モバイルの弱点と言えるのが、端末販売が手薄ということだろう。既存3社は、街中のキャリアショップを中心に、限られた割引施策を駆使し、最新スマホを売ろうと躍起だ。

 最新のスマホは、チップは高性能、画面は大きく綺麗で、通信速度も速い。結果として、ついついSNSや動画などデータ通信を消費しがちだ。

 楽天モバイルの場合、既存3社に比べると、グーグル「Pixel」などもなく、ハイエンド端末のラインナップが手薄だ。他社からMNPしてくるユーザーが多ければ、端末も持ち込んでくる人の割合も高く、最新のスマートフォンを持っているというわけではない。その点、やはり、データ通信量の消費という面では若干、不利にならざるを得ないのだ。

 三木谷会長は「端末販売については、大変正直に申し上げまして、SIMフリーになっていくということですので、デバイスのディスカウントをしすぎないようにしていきたい」と語る。

 ユーザーのARPUを上げるには、ハイエンドスマートフォンをばら撒き、5Gをガンガン使ってもらうのが手っ取り早いのだが。

 20GB未満しか使わないユーザーをいかに20GB以上に上げて、料金プランの上限まで使わせるか。20GBという閾値(しきいち)を下げれば、簡単にARPUは上がるが、ユーザーの不満も爆発してしまう。楽天モバイルが黒字化するためにはARPUの改善が急務であり「何かしらのテコ入れ」が必要なのではないだろうか。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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