ハイエンドスマホをばらまくのが手っ取り早い
ただ、楽天モバイルの弱点と言えるのが、端末販売が手薄ということだろう。既存3社は、街中のキャリアショップを中心に、限られた割引施策を駆使し、最新スマホを売ろうと躍起だ。
最新のスマホは、チップは高性能、画面は大きく綺麗で、通信速度も速い。結果として、ついついSNSや動画などデータ通信を消費しがちだ。
楽天モバイルの場合、既存3社に比べると、グーグル「Pixel」などもなく、ハイエンド端末のラインナップが手薄だ。他社からMNPしてくるユーザーが多ければ、端末も持ち込んでくる人の割合も高く、最新のスマートフォンを持っているというわけではない。その点、やはり、データ通信量の消費という面では若干、不利にならざるを得ないのだ。
三木谷会長は「端末販売については、大変正直に申し上げまして、SIMフリーになっていくということですので、デバイスのディスカウントをしすぎないようにしていきたい」と語る。
ユーザーのARPUを上げるには、ハイエンドスマートフォンをばら撒き、5Gをガンガン使ってもらうのが手っ取り早いのだが。
20GB未満しか使わないユーザーをいかに20GB以上に上げて、料金プランの上限まで使わせるか。20GBという閾値(しきいち)を下げれば、簡単にARPUは上がるが、ユーザーの不満も爆発してしまう。楽天モバイルが黒字化するためにはARPUの改善が急務であり「何かしらのテコ入れ」が必要なのではないだろうか。

この連載の記事
-
第263回
トピックス
「アクセシビリティは“人権”」アップルが40年間続ける取り組みとは -
第262回
トピックス
ソフトバンクとKDDIが“空の救助網” 雪山遭難、ドローンで発見 -
第261回
トピックス
スマホ5G“ミリ波”肩透かし 6Gは“センチメートル波”が鍵に -
第260回
トピックス
ドコモ苦戦 携帯3社、“値上げ”で明暗 -
第259回
トピックス
KDDI、通信品質で再び首位に ドコモとソフトバンクが不満「あの評価基準はおかしい」 -
第258回
トピックス
アドビ、AIで若年層開拓 “映える”画像を作りやすく -
第257回
トピックス
ドコモ経由の“NISAデビュー”増える マネックスか、SBIか、悩ましい選択に -
第256回
トピックス
KDDIドローン事業、9年目で軌道に乗る兆し 無人AIポート運用に成功 -
第255回
トピックス
楽天モバイル“値上げしない宣言”に他社が苦言 「自分たちでネットワークを構築しないくせに」 -
第254回
トピックス
クアルコム「Snapdragon」名称迷走 PC市場での認知施策が課題に -
第253回
iPhone
アップル新型「iPhone」全部比べた オススメはこれ - この連載の一覧へ












