このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第280回

水月雨がオーディオファン向けスマホを開発、複雑になりすぎたスマホ高音質再生への問いかけ

2024年05月19日 09時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

バランス駆動に対応、真空管モードも

 肝心のオーディオ性能については、S/N比117dB、ダイナミックレンジ132dBと高性能なDAPなみの性能を誇っている。上部が厚みを帯びたデザインであり、スマートフォンとしては異例なことに3.5mm端子の他に4.4mmバランス端子も搭載されている。回路もフルバランス構成とのことだ。バランス駆動時は4Vrmsのハイパワー出力となっている(3.5mmでは2Vrms)。
回路は6層のシールドがなされたもので、強力な電波発信源(ノイズ源)である5G通信回路は電気的に遮蔽している。DAC部分はシーラス・ロジックのDAC ICをデュアル搭載しているということだ。またDACのボリューム機能を用いて、100ステップと細かい音量調整ができるとしている。

 さらにユニークなのは、オーディオ回路にDSP機能も搭載して、三極真空管の300Bの音をシミュレートしたサウンドが用意されている点だ。300Bは音がいいと言われている真空管だ。さらに独自開発のVDSF+という空間オーディオアリゴリズムによって、スピーカーとヘッドホンの垣根を少なくしたような音を出せるようだ。こうした追加機能は、後日OTAで更新されるとしている。

 MIAD01の価格は400ドル前後ということで、それほど高価ではない。水月雨では商業的に意味をなすことよりも、ほかとは違う何かをしたかったと述べている。水月雨は国内ではイヤホンで有名だが、ポータブルCDプレーヤーなどユニークな製品を開発していることでも知られている。その新しい挑戦と言えるだろう。

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン