バランス駆動に対応、真空管モードも
肝心のオーディオ性能については、S/N比117dB、ダイナミックレンジ132dBと高性能なDAPなみの性能を誇っている。上部が厚みを帯びたデザインであり、スマートフォンとしては異例なことに3.5mm端子の他に4.4mmバランス端子も搭載されている。回路もフルバランス構成とのことだ。バランス駆動時は4Vrmsのハイパワー出力となっている(3.5mmでは2Vrms)。
回路は6層のシールドがなされたもので、強力な電波発信源(ノイズ源)である5G通信回路は電気的に遮蔽している。DAC部分はシーラス・ロジックのDAC ICをデュアル搭載しているということだ。またDACのボリューム機能を用いて、100ステップと細かい音量調整ができるとしている。
さらにユニークなのは、オーディオ回路にDSP機能も搭載して、三極真空管の300Bの音をシミュレートしたサウンドが用意されている点だ。300Bは音がいいと言われている真空管だ。さらに独自開発のVDSF+という空間オーディオアリゴリズムによって、スピーカーとヘッドホンの垣根を少なくしたような音を出せるようだ。こうした追加機能は、後日OTAで更新されるとしている。
MIAD01の価格は400ドル前後ということで、それほど高価ではない。水月雨では商業的に意味をなすことよりも、ほかとは違う何かをしたかったと述べている。水月雨は国内ではイヤホンで有名だが、ポータブルCDプレーヤーなどユニークな製品を開発していることでも知られている。その新しい挑戦と言えるだろう。
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