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いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第23回

4000円弱で買える、JBLのUSB-Cイヤホン「TUNE310C」、ハイレゾ認証も取得!!

2024年03月12日 13時00分更新

文● 有川枕 編集●ASCII

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 有線イヤホンは滅びる運命? そんなことはないはず。

 その昔、iPhoneからアナログのヘッドホン出力がなくなったときは、ちょっとした騒ぎになった。昨年、iPhone 15/15 ProシリーズはLightning端子がUSB Type-C端子に変わったあとの混乱はそこまでではない。だって、イヤホンってBluetoothでつなぐものでしょ? みんなそう思い始めたからだ。

 そういえば、いまのiPhoneにはイヤホンが付属していない。AirPodsじゃなくてEar Pods。実は意外と優秀なんですけどね……。

JBLって最近攻めてる感じがする

 それでも、やっぱり「イヤホンは有線でつなぎたい」と思うシチュエーションはある。例えば、遅延が気になるアプリを使用するシーン。アクション性の高いゲームがまず最初に思い浮かぶ。楽器の操作もそう。某ハンバーグ店で列にならネイルと、ポテトが上がったて、ソ・ファ・ソ、ソ・ファ・ソ……というアラーム音が耳に入る。この音程で合ってるかなと「GarageBand」の鍵盤をたたく。音が遅延したらストレスだ。

JBL TUNE 310C

 ウェブ会議が普通になったいま、パソコンやスマホで通話する機会は増えた。移動と移動の合間の街中でブースを探してミーティングを始める。そんな行動も日常の一部である。いまやイヤホンは、趣味ではなく仕事のために、常時携帯すべきツールに変わった。完全ワイヤレスイヤホンのバッテリー寿命はまだ短めであり、移動や仕事の間ずっと使用した結果、肝心な時に本体のバッテリーが切れていた……なんてケースもありうる。

 結局、保険の意味を込めて、有線イヤホンに「Lightning - 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ」を付けてカバンに入れっぱなしにするようにしてきた。これは取材で便利というのもある。スマホで撮影する際、イヤホンケーブルのリモコンボタンはシャッターになるからだ。スマホを固定するミニ三脚を携帯しておけば、それだけでクオリティの高いブツ撮りもできてしまう。オーディオファン的にとってリモコンは、不要なものかもしれないが、あればあったで便利な使い方ができるものなのだ。

安価な割に役立つし、質感にも気を配っている

 ボチボチ本題に入っていこう。説明が長くなったが、言いたいことは「有線イヤホン、意外と悪くないですよ」ということだ。ここで2つの選択肢がある。iPhoneのUSB-C端子につなぐのは、今後もアップル製の何かにするか、ほかにするかだ。

 そして、2月22日に発売となったJBLの「TUNE 310C USB」はなかなか魅力的なイヤホンである。発表後に編集部にサンプルが送られてきて、少し使ってみたが、すぐに気に入って毎日持ち運びたくなった。直販価格3850円と手を出しやすい金額感で、最大96kHz/24bitのハイレゾ再生にも対応しているのも優れている。

JBL TUNE 310C

いまどきの製品らしくシンプルなパッケージ。

 USB Type-C接続となっており、iPhone 15シリーズはもちろんだが、iPad、MacBook、Androidスマホ、そしてWindows PCなど様々な製品とつなぐことができる。アナログの3.5mm端子ほどではないけれど、大抵のデジタル機器に接続できてしまうわけだ。ドライバーの追加も不要。「Nintendo Switch」ともつながる。ここも隠れたポイントだ。こういうUSB-Cイヤホンを1台ゲットしておくと、いろいろと重宝する。

JBL TUNE 310C

ビニールなどはなく、イヤホン本体やイヤーチップも紙で包まれている。

 製品の特徴だが、まず見た目はシンプルだ。デジタル接続なので、DACやアンプが必要だが、パッと見どこに入っているのかわからないほどコンパクト。ドライバーは直径9mmのダイナミック型ドライバーをシングルで使う。ハイレゾ再生に対応していて高域は40kHzまで出る。DACの性能としては最大96kHz/24bitだ。

 イヤホンのハウジングは小型で、違和感なく装着できる。ケーブルはフラットなきしめん状。送られてきたホワイトモデルは、白の中でもかなり明るいほうで、マットな触感。イヤーピースの軸がオレンジ色になっているのはJBLらしい主張である。イヤーピースのシリコンも少しマットな質感で滑りにくい。

 つくりは全体的によい。パッケージを開く際に少し感心したのは、イヤホンやイヤーピースを収める袋が、ビニールではなくトレーシングペーパーになっていた点だ。パッケージ自体も紙でプラスチックは使われていない。筆者は箱を最後まで取っておく派なのであまり気にしないが、買ってすぐパッケージを捨てざるを得ない状況でも、可燃物のほうに直接入れるだけでいい。

JBL TUNE 310C

細かいところだが、イヤピースに大きく「M」と書かれていて分かりやすい。

JBL TUNE 310C

USB C端子には大きくJBLの文字がエンボスされている。

音は結構いい、低域が豊かだし、中域がハッキリしている

 聴いてみて感じたのは、音がかなり良いことだ。

 まず低域がしっかりしているのがポイント。試聴用のプレイリストからLizz Wrightの「Barley」を掛けてみた。

 冒頭、ズーンと低い打楽器の音から始まる曲だが、この音が本当に太い。目の前で空気が震えるような臨場感があり、聴くほうの心も震えてくる。「なるほど、中低域重視のウォームなサウンドなのか」というと「そうではない」。あとに続くボーカルの明瞭感、弦をはじく音のアタック感など、全体に抜けのいいサウンドで、曲の細かい部分まで素晴らしくよくわかる。音調は硬すぎず、適度な緩さもある。情報量はなかなかのものだが、緊張感なく聴ける。とにかく、いい感じのバランスでまとまっている音なのだ。このあたりのチューニングは「さすがJBL」と感じさせるものだ。

 「なるほどいいじゃん」と思ったので、何曲か聞いてみる。一般的なポップスやロックから、ジャズボーカル的なもの、あるいは小編成、大編成のクラシックやサウンドトラックまで。どれもオールマイティに対応できる。ワイドレンジで、音場が広く、オーケストラなどではスケール感のある再生が可能。ボーカルなどは子音の再現なども明瞭で、低域などにかぶって聴きづらいといったこともない。

 本機のポイントのひとつは、再生モードの切り替え機能。音量の「+」「ー」ボタンの同時押しで、BASS、VOCAL、DEFAULTという3種類のイコライザーが切り替わる点だ。このうち、VOCALはウェブ会議などに適した声を聞きやすくする設定とのことだ。

 DACとアンプを内蔵したイヤホンであるTUNE 310C USBは、モード切替によってシチュエーションに合った音の再生が可能なので利便性のアップに貢献する。一方で、ドライバーの特性に合わせた信号処理ができるので入口から出口まで一貫した音作りができる点でも有利だろう。上流の信号を最適に処理して、ドライバーの性能を引き出せるわけだ。

マイク性能も高い、リモコンも口元近くに来る

 モードの違いについてコメントしておくと、DEFAULTがワイドレンジかつ音場の広さも十分に感じるチューニングで音楽全般に良さそう。BASSはこれに低域の音圧感が加わる感じだが音楽だけでなく映画鑑賞などにも向いている。逆にVOCALは声がより近く、明瞭に聞える。下の帯域などはカットされるので、騒音の多い場所で通話するのに適した設定に感じる。

 マイクについても試してみたが、個室など騒音が少ない場所で使った場合、かなり高音質で聞き取りやすく声を収音してくれた。細かいところだが、リモコンマイクの位置がかなり口に近い位置に来るのもいい。

JBL TUNE 310C

 イヤホンマイクはさまざまだが、機種によってはマイクを口元に寄せないと声を拾ってくれないものもある。一方で口元に近いイヤホンを目で見ながら操作するのはなかなか難しい。ただし、ボタンは3つしかなく、耳に近いほうが音量大、遠いほうが音量小、中央が再生/一時停止や着信ボタンと分かりやすく、クリック感などもしっかりしている。指先の感触を頼りにして問題なく操作できるとは思う。

 以上が、製品を数日使って見ての感想だ。

 長期間使い続けていくうえで心配なのは「ケーブル交換ができないタイプなので断線しないか」「真っ白で美しいケーブルが、数ヵ月、1年と使っていくうちに汚れたり、劣化しないか」などだ。また、密閉型の有線イヤホンの宿命ではあるが、タッチノイズをそれなりに感じる。

 フラットケーブルは丸めても絡みにくいという利点があるが、取り回し時に当たる面積が大きくまとまりにくいので、衣服と干渉しやすく感じる面もあった。椅子に座り、机に向かって使う場合は特に気にならないが、モバイルで移動しながら聴く機会が多い人は念頭に置いておいたほうがいいいだろう。

 などと、使っていくといろいろ気付くことも多いが、製品の魅力を損なうほどのマイナスポイントではない。やはり、鮮やかで瑞々しさのあるTUNE310Cのサウンドは魅力的だ。ベーシックながら質が高く、デジタル接続ならではの魅力を感じられるイヤホンを探している人は、一度チェックすべきだと思う。

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