AWSは4月30日(現地時間)、生成AIを使用した開発者支援サービス「Amazon Q Developer」の一般提供を開始した。
今回公開されたのは開発者向け
Amazon Qは、昨年開催されたイベント「AWS re:Invent 2023」で発表された、AWSによるAIアシスタントサービスの総称だ。
今回公開されたのは開発者向けのAmazon Q Developerだが、イベントではビジネス向けの「Amazon Q Business」、データ分析向けの「Amazon Q in Amazon Quicksight」、コンタクトセンター支援のための「Amazon Q in Amazon Connect」など、さまざまな分野での展開も予告されている。
Amazon Q Developerを利用することで開発者は、コード生成、編集、説明、ドキュメント生成、バグ修正など、ソフトウェア開発の主要タスクを、自然言語を用いてAmazon Qとやり取りしながら進めることができる。
同サービスは専用のウェブベースIDEだけではなく、AWSのAPIやCLIなどから利用することも可能だ。
さらに、「Visual Studio Code」、「PyCharm」、「IntelliJ IDEA」などの主要IDEとシームレスに統合できる拡張機能も用意されている。
毎月100万トークンの無料利用枠も
全てのAWSユーザーに対し毎月100万トークンの無料利用枠が提供され、利用枠は毎月リセットされる。
無料利用枠を越えてからの利用料金は、利用するモデルのサイズとAPI呼び出しの量に基づいて計算される。小型モデル(text-small)の場合、100万トークンあたり1米ドル(およそ158円)、大型モデル(text-large)の場合は100万トークンあたり30米ドル(およそ4736円)の料金が発生。
また、画像生成モデル(image-large)の利用には、1枚あたり0.6米ドル(およそ95円)、音声モデル(audio-medium)は、1分あたり0.04米ドル(およそ6円)の料金がかかる。
さらに、月額19米ドル(およそ3000円)のPro Tierプランでは、カスタムモデルの作成やトレーニング、プライベートデータの利用、専用ハードウェアでの処理などより高度な機能と優先サポートが提供される。
ライバルとなるマイクロソフトの「GitHub Copilot」と比較すると、AWS環境との緊密な統合や、音声・画像モデルのサポートなどがAmazon Q Developerの有利な点だろう。
また、無料利用枠を含む柔軟な料金体系や、Amazon Qの一部として提供されることは、組織全体でのAI活用の促進を狙っているのだろう。