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田口和裕の「ChatGPTの使い方!」 第22回

AI検索「Perplexity」がかなり便利だったので紹介します

2024年04月05日 17時00分更新

文● 田口和裕

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 「ChatGPTはすぐに嘘をつくから調べものには使えない」という意見をよく聞くが、これには大きな誤解がある。

 そもそもChatGPTの心臓部である大規模言語モデル(LLM)は、膨大な知識を元にテキストを「生成」する仕組みだ。

 逆に言うと、知識として持っていないことは一切わからないので、知らないことについて説明を求められても能力的に不可能なのだ。

 だから、知識にない質問をされると答えられないだけでなく、苦し紛れに幻覚(ハルシネーション)を起こしてしまう。これが「すぐに嘘をつく」と言われる理由だ。

 結論を書いてしまうと「ChatGPTは検索ツールではない」のだ。むしろ「ChatGPTがいちばん苦手とすることが検索」なのだ。

 今回はこの欠点を補い、AIを活用した新しい検索の形を実現するという触れ込みのサービス「Perplexity.ai」を紹介していく。

Perplexity.aiとは

 Perplexity.aiは、2022年8月にスタートした生成AIを活用した対話型検索エンジンだ。元OpenAIのアラヴィンド・スリニヴァサ氏が率いるエンジニアチームによって創設され、2024年の資金調達ラウンドで、アマゾン共同創設者のジェフ・ベゾス氏やNVIDIAなどから7360万ドルを調達。評価額は5億2000万ドルに達している。

 なぜここまで注目を集めているのだろうか。実際に使って検証してみよう。 

アカウントを作成しなくても利用可能

 Perplexity.aiはアカウントを作成しなくとも検索を利用することができる。百聞は一見にしかず、まずは検索結果を見てみることにしよう。

プロンプト:Perplexityについて教えて

 結果はこのように表示された。たった一行のプロンプトにもかかわらず大量の情報が構造化されて見やすく表示されている。スピードも遅いと感じることはなくまずまずだ。

 一番上には、検索結果を生成するのに利用したソース(ウェブページ)が表示されており、クリックすると別ウィンドウに表示される。

 グーグルなど従来の検索エンジンでは、検索結果としてこのような関連したウェブページへのリンクを表示するだけだったので、ユーザーはそれぞれのページを開いて内容を確認する必要があったが、Perplexity AIはLLM(デフォルトはGPT-3.5)を使ってこれらのページの内容を要約してくれるのだ。

 こちらがPerplexityが用意した要約だ。小見出しや箇条書きで情報が構造化されているため非常に見やすい。また、要約文中の小さな数字をクリックすると、その情報の出典元であるウェブページが開くので、情報の信頼性を確認できる。

 最下部には小さなアイコンなどがいくつか表示されている。

 1. (共有):この検索結果を表示するURLがクリップボードにコピーされる。

 2. (書き直す):別のLLMで要約をし直すことができる。(有料プランに契約が必要)

 3. (コピー):検索結果をコピーする

 4. (クエリを編集):プロンプトを編集して検索をやり直すことができる。

 5. (…)をクリックすると、「ソースを見る」「レポート」の2つの項目が表示される。

 「ソースを見る」を選ぶと、この検索結果で使用されたページ(ここでは5個)がすべて表示され、クリックするとそのページに飛ぶことができる。なお、ここに表示されているのは最上部に表示されたものと同じページだ。

 情報ソースとしてあまり信頼できないページが表示されていた場合は、チェックボックスにチェックを入れて「◯つのソースを削除」をクリックすると、そのページの情報を使用せずに新たに検索結果を表示してくれる。これはとても便利な機能だ。

 「レポート」を選ぶと、検索結果に対してフィードバックを提供することができる。

 検索結果の右側には「画像を検索」「動画を検索」「画像を生成する」の3つのボタンが表示されている。

 「画像を検索」をクリックすると、Perplexity AIが生成したテキストの検索結果に加え、関連する画像を見つけて表示してくれる。テキストだけでなく視覚的な情報も得ることができるのだ。

 さらに「動画を検索」をクリックすると、関連するYouTube動画を表示してくれる。なお、「画像を生成する」の利用には有料プランの契約が必要になる。

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