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「INNOVATION LEAGUE 2024」DEMO DAY レポート

共創、テクノロジーの導入でスポーツ事業を拡張

2024年04月10日 06時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP 撮影●曽根田元

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2つの賞を同時受賞したプロジェクトとは

 イベント後半では、「コンテスト」で受賞した企業や団体が表彰された。

「コンテスト」部門は、大賞である「スポーツオープンイノベーション大賞」のほか、「ビジネス・グロース賞」「ソーシャル・インパクト賞」「パイオニア賞」、「スポーツオープンイノベーション大賞」の4つ。

「スポーツオープンイノベーション大賞」は、リユース事業を行う「バリュエンスジャパン」によるプロジェクト「持続可能なチーム運営とファンエンゲージメントをサポートする『HATTRICK Auction』~チームにとっては不要でも、ファンにとっては宝物に~」が選出。同プロジェクトは「ビジネス・グロース賞」との同時選出となった。

 HATTRICK Auctionは、アスリートが実使用したグッズを取り扱うスポーツチーム公認オークションを実施しているサイト。数多くの貴重な商品が出品されるだけでなく、正規品であることの徹底した立証や転売の抑制を実施。また商品に込められたストーリーも含めて落札者に提供する共感型サービスとしても人気を得ている。

 HATTRICK事業責任者の井元信樹氏は受賞に際し、「HATTRICK Auctionがここまで成長し、このような賞をいただけたのも、この事業を共により良いものにしようと一緒に取り組んでくださったクライアントの皆さま、ユーザーの皆さまのおかげです。今後も現状に満足せず、さらなるクライアント・ファンファーストを追求しながら、地域社会・地球環境へと貢献するサービスとして一層のサービス向上と成長を目指します」と今後の抱負を語った。

「ソーシャル・インパクト賞」は、「resolist」の「奈良県全域を走る移動式こども食堂」が受賞した。

 同社は松本山雅FC所属の現役Jリーガーの浅川隼人選手が代表を務めており、「アスリート食堂chabudai」や「浅川隼人レンタル」という、代表本人を何でも屋として派遣するユニークな取り組みを実施している。

 今回受賞した「奈良県全域を走る移動式こども食堂」は、「地域でこどもの健康を支え、共に育てる」をコンセプトに、キッチントレーラーで奈良県各地を回るプロジェクト。奈良県だけでなく他の地域からも注目されている取り組みだ。

 浅川選手は「現役アスリート初受賞ということで大変誇らしいです。『夢を追い、支え、創る』というミッションの下で活動をしています。これからもスポーツの力を使い、0距離で多くの方と関わり、人を繋ぎ、夢を紡いでいけるようにしたい。これからも皆さんと共により素晴らしいスポーツ界、日本にしていけることを楽しみにしています」とコメントした。

「パイオニア賞」は「渋谷未来デザイン」による、「AIR RACE X(エアレース エックス) - XRで拡張する都市とスポーツによる新しい体験価値をつくる」が選ばれた。

 AIR RACE Xは、実際のフライトと最新のデジタル技術を融合させた新時代のレースフォーマット。2023年10月には渋谷で世界初となるXR技術を用いたエアレースが実施され、大きな注目を集めた。今後は同プロジェクトで用いられたXR技術の他スポーツでの活用や、スポーツツーリズムといった地域活性化への貢献なども期待されている。

「渋谷未来デザイン」の長田新子事務局長は今回の「パイオニア賞」選出について、「大変誇りに思います。AIR RACE Xは、レース復活(※)への強い想いとそれを実現するために奮闘した仲間たちのストーリーそのもの。航空ルールやデータ取得、XR技術、空間演出などの専門家が共通の目的に挑戦した結果です。革新性の追求で、世界初のレースフォーマットや観戦方法も生まれました。今後は次のレース開催や他スポーツへの転用、地域活性化など更なる可能性も追求していきます」と抱負を語った。 ※エアレースシリーズは2019年で終了

 両部門の発表、表彰が終わった後は、室伏広治スポーツ庁長官が登壇し、全体の総括と閉会の挨拶を行った。

「オープンイノベーション」に対しては、「今回の成果発表をひとつの通過点として、今後の実装に向けて事業を加速し、事業の拡張を進めてもらいたい。期待しています」と話した。

 また、コンテストで受賞した3団体については「コンテストには多くの応募があり、選出されなかった取り組みも素晴らしいものでした。わが国のスポーツ産業を成長させていくには、皆さんのさらなる活躍が必要。スポーツ庁としても皆さんの取り組みを応援していきたい」と締めくくった。

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