富士通とジー・サーチ、体操競技の自動採点システムから生まれたマーカーレス動作解析AI技術「Human Motion Analytics Platform」のAPI活用企業を募集

　富士通株式会社と株式会社ジー・サーチは、2024年3月1日に開催されたオールジャンルのスタートアップ、先端テクノロジーの展示カンファレンスイベント「JAPAN INNOVATION DAY 2024 by ASCII STARTUP」に出展。展示ブースでは、富士通が開発したHuman Motion Analyticsのマーカーレス・2Dモーションキャプチャー技術をAPIから、スマホアプリやウェブサービスで簡単に利用できるプラットフォームサービス「Human Motion Analytics Platform」（2024年4月1日提供開始予定）を紹介。スタートアップ共創プログラム「Fujitsu Accelerator for Human Motion Analytics」の参加企業を募集する。プログラムの応募期間は2024年5月17日まで。

株式会社ジー・サーチ　コンテンツサービスグループ マネージャー 翟 健紅氏

　富士通が開発するHuman Motion Analyticsは、体操競技の採点支援システム「Judging Support System（JSS）」で培われた高精細な画像分析技術、ノウハウ及びAI技術を融合したデータ解析プラットフォームだ。富士通では、2017年から国際体操連盟と共同でJSSの開発に取り組み、2023年10月から全10種目の採点システムとして採用されている。このシステムは、選手の体にマーカーやセンサーを貼り付けることなく、4台（床は8台）のカメラで撮影した映像から競技者の動作を精緻に捉えて分析し、どの技を成功させたかどうかをAIが自動判定できる。

スタートアップ共創プログラム「Fujitsu Accelerator for Human Motion Analytics」募集開始

　このHuman Motion Analyticsの動作認識AI技術を体操競技以外の幅広い分野に活用を広げるため、プラットフォームサービス「Human Motion Analytics Platform」を2024年4月1日より提供開始し、株式会社ジー・サーチが運営する。

　Human Motion Analytics Platformは、マーカーやセンサーの貼り付けが不要で、スマートフォンやウェブカメラなどのカメラ1台で体の24カ所の関節を認識できるのが特徴だ。同サービスはパートナー企業にAPIとして提供し、スマートフォンで撮影した静止画や動画をアップロードすると骨格認識と動作解析データをアプリに出力するといったことが可能だ。スポーツやトレーニングのフォーム確認、リハビリや健康状態の診断、エンターテインメントや物流、製造の遠隔操作など、さまざまな領域のアプリに活用が期待される。

　また、Human Motion Analytics Platformを利用する国内外のスタートアップと連携して新サービスを共創するプログラム「Fujitsu Accelerator for Human Motion Analytics」を開催する。未上場～上場1年以内のスタートアップ企業（応募時点で法人登記が完了していること）を対象とし、スポーツ、エンターテインメント、ヘルスケア、エルゴミクスの4分野で15社程度を採択予定だ。採択企業の特典として、解析APIのトライアル利用、ユースケース開発・PoC支援、富士通グループとの共同マーケティング、解析API活用に向けた富士通グループとの検討ワークショップ、富士通グループとの共創プロジェクトの実行などが用意されている。動作認識AIを活用したアプリ開発に興味のある企業は応募してみては。