速くて楽しいEVカートがお台場で体験できる!
昨秋、お台場に本格的なEVレーシングカートとシミュレーターができる都市型レーシング体験施設「シティ・サーキット・東京ベイ」が誕生しました。今回、レースクイーン経験のある車好きタレントの新 唯(あらた・ゆい)さんとともに、この施設をご紹介したいと思います。
シティ・サーキット・東京ベイは、2022年8月に完全閉館したお台場パレットタウンの跡地に誕生した、東京23区内で唯一となるモータースポーツ・サーキットコースです。新交通ゆりかもめ「青海駅」直結で、近くには世界初のイマーシブ・テーマパークである「イマーシブ・フォート東京」のほか、2025年秋にはトヨタのバスケットボールチーム「アルバルク東京」のホームアリーナ「トヨタアリーナ東京」がオープンするなど、再開発が進む地域です。
サーキットを運営するのはトヨタのオフィシャルチューナーとして、モータースポーツ事業/自動車用品事業/デザイン事業を手掛けるトムス。遊園地のゴーカートではなく、レーシング直系のガチというから魂が引き上がります。
トムス担当者によると「私たちはスーパーフォーミュラやSUPER GTに参戦するほか、F4にエンジンを供給するなど、モータースポーツの上の部分をやってきた実績はあるのですが、将来に向けて根っこの部分を今までないがしろにしていたんじゃないかと。約2年前にお台場でモータースポーツジャパンで仮設のゴーカート場をやったことが、大きな転換期でした。そして、今の土地が空くというので、モータースポーツの裾野を拡大という目的のために開業しました」とオープンの理由を教えてくれました。
車両はTOM'Sの手による特製車両で、最高速度は70km/hと本格的なもの。どうして電動なのでしょう? 「このご時世、電動化はひとつのキーワードですよね」というイメージ的な面もあるといいますが、何より「エンジンだった場合、騒音の問題で都心部での営業はちょっと難しいと思います。それが過去、都心部や住宅地の近くにサーキットができなかった大きな理由です。電動化によって、駅の近くにカートコースができるようになった。これが大きいですね」とのこと。
営業時間は平日が12~20時、休日が10~20時というのも都心的。「カートで遊んでから、お台場でお食事が楽しめますね」と唯さん。郊外のカート場の場合、カートをするだけで1日が終わってしまいがちですからね。
走る前にブリーフィング受けてルールを知る
それでは遊んでみましょう。最初に申し込み用紙に記入し、料金を支払います。料金は屋外カート走行7分間で平日3500円、土日4000円。「え? 7分で4000円もするの?」と思われるのですが、その感想についてはのちほど。
エントランスではグッズも販売しています。ここで小さく「CASHLESS ONLY」の文字を発見! クレジットカードのほか、Suicaなどにも対応しています。ですがQRコード系はあまり多くないようです。
チェックインをしたあと、レストハウスでビデオを見ながら説明を受けます。服装は万が一のことを考えて、長袖・長ズボンというように「肌が露出しない」ものがベスト。靴はもちろん運動靴が望ましく、ヒールなどは論外です。これは自動車の運転でも同じことがいえます。
レストハウスの中には、コインロッカーが用意されていますので、手荷物などを預けるとよいでしょう。また、無料のシャワールームやパウダールームも完備されているので、夏の走行などで汗をかいた時にはピッタリです。その設備を見た唯さんは「ドライヤーとかヘアアイロンとかあるといいですね」とコメント。今後用意する予定だそうです。
走る前にシミュレーターでコースを覚えることも
施設は大きく分けて3つのエリアになっています。最初に目に飛び込むのは屋内にあるカートコース。これは小学生以下向けで、18時まで5分2000円、18時以降5分3000円。夜になるとプロジェクションマッピングによって、ゲームのようにコース上にブレーキングポイントなどが表示されるというからすごい!
小学生以下向けコースの先にはシミュレーターが並びます。実際のカートをベースにした筐体で、コースを習熟することができます。こちらはなんと、何度プレイしても無料という大盤振る舞い! ちなみに1プレイは7分間と、実際の走行と同じです。
まずは唯さんがチャレンジ。トムス担当者によると「まずは40秒が切れるかが最初の壁になりますね」とのことですが、スムーズな走りで42秒台を記録。「初めてプレイされる方とは思えない」と、お褒めの言葉をもらいました。
せっかくなので担当編集でクルマ好きのスピーディー末岡も挑戦。サクッと33秒台前半を記録。「ステアリングが結構軽いかもね」と憎らしいコメントを残しつつも「これ、朝から晩までずーっとやっていていいんですか?」と気に入った様子。フリープレイですが後ろに人が待っていたら譲ってくださいね。
屋内スペースにはミニカーの販売コーナーも用意されていました。これが意外と人気なのだそうです。
シミュレーターのようには走れずに苦戦する唯さん
コースを習熟したということで、実際に唯さんがカートに挑戦。フェイスマスクをかぶってからヘルメットを装着。首を守るハンスのようなものを装着してから車両に搭乗します。
そしてコースイン。最初の数周は感覚をつかむべくウォームアップ。そして3周目からアタック開始。
唯さんの走りをみているうちに、コースにTOM'SであったりTOYOTA GAZOO Racingといった看板が一切ないことに気づきました。そういったものがあれば、より気分がアガりますし、広告収益が得られるのでは? 「あくまで、モータースポーツの裾野を広げたいというのがありまして、メーカーの色を出したくないんです。トムスがやっていますし、トヨタのイメージがあると思いますが、実際は資本関係は全然ないですし、Hondaさんとか日産さんとかマツダさんとかスズキさんにも使ってもらいたいですね」。プロドライバーによるメーカー対抗電動カート大会が開催されたら取材に伺います!
さて、再び唯さんの様子をみると、思ったよりタイムが上がらない様子。さっきシミュレーターで出した42秒台はどこへ?
こうして7分が終了しチェッカー。降りた唯さんに話を聞くと、開口一番「7分がすごく長かったです。もう疲れました」と疲労困憊ぎみ。そして「レーシングドライバーさんて、1時間とか2時間、運転されるんですよね? すごいです」と、改めてレーシングドライバーの偉大さを感じたのだとか。そして走りながら「タイムを見て、あれ、遅くない? って(笑)」と思っていたそうで、「また挑戦したいです!」とリベンジ宣言。
都内で本格的なモータースポーツが楽しめる施設
施設内には休憩用のベンチもあったりして、待ち時間であったり、友達との談笑に好適。そこで座って様子をみていると、外国の方の姿がちらほら。「訪日観光客の方の利用も多いですね。どうやら電車内から施設を発見し、足を運んでくださっているようです。円安ということもあって、彼らからするとプレイ料金が安く映るようですね」と分析されていました。
「今までは郊外でコアなファンを対象にした施設が多く、都市型のモータースポーツを知らない方がいらっしゃる施設はありませんでした。ですから、オペレーションであったり接客などをしっかりできるようになってから、イベントや貸し切り営業が早くできるようになりたいですね」と担当者。そして「全日本カート選手権のEV選手権を年3回実施する方向で動いています。全日本のEVカートは停止状態から3秒で130km/hまで加速する化け物ですよ(笑)」とのこと。
モータースポーツファンはもちろん、そうでない方もパートナーや家族とお台場に遊びに来た際、立ち寄られてみてはいかがでしょう。年齢や興味の有無問わず、誰もが絶対に楽しめること間違いありません。だって乗車された後の顔は、みなさんニコニコでしたから。