AI警備システム「AI Security asilla」バージョンアップ
「飛び降り/飛び込み予兆検知」などの新機能を追加実装
アジラは「行動認識AI」を搭載した「AI Security asilla」のバージョンアップを発表した。
今回のバージョンアップは、マイナーバージョンアップではあるものの、検知精度の向上のみに留まらず、警備業や施設管理などの現場からの要望が大きかった「飛び降り/飛び込み予兆検知」を始めとした新機能が追加実装された。
新機能の実装にはアジラの研究チームであるHuman Science AI Reserch(通称:HSAR)で研究されているヒューマンサイエンス領域の研究成果から技術転用されたものが数多く使用されている。
Ver2.4のバージョンリリースに含まれる新機能紹介
今回のバージョンアップでは、これまでの侵入や転倒などの検知に加え、「行動認識AI」の大幅な成長により利用客から要望の多かった機能を中心に新機能が搭載された。
本バージョンよりリリースされた新機能
飛び降り予兆検知機能
HSARで展開されているヒューマンサイエンス領域の研究結果に基付いた「移動軌跡」「位置情報」「身体各所の動作パターン」などの飛び降りをする者の特徴をAIにフィードバックすることで、潜在的な危険行動の兆候を検知・発報することで飛び降り行為を未然に防ぐ
スケボー・自転車乗り入れ検知機能
既に導入している施設からの要望が多かった「スケボー」「自転車」の乗り入れを検知する機能。一般的な認識AIである「物体認識AI」ではなく「asilla」では「行動認識AI」で検知しているので、スケボーを手に持って検知範囲に進入しても検知はされない。同じく自転車を押して歩いて検知範囲に進入しても検知はされない。スケボーも自転車も人が乗車した状態で検知範囲に進入した時のみ危険行為として検知し、発報する
エスカレーター違和感検知
エスカレーターの階段部での逆走や危険行為などを検知する。これによりショッピングセンターなどの複合施設で、もっとも事故の発生が多い箇所の一つとされるエスカレーター周りの事故を防止することが狙える
違和感検知精度の向上による不審行動の検知
HSARのヒューマンサイエンス領域の研究を発展させた研究成果をasillaへ学習させることで、これまで以上に人間が違和感として感じる異変を同じく「違和感」としてAIが感知し、不審者の検出や落書きや粗暴行為、事故犯罪前兆などを検知できるようになった
混雑検知機能
あらかじめ設定したエリアに設定した人数以上の滞留をasillaが観測したときにアラートを発生させる。エスカレーターの降り口などに適切に設定することで、人流の詰まりによる将棋倒しなどの重大事故の発生防止に期待できる
カメラ画角変更検知&自動再学習機能追加
左右や上下の動き、ズームが可能なPTZカメラに対応。カメラの向きやズームを変更すると、この変化を自動で検知し、必要な再学習をする
警備日報用動画メモ機能追加
asillaが検知した異常や不審な動きを含む映像を自動的に切り分け、それぞれの映像クリップにメモを付け加える機能が追加された。これにより、警備日報や施設管理日報などへの活用ができる
他社製のサービスとの連携機能追加
asillaにAPI機能を搭載し、他社のプロダクトやソリューションとの自動連携が可能となった。既に他社様開発のVMS(ビデオマネジメントシステム)との発報連携などが実装されている
これらの機能追加のほか、全体的な検知精度を上げることにより、一層の警備品質の向上や施設管理の運用効率の向上に寄与するバージョンアップとなった。
事故事件の予兆察知をより強化することにより、起きてしまった事件事故の検証をするための防犯カメラプロダクトから、警備や施設管理における本来のミッションである「未然に防止する」業務への貢献ができる。
次期バージョンアップで実装される予定の主な機能
火事・炎検知
警備上、または施設管理上で大きな脅威になる火事を検知する。火事を検知するためのセンサーなどの設置は消防法によって義務付けられているが、屋外をはじめとしたセンサーの検知範囲外での火災を検知することは難しい現状がある。消防法で定められたエリア以外へセンサーを取り付け運用するコストと比べると、既存の防犯カメラで火災を検知する方がコスト的にも有利に働くという
不審物検索機能
近年交通インフラや、公共施設などで頻発している不審物による交通遅延や施設の封鎖など、これらが原因となっている置き去りにされた荷物などのいわゆる「不審物」を自動検知するアップデートが予定されている。このアップデートにより期待できることとして、単純な忘れ物だった場合に持ち主を特定してすぐに返還業務へ移れることや、脅威のある不審物を早期に排除することができるため施設やインフラの利用者への影響が最小限に抑えられることなどのメリットが挙げられる
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