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T教授の「戦略的衝動買い」 第769回

ギガ超えの夢破れたドコモ「home 5G HR02」を平常運転!

2024年01月26日 11時30分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

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想定すらしていかった異常事態がやって来た……!

 令和5年の除夜の鐘を聞き、絶好調なうちに令和6年お正月の三が日が過ぎ、成人式を過ぎた翌日辺りから想定すらしていかった異常事態がやって来た。年末年始の連日に渡る速度計測にも飽きてた頃だった。久し振りに朝早く目覚めた時にベッドの中でmotorola razr 40を取り出して、年末年始のくせでつい速度計測をやってみた。

 Speedtestアプリのメーター針がいつものように素早くギュイ〜ンと右に回ったかに見えたが、なぜか100Mbpsを超えた辺りで急に停滞した。結果、速度計測の値はなんとダウンロード126Mbps、アップロード87.2Mbpsという、ここ10日度はお目にかかったことのない低速だった。その後、繰り返し時間帯や日を変えてやってみても、ダウンロード、アップロードのスピードに大きな変化はなかった。

 興味本位でHR02を手に入れ設定した12月30日〜1月18日までのSpeedtestによる速度計測の実データをCSVにして取り込んでみた。前半の12月30日〜1月8日までの全データのダウンロード平均値はなんと約753Mbps、アップロード平均値は約56Mbps。一方、1月10日〜1月18日までのダウンロード平均値はなんと約126Mbps、アップロード平均値は約50Mbpsだった。アップロードの速度差は10%ほどだがダウンロードの速度差は6倍近い差であることは明らかだった。

 自宅のNURO光回線でも、IIJmio回線を使用している筆者のメイン(Galaxy Z Fold4)とサブ(motorola razr 40)の2台のスマホによる同様の期間に実施した速度計測でも、これほど顕著な速度差はなかった。せいぜい25%どまりだった。ところがなぜかHR02のバックエンドの5G回線網が年末年始の低トラフィックの時期と、社会が動き出した後の高トラフィックの時期とで速度差が大き過ぎる印象なのだ。

 昨今、トラフィックの急増を引き起す要因は、ここ10年ほどの間に増加の一途をたどった企業業務のクラウド化やモバイルワークだろう。またコロナ禍以降はごく普通のオペレーションになってしまったリモートワークやそれらに関連するネットミーティングなのかもしれない。また個人利用でも増加中のサブスク型エンターテインメントの拡大やオンラインゲームなども考えられる。

 繰り返しになるが……同時に利用しているNURO光回線やIIJmioの回線では、いずれもトラフィックの変動による「輻輳」の影響をほぼ感じることはなかった。もちろん速度計測の結果にも大きな差は表れない。ドコモ home 5Gのバックボーン回線網にだけ、これだけ大きなスピード差が現れることは極めて興味深い。

 年末年始は「特殊」だということをあえて無視するなら、この年末年始の10日間に筆者が経験したスピード差の現実は、home 5Gのバックボーンの回線網は平均で750Mbps前後の実力があるにもかかわらず、社会が動き出すと何か特別な理由による輻輳で、実際にはその6分の1〜10分の1程度のスピードに低下してしまっているという現実だ。

 ネットのスピードは、実際に体感だけで評価するなら30Mbps〜もあれば多くのビジネス利用や動画のプレイバックでも十分なのかもしれない。オンラインゲームでも100Mbps近辺が理想値だ。ネット上では理論値ではないHR02のダウンロードスピードの平均値は5G接続時で150Mbps前後だと言われている。(みんなのネット回線速度)

 月々の支払が2970円+2円(オプションサービス)の合計2972円なら、HR02はまだまだコスパの優れた家庭&SOHO向けサービスだといえるだろう。令和6年の12月末を待たずして、もう一度800Mbps 〜1.2Gbpsのカッ飛びインターネットを体験してみたいものだ。こうして筆者の令和6年の初・白日夢は明けた。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:NTTドコモ「home 5G HR02」
・購入:ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba
・本体価格:3万1280円(キャンペーン価格/契約事務手数料ならびに通話・データ料金別)

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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