acerのスマホ、中南米で新モデルが発売
PCメーカーのエイサー(acer)のスマートフォンを覚えているでしょうか。「Liquid」のブランド名で、過去には日本でもAndroidやWindows Phone端末を出していました。しかし、最後のLiquidシリーズが海外で販売されたのは2016年。それ以降はスマートフォンを出していませんでした。ところが中南米、ラテンアメリカ地域で新たに「SOSPIRO」ブランドのスマートフォンの展開を始めています。
中南米のスマートフォン市場は年間出荷台数が約1億2000万台で、全世界の出荷台数12億台の約10%を占めています。5Gへの移行はまだまだこれからであり、今でも低価格な3Gや4Gのモデルが売れる市場です。エイサーは低価格モデルを出すことでブランド力を浸透させ、5G時代には格安5Gスマートフォンで勝負をかけようと考えているのかもしれません。またブランド力アップは同社のPC製品の売り上げアップにもつながります。
エイサーのラテンアメリカ地区のウェブページを見ると、2023年12月時点で7機種が販売されています。スペックはミドルレンジで、通信方式は3Gまたは4G対応。おそらくどこかのメーカーのOEMまたはODM品と思われますが、背面のグリーンの「acer」ロゴがいい感じのワンポイントアクセントになっており、意外とカッコいい仕上がりです。
ラインナップは「A」シリーズ、「AX」シリーズ、「AC」シリーズに分かれるようです。各製品の大まかなスペックは以下の通りです。それぞれ通信方式/チップセット(UNISOC)/ディスプレー/カメラ/バッテリー、です。
Aシリーズ
A60:3G/SC7731E/6型HD+/800万画素カメラ/3000mAh
A60L:4G/SC9832E/6型HD+/800万+200万画素カメラ/3000mAh
A61LX:4G/SC9863/6.08型HD+/1600万+200万画素カメラ/3000mAh
AXシリーズ
AX61:4G/T610/6.52型HD+/5000万+500万+200万+200万画素カメラ/5000mAh
AX64:4G/T610/6.52型HD+/5000万+500万+200万+200万画素カメラ/5000mAh
AX85:4G/T610/6.82型HD+/5000万+500万+200万+200万画素カメラ/5200mAh
AX61はメモリー構成が4GB+128GB、AX64は6GB+256GBで、それ以外のスペックは同一です。
ACシリーズ
AC81:4G/T610/6.82型HD+/5000万+500万+200万+200万画素カメラ/5200mAh
AX85はメモリー構成が8GB+256GB、AC81は6B+128GBで、またカメラ周りのデザインをAX85と若干変えています。
こうしてまとめると実際は5モデル(1つはデザインバリエーション違い)なのですが、製品数を増やすことで販売店での専有面積を広げるとともに、ユーザーへの選択肢も広げることができます。なお、現時点では南米キャリアのTelcelでの販売になるようで、2年間の保証付きで販売されます。
エイサーのモデルが日本に出てくることはないでしょうが、現地で人気が出てくれば、数年後には中南米でメジャーなスマートフォンメーカーとして知られる存在になるでしょう。将来エイサーの格安5Gスマートフォンが出てきたらぜひ使ってみたいですね。
「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!
長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!
「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

この連載の記事
-
第756回
スマホ
スマホだけじゃなくクルマも売ってるミラノの家電量販店が最高すぎた -
第755回
スマホ
Acerからついに5Gスマホが登場! 今すぐインドに買いに行きたい -
第754回
スマホ
東京でのライカ100周年イベントに先駆けてミラノを訪問 -
第753回
スマホ
なぜ高性能で安いのか? シャオミのコスパスマホ「POCO」の製品開発戦略を聞いた -
第752回
スマホ
シャオミ「Xiaomi Smart Band 9 NFC版」で台北の地下鉄に乗車 -
第751回
スマホ
AQUOS R9 proで67mmのカメラフィルターを使うメリットを探る -
第750回
スマホ
OPPOのスマホでMacが操作できるリモートPCコントロールを試した -
第749回
スマホ
iPhoneをライカカメラスマホにする純正グリップは撮影が楽しくなる -
第748回
スマホ
トルコの謎スマホビルは健在だった! 猫だけじゃない、スマホで感じるイスタンブールの魅力 -
第747回
スマホ
8mm台なのに金属筐体でガチ頑丈! 2025年は「タフネススマホ」の世界にも激薄のトレンド到来 -
第746回
スマホ
ドイツテレコムが3万円台で買える音声操作のAIスマホをキャリア自身で開発 - この連載の一覧へ