本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「「Amazon Q in Connect」がコンタクトセンターソリューションの勢力図を一変させるのではないか?という話」を再編集したものです。
こんにちは! FIXERヘルプデスクの馬場です。
先日、ラスベガスでAWSのイベント「AWS re:Invent 2023」が開催されましたが、その中で発表された「Amazon Q」が大きな話題となったのは皆さんすでにご存じかと思います。
そういった数多くの発表の中でも、ヘルプデスクに従事する者として非常に興味があったのが
「Amazon Q in Connect」です!
これ、もしかしたらコンタクトセンター運営においてゲームチェンジャーになるのでは? という予感がしましたので簡単にご紹介してまいりたいと思います!
「Amazon Q in Connect」とは
※以下、画像は全て上記URLから引用
今回のKeynotes(基調講演)の中で発表された生成AIアシスタントである「Amazon Q」をベースとしてコンタクトセンターのエージェントが顧客とのお問い合わせに対処する為に、「Amazon Q」が推奨する応答やアクションを教えてくれる機能です!
ChatGPTの公開により、様々な業務で生成AIが活用されているかと思いますがコンタクトセンターの現場では、お客様との通話中にChatGPTで質問して回答するには「話中入力」はもちろんのこと、「適切なプロンプトの選択」や「お客様のお困りごとを要約して入力」ということを、会話をできる限り止めることなく進めなければならず、熟練技とも言えるスキルが必要になってしまうのがネックでした。
これが、「Amazon Q in Connect」を「Amazon Connect Contact Lens(通話録音などの音声をもとにデータ分析する機能)」と組み合わせることにより、お客様との通話中にリアルタイムで回答やアクションをサジェストしてくれるようになるそうです!
「生成 AI を活用してエージェントにリアルタイムの応答と推奨アクションを提供し、関連するナレッジ記事やドキュメントに素早くアクセスできます。」
“Q:リアルタイムの推奨事項にはAmazon Connect Contact Lensが必要ですか?”
“通話中にAmazon Q in Connectのリアルタイムの推奨事項を使用するには、Amazon Connect Contact Lensが必要です。チャットでAmazon Q in Connectを使用するには、Contact Lensは必要ありません。”
「Amazon Q in Connect」への期待
前述の通り、生成AIをアシスタントとして活用するシチュエーションは当然ながらコンタクトセンターでも注目され、主にCRMの機能として、PBXやCTIとの連携で利用するケースが多かった印象です。
先日参加したコールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2023 in 東京でも、CRMにChatGPTを連携させて音声認識による文字起こしや同じく音声認識により、お客様からいただいたご質問に対し、ChatGPTで最適な回答を表示する機能のデモをいくつも見てきました。
「Amazon Q in Connect」がすごいのは、AWSの中でAmazon ConnectというクラウドPBXを軸に生成AIを連携させることで、大がかりな開発やシステムを導入しなくても理想のコンタクトセンターを運営できるようになる! という点ではないでしょうか。
しかも、今ならAmazon Qはプレビュー期間ということで2024年3月1日までは無料で使えます!! (それ以降はユーザー単位で課金されるそうです)
ちなみに、
「今まで使ってたCRMを使いたい!」
とか
「これからCRM入れようと思ってたのに…」
という方、ご安心ください。Salesforce、Zendesk、ServiceNowなどの主要CRMと接続可能とのことです!
また、Microsoft SharePointやAmazon S3といったサービスにも接続できるそうです。
「サードパーティーのアプリケーションと、Salesforce、Zendesk、ServiceNow、Microsoft SharePoint online、Amazon S3 などの AWSサービスの組み込みコネクターを使用して、ナレッジリポジトリーのコンテンツを接続します。」
もし、PBXをクラウド化したいなぁ… とか今流行りの生成AIを使えるようにして顧客応対品質上げたいなぁ…など様々な課題が一気に解決できそうで、とてもワクワクしてます!
例えば…
・お問い合わせに対して、最適な回答が得られるのでエージェントのスキルに依存せず画一的に回答できる
・回答がテキスト化されるので会話の履歴をそのままコピーして履歴管理ツールに貼り付けられ、後処理時間が短縮できる
・既存あるいは新規作成したFAQを学習させてお問い合わせに対する回答の品質を向上させることができる
といったことができそうです!
よっしゃ、それならAmazon Connectに切り替えるか!という決断をされる方が増えるのでは?
やってみた(い)
今後は、Amazon ConnectをAmazon Q in Connectと組み合わせて我が社のヘルプデスクをアップデートできるようにしたいと考えています。
爆速で「やってみた!」と言いたいところ…なのですが、いかんせんAWSの知識が乏しく、まずはどういうことができるのか?を理解するのでせいいっぱいでしたので、仲間と協力しながら環境構築してみます!
馬場光史/FIXER
2022年12月入社の遅れてきたルーキーです。
コールセンター業界に約15年在籍していました。
食べることとしゃべることが大好きな人見知りです。
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