地下鉄の複雑な路線図の最適解を見つけるかのように、プロセス全体を可視化
Celonis、プロセスナレッジや生成AI活用につなげる「Process Intelligence Graph」を発表
2023年12月12日 07時00分更新
年次イベントではプラットフォームの強化も発表、日本市場も100億円の価値創出へ
また、年次ユーザーコンファレンスCelosphere 2023では、PI Graphに加えて、Celonisのプラットフォーム自体の強化についても発表された。
Studioは、分析ダッシュボードや実行アプリを、ドラッグ&ドロップにより容易に作成できる。ダッシュボード作成にかかる時間を削減し、開発生産性を向上させる。
Transformation Hubは、Celonisの導入によるビジネスへの影響を定量的にモニタリング、レポートする機能。プロセスや目標、価値実現の段階における成果を可視化し、価値の自動トラッキングや長期的な進捗状況のレポートおよび評価が行える。
Celosphere 2023は、ドイツ・ミュンヘンの空港に隣接した飛行機格納庫という異例の場所で開催。世界各国から3000人以上が参加した。
日本からは、富士通の執行役員 EVP CDXO(Chief Digital Transformation Officer) 兼 CIOである福田譲氏が基調講演に登壇。同社が推進している全社DXプロジェクト「フジトラ(Fujitsu Transformation)」におけるCelonisの採用を紹介するとともに、PI Graphに対する期待も述べた。
福田氏は、東京の地下鉄の複雑な路線図に触れながら、いまはスマホのアプリを使うだけで、最適なルートを提示し、どの出口を出れば目的地に到達しやすいかを示してくれるとし、PI Graphも同様に、業務の最適解を導き出してくれると述べた。「DXを推進するには、テクノロジーだけでなく、ツールセットやマインドセット、スキルセットが大切だとする福田氏の提言は、参加者の大きな評価を得た」と村瀬氏は振り返る。
また、基調講演では、Celonisのもうひとりの共同創業者兼共同CEOであるアレックス・リンケ氏が、「これまでのデジタルを優先して導入する『デジルタファースト』の考え方ではなく、これからは『プロセスファースト』で考えないと、物事の変化に追随できない時代がやってきている」と述べ、Celonisのパーパスは「人、企業、地球に対しても機能するプロセスを作り上げること」と強調したという。
そのほか、Celonisのクラウドプラットフォームに取り込まれたデータ量が555TBに達していること、接続されているソースシステムが250にまで拡張、分析されたプロセス数は2万4000以上に達していることを紹介。さらに、Celonisを有効活用する専門チームであるセンターオブエクセレンス(CoE)を設置しているユーザー企業およびパートナーは388社となり、Celonisの導入によって156億ドルの価値を創出しているといった実績を示した。
村瀬氏は、「日本でも早期に100億円の価値創出を目指している。今後数年で成し遂げたい」と語った。